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ブランカ70EDT vs C6 vs FC-100DL [天文>機材>望遠鏡]

今年に入って再び木星が見えてきてシーイングもまずまずになってきた頃合を見計らって、これまで頭の中では良い勝負かな?と思っていたものの直接対決させた事のなかったブランカ70EDTC6の2台で覗き比べをしてみました。

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木星の表面模様の見え方で比べたところブランカよりC6の方が見え味は上でした。やはり光量差が大きいのでC6の方がブランカより模様が見易く、より細かい模様が見えます。ただ光量差に比べて解像度の差はそこまで大きくなく、C6に比べてブランカはかなりの過剰倍率にも関わらずシャープネスがそれ程落ちていない見え味に光学系の素性の良さを感じました。

当初雲が多かったものの天候も回復してきたので今度はFC-100DLも引っ張り出して3台で見比べました。FCとC6の直接の見比べも初めてでしたがやはりFCの方が解像度が高く、模様もより立体的に見えます。明るさは同程度でコントラスト(模様の濃さ)は意外にそれ程変わりません。C6はフードも無い補正板丸出しの状態で近所に明るい街灯も照っており、FCが有利な条件と思いましたがそれでもいい勝負しているC6を正直見直しました。昔はシュミカセはコントラストが・・・と言うイメージがあったものですが。

総合的な見え味の順番で言えばFC>C6>ブランカと言う順当な結果になりましたが、今回の見比べでお気に入り度がアップしたのはC6でした。月惑星観望するには十分な高倍率性能で口径が大きいので星雲星団観望にも使えますし、その際双眼装置もバロー無しで使えますし筒が短く扱いも楽です。ピント合わせも今回の3台の中では一番スムーズでストレス無く使えました(ウチのを普通に触っている限りミラーシフトってホント何?って感じです)。シュミカセっていいものですね。

余談ですが架台が揺れる度合いはC6+APZポルタ>FC-100DL+APZポルタ>ブランカ+TG-SとC6が一番揺れが少なく見えました。

笠井 BLANCA-70EDT [天文>機材>望遠鏡]

ベランダお気軽観望用に2kg以下で月惑星が良く見える鏡筒が欲しくなり、MarkV双眼装置の重量を支えられ、バックフォーカスにも余裕があり、2インチ天頂ミラーの回転を防ぐ2箇所以上のネジ止めが可能な接眼部を搭載している点が決め手となりこの鏡筒に手を出してみました。元々クレイフォード接眼部に余り良い印象を持っていない自分的にラックアンドピニオンな部分も好感が持てました。

実物を手にしてみて、WO製品の様な高級感、持つ喜びなどはあまり感じられませんが、造りに粗を感じる事も無く堅実に作られている印象です。第一の目的である軽さに関しては鏡筒バンドが最小限の構造で必要十分な機能、強度があり、全体の軽量化に寄与していると感じます。バンドに取り付けるアリガタも出来るだけ軽量になるようにBORGのVプレート60S【3164】を使用、ファインダーアリミゾは笠井のDXファインダー台座を装着し、これで総重量は約1770gとなっています。

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月惑星しか見ていませんが、見え味に関しては予想以上に良く見えます。過剰倍率を掛けても非常に像はシャープで、いつも笠井の宣伝文句は誇大な印象がありましたが、この鏡筒の光学性能に関しては誇張では無いと感じました。口径70mmの小口径にしてはFPL-53を用いた3枚玉と豪華な造りですが、スペック倒れでなくそれが性能に結びついている印象です。中華製の3枚玉と言う事で警戒していた光軸もほぼきっちり合っており、恒星の焦点像を見ても教科書通りの極めてシャープな見え味です。笠井の中華アポと言うとアポと言うには色収差が多い評判がある製品もあるようですが、この鏡筒に関してはF6と言う短焦点に関わらず月を見ても色収差を微塵も感じないのは立派な光学性能だと思いました。

逆に光学性能が良いので、420mmと言う焦点距離がネックで高倍率が出し難いのが難点です。双眼装置+4xバロー+12mmアイピースでも140倍しか稼げないので、より短焦点のアイピースか高拡大率のバローを用意したくなります。そこで像が悪化しそうであまりやりたく無かったのですが、バローに延長筒を噛ませた上で(これでバローの拡大率が約4.4倍)ナグラー9mmを使った約200倍で観望しても木星など破綻せずに見えました。この有効径の3倍近い倍率で破綻しないとなると高倍率性能はタカハシ鏡筒並み、と言うのは言い過ぎでしょうか。

