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ALTER-7 その2(C8と比較編) [天文>機材>望遠鏡]

最近お金を工面する為ALTER-7を売って、C8に買い替える案を検討していましたが、数日悶々と悩んだ末一旦思い止まりました。

C6を持っているのでALTERとは口径差が3cmしかなく、口径アップも図りたい意図がありましたが、ALTERは笠井での取り扱いが終了(INTES-MICROが廃業)してしまい、手放せば再び手に入る見込みが薄い為、手放して後悔しないかどうか、ALTERの良い面を見直してみる事にしました。

《光学系》
マクカセはメニスカス補正板、主鏡副鏡含め全面球面で構成され精度が出し易い設計で、その優秀さは中華マクカセ(グレゴリー式)の評価に表れていると思います。更に独立した副鏡を持つルマック式マクカセのALTERはより短焦点且つ、色収差やアス、像面湾曲やコマ収差などの諸収差が笠井曰く『全て綺麗に』補正されており、低倍率から高倍率まで、眼視から写真までオールラウンドに使える万能性が大きな魅力だと思います。

一方シュミカセも主鏡、副鏡が球面ですが、シュミット補正板が複雑な形状なので精度を出すのは本来難しい設計かと思うのですがそこは天下のセレストロン、現在のシュミカセの評判を見る限り高い性能で安定供給されているものと思われます。但しC8等はコマ収差や像面湾曲が残ると言われており、フラットナーが組み込まれたEdgeシリーズが別にラインナップされている事を考えると、ノーマルC8との比較では周辺像の収差補正に関してはALTERに分があるように思えますが、直接比較してみないと何とも言えない所です。

《光量損失》
マクストフはメニスカス補正板が分厚い分、光量損失はシュミカセより大きい可能性があります。ALTERの補正板の素材はBK7相当で両面4層マルチコート、主鏡副鏡は反射率96%の増反射コートが施されており光量損失は抑えられているものの、C6の補正板を見るとALTERより透明感があり、Water White Glassと呼ばれる高透過ガラスを使った補正板にスターブライトXLTコーティングの組み合わせは相当優秀なのではと思わされます。これで更に口径が大きいC8相手では明るさでALTERでは敵わない気がしますが、ALTERは有効径より1割程大きい主鏡を採用しているとの事で、周辺光量に余裕のある設計となっているのはC8より有利な点かも知れません。

《迷光処理》
平面に近い補正板を持つシュミカセの場合、主鏡に反射された光が補正板の裏面に再反射し、これが迷光として主光束に混入し、コントラストを低下させる要因となりますが、マクストフはメニスカス補正板が深い曲率を持っているので、補正板の裏(凸面)に再反射した光は周囲に拡散するので迷光が主光束に入り込まず、コントラストを低下させない点で原理的にシュミカセより優れています。その上ALTERは鏡筒内に遮光環を幾重にも配置されており、また鏡筒径も主鏡径に対してC8に比べれば若干太く(ALTERは口径18cmに対して鏡筒径220mm、C8は20cmに対して230mm)、コントラストの面ではALTERが有利ではないかと思います。

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《重量、大きさ》
全長はC8が430mmに対し、ALTERは500mmと長いので、もし主鏡のF値がALTERの方が大きければC8より精度が出し易い設計かと思われますが、中央遮蔽径はALTERとC8でほぼ同じ値(副鏡直径遮蔽率31%)となっており、中央遮蔽による像への影響は似たようなものかも知れません。重量に関しては口径が大きいにも関わらずC8が軽く(ALTER-7:6.5kg、C8:5.6kg)、機材の軽さを重視する自分的にはC8の軽さは非常に魅力的です。

《合焦機構》
ALTER、C8共に主鏡移動式ですが、ALTERの主鏡移動はヘリコイドを使っている為、ミラーシフトが殆ど無いのは有利な点と思いますが、C6を使ってみても個人的にミラーシフトは全く感じないのでC8もALTERと比べても気になるほど生じないのかも知れません。

