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ACクローズアップレンズNo.9+ELS双眼装置でWX超え計画 [天文>機材>望遠鏡]

ケンコーACクローズアップレンズの望遠鏡用対物レンズとしての可能性について(マニアの一部で)注目が集まる昨今ですが、個人的に眼視用の対物としてどう使うかを模索する中で、ふとネットでACクローズアップレンズ『No.9』の文字が目に入り、「9・・・だと??それもACで!?」と何ぞそれと思い調べるとどうも実在するレンズの模様。現行のケンコーACクローズアップレンズのラインナップは、

種類焦点距離レンズ構成
AC No.2500mm1群2枚
AC No.3330mm1群2枚
AC No.4250mm1群2枚
AC No.5200mm1群2枚

と4種類ありますが、これに加えてかつては、

種類焦点距離レンズ構成
AC No.9115mm2群3枚
AC No.1760mm4群4枚

の2種類が存在していたようです。

へーそんな製品もあったんだと納得したところで、以前『MC』クローズアップレンズNo.10とELS双眼装置を組み合わせたお遊び双眼鏡を作ってみて完全にネタにしかならなかったのですが、このNo.9は2群3枚のアクロマートだし焦点距離も若干長いのでそれなりに像が改善するのでは?と興味が湧き、また前回の実験ではアイピースはナグラー9mmでしたが、今はELS双眼装置で最大視野が得られる100度アイピースのXWA9mmが手元にあり、周辺像の改善効果が噂されるELS双眼装置用の0.66xレデューサーもあるので、これらを組み合わせるとスペック的には、倍率8.4倍、実視界11.86度、瞳径5.9mm、見掛け視界100度と(口径は50mmと仮定)、かのお化け双眼鏡ニコンWX10x50を凌駕するスペックとなり、面白そう・・・やってみよう!と期待に胸を膨らませて動き出したのでした。

tlscp-accup9elsbn_1.jpg

中古で何とかレンズを入手し、フィルター径58mmに対して有口径を定規で測るとやはり50mm程度で、家の中のあっちこっちのBORGパーツその他をかき集めてピントが出るように試行錯誤した結果、以下の構成になりました。

・Kenko ACクローズアップレンズNo.9(フィルター径58mm)
・継手リングφ58mm径 (メスーメス)→ノーブランド、以前ヤフオクで購入
・BORG M57→M58AD【7407】
・BORG M57→M57ADIII【7459】
・BORG M57ヘリコイドS【7757】
・BORG 2インチホルダーSII【7504】
・Baader 2インチ→31.7mmアダプター
・笠井 ELS双眼装置(0.66xレデューサー装着)
・賞月観星 XWA9mm×2本

tlscp-accup9elsbn_2.jpg

で、覗いてみたところ・・・これはすごい!マジかよ!?と唸るレベルで、ACと付いただけでMCのNo.10とここまで見え味が違うとは全くの想定外で、色収差もあまり感じず、像もシャープで良像範囲も8割位ありそうで、これであれば像質は十分実用レベルと感じました。双眼装置を使っているので像は暗いですが、プリンス6.5x32と見比べると、見掛け視界が圧倒的に広いのに実視界も上回っており、スペック倒れのネタ双眼鏡の範疇を完全に超えている印象です。重量は上記構成で約1950gとちょっと重いですが。

tlscp-accup9elsbn_3.jpg

しかし他の双眼鏡と見比べてみて、双眼装置を使っているにしてもあまりに暗くない?と疑問に感じ、もしかして口径ケラレてるのでは?と双眼装置のレデューサーを外してみたところ、倍率は上がったにも関わらず像はむしろ明るくなったように感じ、これはいよいよ怪しいと対物レンズ前に半紙を張ってアイピースから電灯の光を入射して、半紙に投影される光の円の直径を見たところ大体2cm強(レデューサー有りだと1.5cm程度)の大きさしかありませんw

あちゃーこんなにケラレてるの!!?とこれでは周辺像が良かったのもある意味当然かも知れません。ELS双眼装置の第一焦点は双眼装置のバレルの中にあるらしいので、そこまで光路がケラレずに光が到達すればそこからはリレーレンズで焦点が延長されるので問題無いかと勝手に思っていたのですが、ケラレに関しては別問題なのか色々と考え方が間違っていたのかも知れません;

恐らくは盛大にケラレているので暗くて解像度も落ちるのですが、明るい場所であれば他の双眼鏡では味わえない世界が体験できるのは間違いなく、この超視界と見え味(周辺像)を得る為には口径の犠牲も無意味では無かったと考えれば半分成功、と言える結果かも知れません。

ニコンWXを凌駕するスペックとはなりませんでしたが、WXの世界を垣間見れた(こんな感じに見えるんだろうな、と言う想像は付く)点ではやってみて良かったと思えた今回実験でした(^-^ゞそれにしても生半可な機材ではスペックすら再現できないWXはやはり凄い双眼鏡なんだなあと再認識した次第です。

尚、一瞬この計画が大勝利を収めたと喜び勇んで勢いだけで調達したのがこちら。

tlscp-accup9elsbn_4.jpg

どーすんねんこれ・・・笑;

その後No.17の転職先が見つかりました。