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光学性能には満足出来ましたがここで終わらないのが笠井製品です笑。かつて笠井のクレイフォード接眼部を使っていた際、重量アクセサリーがずり落ちない様にドロチューブの締め付けのテンションを上げると微動が空回りする不具合があったのですが、このラックアンドピニオン接眼部においても微動の空回りが発生し、ピントの微調整ができず現状粗動を使って合わせているのでこれなら微動が無い方がマシです。この接眼部も特に悪い製品ではないのでしょうが(BORGで採用されているのも同じものの様です)、この双眼装置と天頂ミラーの重さが想定外なのか、この辺の不具合は何時解消されるのか、何で微動と祖動がギアで繋がっていないのか、構造はよく分かりませんが何とかして欲しいものです。ただドロチューブの動きはスムーズそのもので、ラックアンドピニオンに関わらず、ガタやバックラッシュが一切無いのは感心しました。

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中華アポにはアルミケースが付属している場合が多いですが、この鏡筒に関してはありませんでした。ので何か良いケースは無いものか探した結果、例によってアイリスオーヤマのAM-35Tと言うアルミケースが縦横寸法的にはぴったりでした。深さ的には若干余裕があったのでクッションを敷いています。

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微動が使えないのでピント合わせには多少難儀しますが、軽さとコンパクトさ、そして光学性能を鑑みればお手軽観望用として自分の要求に適う、買って良かったと思える鏡筒でした。

C6FC-100DLとの比較観望の様子はこちら

ロンキーテスト実施の様子はこちら


GuideFinder50-BINO [天文>機材>望遠鏡]

対空双眼鏡が手持ちできたらお手軽観望に便利では?と興味がわき、実現するなら対空ファインダーを並べる形が手っ取り早いと考えたものの、BINOとして使うには目幅調整と左右の視軸調整ができる機構が必要となるので、そうなるとやはりミニボーグBINOで使ってるような架台が必要となり、そうなると手持ちは厳しいのでもっとごつくない構造で何とかならないかと思案して、ふと三点支持のファインダー支持脚を二つ並べれば支持ネジの調整で左右の視軸調整と目幅調整が同時にできるんじゃ?と思い付き、それだったらGuideFinder50を2つ既に持ってるので試せるじゃん!と早速実行してみました。

GuideFinder用の支持脚はリング部分と脚の部分が分離できるのでリング部分のみ使う事で余計な構造を減らす事ができ、脚の部分を繋ぐネジ穴を使えば無加工で隣のリングと繋げられるラッキーな造りにも助けられ、メガネ状のリング2セットにファインダーを通す事で、こんなんでいいの?wと思いつつ何とか形になりました。

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出来上がってみるとこれが中々上手く出来ていて、ファインダー本体以外の構成部品がリングしか無く、手持ちを想定する上で最小限の部品構成で視軸も目幅も調整できる、おまけに合焦機構も備わったある意味理想的なファインダーBINOが出来上がりました。

弱点はファインダーの間にリングが挟まるので目幅を最小にしたい場合でもこのファインダーの鏡胴径がφ54mmで間のリングの厚みが9mm弱あるので目幅が63mm程度以上ある人で無いと使えない部分でしょうか。あと手持ちは可能ですが逆に三脚に載せられなかったり、構造が頑丈で無いので視軸も狂い易い点などがあります。あと視軸調整は片手で本体持ちながらネジをいじるのでかなり苦労します。

使用するアイピースは信頼と実績のXW20を選択し、これで総重量は1870gとなりました。もっと軽いアイピースを使う手もありましたが、覗き易さや視野の広さ、ファインダーのFの短さを鑑みて、周辺像の良さなどアイピースの性能を優先させました。これで倍率は10倍、見掛け視界70度で実視界7度の正立対空双眼鏡となり、手持ち双眼鏡としても妥当なスペックに収まりました。

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これを手持ちでどう見るかいろいろ試行錯誤した結果、体をしゃがんで、しゃがんだ膝の上に肘を乗せ、プリズムの底面をどんぶりを持つように下から支え持つ感じで想像した以上に快適に安定した観望ができる事が分かりました。上半身固定して足首だけ動かして上下微動のように視野を移動できたり、自分の体そのものが架台になった不思議な気分が味わえます。見え味に関してもXWの性能の高さもあってヌケが良く、口径50mmにしては星の量が多く感じられ、並の双眼鏡よりかなり綺麗に見える気がします。対物とアイピースの間の光学系が正立プリズム一個だけで済んでる部分も大きいのかも知れません。

当初の手持ちの対空双眼鏡ってどうなの?と言う疑問に対して、これはアリ、かなり使える、と言うのが率直な感想です。もう一つ弱点として当然ながら直視に比べて狙いを定め難いのとどこを見てるのか分かり難い部分ですが、これは想像した程ではなく、慣れである程度狙えます。