《フード》
C8を買うならやはりフードは必須になると思うのですが、以前C6用に巻き付け式の純正フード(C8も兼用)を買ったのですが余りの使い勝手の悪さに閉口し即売ってしまいました。折り畳みが出来なくていいのでALTERの様に金属製で形状が固定のフードは無いものかとネットを探して無い事も無かったのですが海外製で意外に値段が高く(日本で買えば2万円位?)、買い替えてお金を作りたいと言う動機からするとこのC8用のフードを別途購入する気にはなれませんでした。

そう考えるとALTERのフードはこれ以上無く良くできていて、フィッティングは当然文句無しで着脱方式もスムーズ、フード内にも幾重ものバッフルもあり、これだけで数万してもおかしくない出来だと思います。本体の性能とは直接関係の無い部分ですがこのフードの有無はC8との大きな差と言えるでしょう。

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《換気ファン》
温度順応に関しては補正板が分厚いALTERがC8より不利かと思いますが、もしC8でスコープクーラー等を使う場合、観望しながらの換気ができませんが、ALTERは換気ファンが内蔵されているので観望しながら換気できるのは大きなアドバンテージかと思います。またALTERには補正板の周囲に空気取り入れ口が設けられており、前方から空気を取り入れ、後方のファンで排気する効率の良い換気が可能です。

《キャリングハンドル》
ALTERはキャリングハンドルが扱い易い位置に付いていて運搬がとても楽です。C8も最近のものは下部に取っ手が付いているようですのでその点では互角でしょうか。

《ソフトケース》
ALTERはソフトケースが標準装備なのも非常にありがたいです。C8もそれ程高くない楽器用のケースが丁度良く使えるらしいですので、こちらも特に困らないかも知れませんが。

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《造り、質感》
これはもうALTERの圧勝でしょう。C6を持っているのでC8の質感も大体想像できますが、ALTERは造りが雑な部分もありますが精巧に出来ており、材質が殆ど金属で出来ていてプラスチック部品などは殆ど見当たらないのが大きな特徴で、接眼部のキャップですらアルミ削り出しで作られておりここまでやるかと言う印象です。この金属加工に徹底的に拘った全体の仕上がりは職人気質が感じられる独特の質感を放っていて、それ程高級感がある訳ではありませんが持つ喜びを感じられる程です。一方シュミカセはC6を見る限りはまあ大量生産品かなと言う印象です。道具として使う分には何ら問題ありませんが。

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《価格》
ここまでALTERの良さを書き連ねても、C8の値段を見ると全てが霞んでしまいます(ALTER-7の最終販売価格は51万3千円;)。ALTERにC8より優れた部分が幾らかあるとしても、この価格差ではALTERを選ぶ理由には正直なり得ないと思います。

実際の見え味においてもC6を使っていてシュミカセの性能は非常に良いと感じていますので、ALTERの方が設計上有利な部分があっても、C8はやはり口径が大きいですのでトータルな見え味でそれ程大きな差は無いのではと予想しています。直接対決してみたいですね。



こうしてみると価格以外の面でC8と比べてALTERが不満に感じる部分は殆ど口径のみなのですが、2cm口径が小さい事は不利な事ばかりではなく、F値が同じですのでその分焦点距離が短く、より低倍率が出し易いのでその分広い視界が確保できる事を考えると大きなデメリットでも無いように思えます。

そう考えると色々とよく出来ているALTERを手放すのもやはり勿体無い気がしてきましたので、買い替え計画は一度棚上げし、もう暫くはALTERを使い続けようと思い直した次第です。

※その様な訳で以上はALTER売却を思い止まる為にALTERの良さを思いつく限り書き連ねた内容ですので、買い替え対象となったC8を貶める意図はありません(むしろ非常に魅力的な鏡筒です)。もしC8使いの方がご気分害されたら申し訳ございませんm(__)m