手持ち限定なので星図と見比べて、と言う運用は難しいですが、その辺りはミニボーグBINOに任せればいいので、他には無い新たな楽しみ方ができる機材が増えて喜んでいますw

その後アリガタを取り付け、架台に載せられるようになりました。
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ミニボーグ45ED-Hα太陽望遠鏡 その3(双眼装置篇) [天文>機材>望遠鏡]

先日ミニボーグHα太陽望遠鏡双眼装置の相性が悪くて使えない、と結論出しましたが、まだ試してない組み合わせがあったので検証してみました。

前回は双眼装置2.6xバローを使った場合やバローを使わない場合ではメインフィルターとブロッキングフィルターの間隔を狭くする必要がある(バックフォーカスを稼ぐ)事で相対的に中央遮蔽が大きくなり像が劣化すると考えたのですが(確証はありません)、もう一つの4xバローであれば光路消費は単眼とそれ程変わらないので劣化も殆ど無いのではと考えました。

以前この組み合わせを試さなかったのはこの4xバローは双眼装置の31.7mmノーズピースの先端に取り付ける形なので31.7mmのダイアゴナルに取り付けた時のバランスがすこぶる悪く、双眼装置の重みで接眼部が回転したり、最悪双眼装置が抜け落ちるリスクを考え試す気にならなかったのですが、4xバローには脱落防止溝が切ってあったので、これをダイアゴナルの締め付けリングに位置をしっかり合わせれば最悪双眼装置が抜け落ちる事は無さそうと判断し、この組み合わせを試す事にしました。

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実際覗いてみて、期待通り普通に双眼視が出来る事を確認できました。やはり双眼だと見易いですね。接眼パーツのバランスが悪いのも予想通りですが、慎重に使えば事故も防げそうですので暫くこの状態で様子を見る事にします。Hα太陽の双眼視の実現方法をあれこれ考えて、更なる追加出費の事を考えると頭が痛かったのですが、一番手軽な方法で実現できたのでほっとしています。

またバローの拡大率が高いので手持ち最長のTV PL32mmでも倍率高く感じるので40mmクラスのアイピースの購入を検討しています(また増えるのか・・・)。

その後対物レンズをミニボーグ50対物レンズに変更しました。
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ミニボーグ45ED-Hα太陽望遠鏡 その2(鏡筒再構築+フィルターダブルスタック篇) [天文>機材>望遠鏡]

これまでコロナドのSolarMaxフィルターを使ったHα太陽観望ミニボーグ60ED-BINOの片方の鏡筒のパーツを入れ替えて行っていましたが、ボーグパーツは頻繁に入れ替えると誤ってネジが噛んだ時にそのパーツが使えなくなるリスクがあるので、太陽観望用の鏡筒は独立して構築する事にしました。

また今回一番大きな変更点としてSolarMaxIIのダブルスタック用フィルターを新たに個人輸入で取り寄せ、パーツ構成は以下のようになりました。

・Coronado SolarMaxII-40mmダブルスタック用フィルター
・Coronado SolarMaxII-40mmメインフィルター
・BORG ミニボーグ45EDII対物レンズ【2046】
・BORG M57/60延長筒L【7604】
・BORG DZ-2【7517】+Vプレート80S【3165】+笠井DXファインダー台座
・BORG M57/60延長筒S【7602】
・BORG M57ヘリコイドLIII【7861】
・BORG 2インチホルダーSII【7504】
・Baader 2インチ→31.7mmアダプター
・Coronado BF5ブロッキングフィルター

今までは鏡筒はミニボーグ鏡筒【6160】を使ってましたが今回は対物のフィルターが重いので、DZ-2を基本パーツとする事で対物側でガタが発生する要因を取り除きました。またBINOでは無いのでDZ-2にVプレートを取り付け、アリガタで使用できる鏡筒としました。

またこの太陽望遠鏡ではアイピースはXW7がベストマッチなのですが重量が重く、以前のM57ヘリコイドS【7757】ではヘリコイド動作に無理が掛かったのとストロークも短かった事から、これをM57ヘリコイドLIIIに換装しました。

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肝心のフィルターをダブルスタックにした効果ですが、半値幅0.7Åから0.5Åのステップアップでどれ程見え味変わるのか期待と不安が入り混じった気分で覗いてみましたがびっくり、黒々としたダークフィラメントがあちこちにはっきりと視認できるようになり、プラージュも格段に明瞭になり、全体のコントラストが格段に向上、見える模様の量が体感で3~4倍上がったような感覚で以前とは比べ物にならないくらい表面模様がよく見えるようになりました。ダブルスタックになると見え難くなると予想していたプロミネンスもそのままよく見えます。

Hα太陽望遠鏡は当たりハズレが多く、個人輸入ではハズレをつかまれ易いなどあちこちで脅し文句を見ましたがwショップから当たりの個体を選んで購入する事ができない以上、当たりハズレを引く可能性は個人輸入でも変わらないと踏んで買ってみましたが特に問題無く見えて安心しました(勿論壊れた時は自分で海外ショップと交渉する必要がありますが)。

出来ればこの太陽を双眼視したいところですが、かなり繊細な製品である事には違いなさそうですので、あまり危ない橋を渡りたくないので悩ましいところです。

その後双眼装置での運用が可能になりました。
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Celestron C6AL-XLT [天文>機材>望遠鏡]

ポルタに載る最大口径の鏡筒として個人輸入で手に入れました。15cmの口径ながら全長が短いので真上に向けても架台や三脚と干渉しません。ファインダー、天頂ミラー無しの本体のみの重量も約3.3kgと軽く、ポルタで高倍率を掛けてもFC-100DLに比べると揺れがかなり少なくて済みます。外観に高級感はありませんが、値段を考えると良く出来ています。

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補正板は黄緑っぽいコーティング色でALTER-7に比べるととても透過率が良さそうに見えます(補正板の厚さの違いもあると思いますが)。Bob's Knobsを装着した事で光軸調整が格段にやり易くなり、調整をすると劇的に高倍率性能が上がり、MarkV双眼装置で170倍位が丁度良い見え味で、高倍率の伸びは流石にFC-100DLに比べると落ちますが、シャープネス、コントラスト共に悪くなく、土星は本体模様にカッシーニ、本体も丸く見え、環の前後も判別でき、遠ざかりつつある土星本体より小さくなった火星もヘラス平原、大シルチスの形状、北極冠など判別できました。

この筒はポルタでの星雲星団観望目的で手に入れたので、15cmのシュミカセと言う先入観で高倍率性能には全く期待していなかったのですが、こんなにまともに見えるとは正直驚きました。またシュミカセで高倍率と言えばミラーシフトと言う単語だけは知っていましたが、ピント調整も非常に滑らかでミラーシフトって何?と言った感じでバックラッシュも無くALTER-7より具合が良い位です。球状星団、散光星雲なども見ましたが、口径なりの十分な見え味です。

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接眼部は基本的に31.7mm径を想定していますが、2インチのシュミカセアダプターが装着できるので、2インチ天頂ミラーに2インチアイピースを普通に使っています。但し、本体の開口部の口径が3cm弱と小さく、2インチアイピースなんぞ付けたら盛大にケラレるだろうと思ったのですが、2インチ天頂ミラーの入り口から覗いてみるとぎりぎり補正板の端まで見えてる感じで、ケラレていても大した量では無いだろうと思って使っています。

ファインダーに関して元々の取り付け位置がポルタに装着すると左下に来てしまいそのままでは使えませんが、ファインダーを取り付けるネジ穴が他の場所にも用意されていて、今回はポルタに装着した場合ファインダーが左上に来るように付け替えました。またファインダーは例によってビクセン規格ものを使いたかったので、BaaderのDOVE-Bと言うファインダー台座に換装しています。

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収納ケースはミニボーグ60ED-BINOで使用しているアルミケースを見て、これにぎりぎり入るんじゃ?と試したところ、かなり無理矢理な気がしますが(ネジやファインダー台座など本体から飛び出る部分がケースの内側に当たって削れていますw)ぎりぎり収まりました。ケース内側に元々張ってあるクッション以外に緩衝材を入れる余裕が全く無いので、この状態で輸送業者に運ばせる事は厳しそうです。

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想像以上の光学性能に良くできた本体構造、機械動作を考えるとかなりコストパフォーマンスの良い鏡筒と思います。これにポルタに載る重量にコンパクトさを兼ね備えた、入門用やお手軽星見用として持ってこいの鏡筒では思います。

FC-100DLブランカ70EDTとの比較観望の様子はこちら


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タカハシ FC-100DL [天文>機材>望遠鏡]

FL-90TSA-120あるのに10cmアポ必要?と悩みましたがポルタに載る5kg以下クラスで惑星が一番良く見える、と言う位置づけの筒が欲しくなり、タカハシのフローライト長焦点で軽く、何より100台限定の言葉の誘惑に負けました;

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月惑星を見た印象では高倍率性能は非常に高く、TSA-120とサイドバイサイドで比較しなければ明るさ以外ではそんなに見え味変わらないんじゃ・・・と錯覚するほどです。シーイングが良ければ250倍、300倍まで掛けても破綻しない感触でそれだけ像がシャープです。

焦点内外像を見ると殆ど対象で、内像の方がややくっきりしていてやや負修正気味かも知れませんが、内輪の明るさにムラは無く、歪みの無い同心円で球面収差補正は文句無いレベルではないかと思います。光軸も微塵も狂っておらず流石タカハシと言ったところです。

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使い勝手の面で気づいたところではバックフォーカスがTSA-120より若干少なく、MarkV双眼装置純正2.6xバローでピントが出ません。裏技的なハイペリオンズーム2.25倍バロー(実質約4倍)を使えばピントが出ますが、これを知らない人はMarkVでの観望は困るかも知れません。

見え味には文句なしですが、ポルタでの運用は揺れで厳しく、その後架台をAPZポルタにアップグレードして改善しましたが、ポルタに載る条件で選ぶならFC-100DC/DFの方が適しているかも知れません。なお鏡筒バンドはK-ASTECのTB-95+アリガタDP45-125を使い軽量化を図っています。

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分かっていた事ですがこの鏡筒のお陰でFL-90の出番が殆ど無くなってしまいました。FLの光学性能も高く、FCより若干軽く、大きさも二回りくらい小さいのでお手軽観望用としての適正は高いのですが、同じ架台に載るなら良く見える方を出したいのでFLの処遇が悩ましいところです。

またソフトケースはamazonで見つけたφ16×90cmのケースがこれ以上なくジャストフィットでした。FCの出番が多いのはこのお陰も大きいです。

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期待した通りのとても優秀な鏡筒でTSA-120の出番すら減るほどで、観望に引っ張り出す労力に対しての見返りの大きさでは手持ちの筒の中では一番かも知れません。

ファーストライトでのFL-90Sとのサイドバイサイド比較観望の様子はこちら

TSA-120とのサイドバイサイド比較観望の様子はこちら

C6ブランカ70EDTとの比較観望の様子はこちら

ALTER-7との比較観望の様子はこちら

ロンキーテスト実施の様子はこちら


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ミニボーグ45ED-Hα太陽望遠鏡 その1(Coronado SolarMaxII-40/BF5フィルターセット導入篇) [天文>機材>望遠鏡]

Hα太陽望遠鏡の定番と言えばP.S.T(以下PST)ですが望遠鏡をこれ以上増やすのは家族の目が厳しいので、
手持ちのミニボーグ45EDにマッチするコロナドのHα太陽フィルターセット(Coronado SolarMaxII-40/BF5)に目をつけ、多少円高に振れた頃合いを見て個人輸入で入手。コロナドブランドですがMeadeの製品として売られている事を知りました。

セットは専用ケースに収納されています。ブロッキングフィルター(ダイアゴナル)の射出口径は製品名の通り5mmしかありませんが、ミニボーグ45ED程度の焦点距離(325mm)であれば十分の余裕があり、対象を視野の中心で捕らえる限りケラレや周辺減光が起こる事はありません。PSTと口径は同じですが、半値幅0.7ÅとPSTの1.0Åより若干狭いのでミニボーグ45EDの優秀な光学系との組み合わせで良像が得られる事を期待しました。

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ミニボーグ45EDの対物フードにはφ52mmフィルターネジが切ってありここにメインフィルターを直接ネジ込みできます(ネジピッチは違うようですが十分深くねじ込めます)。実際の見え味は第一印象で太陽の外縁にはプロミネンスが飛び出てるのははっきり分かりましたが表面模様が判然とせず、Hα太陽望遠鏡は当たり外れが大きいとよく言われるので心配しましたが、何度かじっくり見ている内に暗い線状のダークフィラメントや黒点周りには白く光るプラージュと思しきものも確認でき一安心しました。チューニングダイアルとチルトダイアルで調整するとプラージュが消えて表面の細かい模様も見えてきて、ネットの他の方のインプレを見る限り十分な性能は出ていると感じます。ただ筒先に手を伸ばしてダイアル調整するのは結構面倒くさいです。アイピースはナグラー9mm(36倍)かXW7(46倍)辺りを使っていますが、口径的にこの位が丁度良い感じです。

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パーツ構成は以下のようになっています。

・Coronado SolarMaxII-40mmメインフィルター
・BORG ミニボーグ45EDII対物レンズ【2046】
・BORG ミニボーグ鏡筒【6160】
・BORG フィルターBOXn【7519】
・BORG M57/60延長筒M【7603】
・BORG M57ヘリコイドS【7757】
・BORG 2インチホルダーSII【7504】
・TeleVue 2インチ-31.7mmアダプター
・Coronado BF5ブロッキングフィルター

メインフィルターがかなり重く、ダイアゴナル(BF5)が軽いのでヘリコイドは鏡筒手前側に持ってきました。フィルターBOXnとM57延長筒Mはまとめて延長筒Lに置き換えができるのですが、夜観望モードとの切り替えの都合の関係でこの形に落ち着きました。

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Hα太陽観望は見えるものが観る度に変わるのが面白い事も去る事ながら、昼間に夜の惑星観望と同じ感覚で星見ができるのが何とも不思議な気分で、太陽一つと言えども観望対象が時間的に大きく広がり、情報量が多くて楽しめる観望対象が増えたのが大きな収穫でした。

その後ダブルスタック仕様にアップグレードしました。
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TSA-120 vs FC-100DL [天文>機材>望遠鏡]

ようやく寒さも和らぎシーイングの良い日が徐々に増えてきて、FC-100DLで観る見頃になった木星も回を重ねる毎に良く見えて、これってTSA-120並みに見えてるんじゃ?と思える日もあったので実際にサイドバイサイドで見比べてみました。

アイピースはMarkV双眼装置TV PL15mm4倍バローで焦点距離が900mmで同じなので約240倍での見比べでしたTSAでじっくり観てると流石TSAだなあと思わせる見え味ですが、FCに移動するといやでもそんなに変わらないんじゃ・・・と思わされ、またTSAに戻るとやっぱり違うよなーと言った感じで2台の間を行き来してましたw 解像度ではTSAが一歩二歩リードする感じでしたが、両方ともシャープネスが良いのでFCがぱっと見劣る感じでもなくコントラストも同等で、ストレールレシオ99.2%の12cm3枚玉と同97.5%の10cm2枚玉と言うスペックから見ればFCが敵う道理も無いはずですが、そこそこ良い勝負できてるFCの性能に正直驚きました。持ち運びでFCはTSAの体感1/3位の軽さに感じますので、パワーウェイトレシオ(←?)ではFCが上かも知れません。ここぞと言う時はやっぱりTSAですが。

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ミニボーグ60ED-BINO [天文>機材>望遠鏡]

ミニボーグ45ED-BINOでイーソス17mmで観たアンドロメダ大星雲がとても綺麗で、写真をかなり薄くしたような、それでも写真のイメージに近い姿を拝めたので、その時もうちょっと見えたらなあ・・・と思い、その時口径のアップを考えたのですが55FL-BINO計画は周辺像の崩れが気になり断念したのでよりFの長い60EDなら・・・と考えたものの、このEMSを使わないBINOでは60ED対物レンズの最大外径68mmがネックで、これだと目幅の広い人しか使えないよなーと思いながらも目幅70mmある自分的には問題ないのと、60EDもディスコンが決定していたので今作らないと後悔しそうとの思いから口径アップグレードに挑む事になりました。構成は、

・BORG ミニボーグ60ED対物レンズ【2260】(延長筒は取り外し)
・BORG M57→M57ADII【7458】
・BORG M57ヘリコイドS【7757】
・BORG ミニボーグ鏡筒【6160】
・BORG フィルターBOXn【7519】
・BORG M57→2インチオスAD【7502】
・スタークラウド SC2インチ90°正立プリズム(シュミカセネジ仕様)

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60EDはF5.8なのでLVW42mmだと有効最低倍率を僅かに下回るのと周辺像に不満があった事からペンタのXL40に買い替えましたが周辺像がかなり改善して、ナグラー9mmで38.9倍、実視界2.11度、イーソス17mmで20.6倍、実視界4.86度、XL40で8.8倍、実視界7.43度と45EDより実視界はやや狭くなりましたが、見え味と口径を考えると満足の行く組み合わせとなりました。55FLでは気になったイーソス17mmでの周辺像の崩れもこちらでは感じられず一安心です。

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ちょっとだけの改善点としてドロチューブにスケールを貼ってみましたがこれで劇的に使い勝手がよくなりました。

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口径をアップしても45ED-BINOで使っていたアルミケースがそのまま使える、と言うかよりジャストフィットな感じです。

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その後ファインダー台座を取り付けしました。
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テレコンバージョンレンズ色々 [天文>機材>望遠鏡]

ネットでテレコンビノの記事を見ていて、ワイドビノより良く見えるとの評判を目にしてどんなものかと興味が湧き、ピント調整機構が無いのに使い物になるの?と疑問に思いつつ、まずは一番評価の高かったニコンTC-E2を手に入れたのがテレコン沼にハマるきっかけでしたw

以下今回ピックアップしたテレコンで、右上がSONY VCL-2052K、右中央がニコン TC-E2、右手前がSONY VCL-2037K、中央奥がSONY VCL-1437H、中央真ん中がSONY VCL-1546A、中央手前がSONY VCL-1452H、左奥が大きさの参考に笠井ワイドビノを並べています。

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・ニコン TC-E2
このくらい低倍率になるとピント調整って無くても何とかなるんだなーとまずはテレコンビノの有用性を確認。ワイドビノより見掛け視界は広いし(65度位)覗き易いし、像質も良いし、何でこの光学系にピント調整機構を付けてBINOとして売る人が誰もいないのか疑問に思うレベルです。(目幅の問題がありますが)ただ他のテレコンと比べると目位置は多少シビア?な感じで中央に目を持っていかないと像が大きく崩れます。

・SONY VCL-1546A
BINOにするならTC-E2でFAな気がしましたが、光害地で星座を確認する用途ならBINOでなくても単眼で良いのでは?対物レンズもアイレンズももっと大きいテレコンならより見掛け視界に実視界も広く、覗き易いものがあるのでは?と考え、双眼を意識しない大きなテレコンを覗いてみたくなり、調べた中で対物レンズが大きそうなこのテレコンをチョイス。見掛け視界は70度位で倍率が低い分実視界がTC-E2より圧倒的に広く、これ中々いいんじゃない?とますますテレコン沼にハマる事に。

・SONY VCL-1452H
1546に味を占めてもっと倍率低ければ、より広い実視界が・・・と考え次に選んだこのテレコンですがこれは大当たりでした。対物レンズは1546より小さいながらもアイレンズも含めて曲率が大きく、見掛け視界は1546を上回り90度程度あります。何より1546よりヌケが良く周辺像も良く目位置にも寛容、これをBINOにできたらTC-E2とはまた違う用途のすごいBINOになりそうな予感です。最大径φ83mmくらいあるので切断加工必須ですが;

・SONY VCL-2037K
超低倍率テレコンは1452で満足な感じですが、倍率が1.4倍と低い分集光力が2倍と肉眼とあまり変わらないので、倍率が2倍なら集光力4倍となるので2倍テレコンでTC-E2より大きく、広い見掛け視界が見込めるものはないものかとこのテレコンをチョイス。TC-E2との見比べでは見掛け視界は同じくらいで周辺像の崩れや色収差が大きく、TC-E2を上回る部分は見られませんでした。

・SONY VCL-2052K
2037と同じ理由でより大きそうなこちらのテレコンを入手。テレコンの大きさはネットの画像では分かり難いですが、これは今回試したテレコンの中で一番大きく重かったです。見掛け視界は2037より若干広い(70度位)ですが、周辺像は同じような傾向。悪くは無いと思いましたが、この大きさ重さでは敢えてこれを選ばなくてもいい感じです。

・SONY VCL-1437H
1452は素晴らしいのですが、BINOにするにはでかすぎるので、同じ倍率で小さそうなこのテレコンを入手。今回試したテレコンの中では最小最軽量ですが覗いてみて、覗き易さも見掛け視界の広さ(70度程度)もまあまあですが周辺像の崩れが盛大で良像範囲が狭くて使えない印象です。

尚、これらの感想は昼の景色を見てのもので、夜星を見た場合には印象が変わる知れません。昼使えなくても夜は使えると言うケースは星見機材ではよくある事ですので。

以下は対物レンズの大きさ比較、左上から2052、TC-E2、2037、中央左から1437、1546、1452、下はワイドビノです。対物レンズが一番大きいのは1546で7cmくらいあります。

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以下は接眼側レンズの大きさ比較、並びは一緒です。

etc-tlcnv_3.jpg

今回試さなかったSONYの他のテレコンに関して、1546と1452との比較で像質の差が大きかったので、世代的に古めのテレコン(VCL-1446、VCL-1537、VCL-1552、VCL-1558、VCL-2046辺り)は選択肢から外しました。今回SONYのテレコンを集中的に試したのは形状がスマートで前後長が短めのものが多く(前後長が短い方が見掛け視界が広いのでは?と考え)他社製のものに比べて中古が安かったからですが、他メーカーでも良さそうなものがあれば試してみたいところです。

その後TC-E2をBINO化しました。

その後VCL-1452HもBINO化しました。
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ミニボーグ45ED-BINO その2 [天文>機材>望遠鏡]

ミニボーグ45ED-BINOの構成を以下にアップグレードしました。

・BORG ミニボーグ45EDII対物レンズ【2046】
・BORG M57/60延長筒S【7602】 ←変更
・BORG M57ヘリコイドS【7757】
・BORG ミニボーグ鏡筒【6160】
・BORG フィルターBOXn【7519】 ←追加
・BORG M57→2インチオスAD【7502】
・スタークラウド SC2インチ90°正立プリズム(シュミカセネジ仕様)

主な変更点は鏡筒【6160】と2インチオスAD【7502】の間にフィルターBOXn【7519】を追加し、これに伴いM57延長筒をM【7603】からS【7602】へと短縮しました。実視界が広く取れるBINOなので大きい散光星雲観るのにフィルターを付けたいと思っていましたが、これにより迅速なフィルターワークが可能になりました。

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正立プリズムがシュミカセネジ仕様なので、フィルターBOXnをこの位置につけても干渉する事が無く、延長筒もMからSになった事で筒先が間延びした感じが無くなって見た目的にも良い感じです。

フィルターBOXnを追加するにあたり、鏡筒に取り付けた際にフィルターケースの引き出し位置が横にならないかどうか、もし横になると双眼の場合フィルターケースが取り出せなくなるのでそこを最も懸念したのですが、何とか運良く大丈夫でした。

またミニボーグ45EDのⅡになる前の旧45ED対物レンズは焦点距離300mmと現行の325mmより短く、より実視界が稼げる為手に入れば対物レンズを差し替える考えもありましたが、フィルターBOXnをつける事でこれ以上の光路長の短縮ができないので45EDIIの対物レンズが最適と言う結果に落ち着きました。Fの長い45EDIIの方が周辺像も多分良好なので。

tlscp-mb45edbn_3.jpg
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ミニボーグ55FL-BINO(未完成) [天文>機材>望遠鏡]

ミニボーグ45ED対空双眼望遠鏡を見直して、正立プリズムの寸法の都合上最小目幅が65mmなので、対物レンズをもっと大きくできないだろうか?と考えていたところにミニボーグ55FLの対物レンズの最大径が64mmと言う点に目が留まり、これにアップグレードできないかと考える事になりました。

とは言っても焦点距離が250mmと短いので今使っているミニボーグ鏡筒は使えないのですが、ふとボーグのHPを見ていてM57延長筒に台座を付けたパーツのDZ-2【7517】の存在を知り、これを使えば光路長を大幅に短縮可能では?と思いつき、一気にBINO化が現実味を帯びてきました。

他の部分も光路長をを減らす為、正立プリズムとの接続は2インチホルダーSSII【7501】を使い、ヘリコイドは45EDのM57ヘリコイドSを流用、双眼で左右のヘリコイドが干渉しないように前後にずらす為、延長筒として2インチホルダーSS【7506】を使い、

・ミニボーグ55FL対物レンズ【2555】
・M57ヘリコイドS【7757】
・2インチホルダーSS【7506】
・DZ-2【7517】
・2インチホルダーSSII【7501】
・スタークラウド SC2インチ90°正立プリズム(通常バレル仕様)

と言う形が出来上がったのですが、これでもバックフォーカスが足りずにピントが出ませんでした。そこでDZ-2がM57の60mmの延長筒に台座を付けたものだったので、これを40mmに出来ないかと、M57/60延長筒M【7603】を台座に付ける手段を考え、加工は極力避けたかったのですが、2箇所バカ穴を開けてネジとナットで留める形で光路長40mmの改造DZ-2が出来上がりました。

tlscp-b55fl-bn_3.jpg

これを使う事でバックフォーカスの問題は解決し、むしろ短くなりすぎたので、もう一つ2インチホルダーSSを追加、

・ミニボーグ55FL対物レンズ【2555】
・M57ヘリコイドS【7757】
・2インチホルダーSS【7506】
・2インチホルダーSS【7506】
・DZ-2【7517】改(光路長40mm)
・2インチホルダーSSII【7501】
・スタークラウド SC2インチ90°正立プリズム(通常バレル仕様)

と言う構成で一応の完成(片側だけ)を見ました。

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光路長の調整は2インチホルダーSSの2個直結で22mmのところを、2インチホルダーSS+M57/60延長筒SS【7601】にすれば23mm、M57/60延長筒SSの2個直結なら24mm、2インチホルダーSS+M57/60延長筒SS+スペーサー2mm(60Φ)【7879】で25mmなど微調整が可能です。

低倍率用のアイピースはLVW42mmだと有効最低倍率を下回り、実視界は11.8度と広大ですが実質口径が41.8mmとなり45EDを下回ります。ここで目をつけたのがバーダーハイペリオンアスフェリック36mmで、実視界は10.4度で実質口径が48.7mmとなり、45EDにLVW42mmを使った時の実視界も口径も上回るので、これなら45EDから55FLに完全に乗り換えられると考えました。

そして厳寒地の寒い中、天の川の見えるところで55FLと45EDを並べての星像チェックを敢行して計算外の事態が・・・

55FLの周辺像が悪い・・・orz

55FLはF4.5なので厳しい予感はしていましたが、地上風景を見る限りでは問題なかったので期待していたのですが、ハイペリオン36mmで見ると良像範囲は5割位?で45EDにLVW42mmの組み合わせと比べても狭く感じ、55FLは実視界は広いですが、使える実視界は45EDより狭い印象で、追い討ちを掛けたのがイーソス17mmでの比較で、45EDでは周辺までほぼ点像ですが、55FLだと8割位から周辺が崩れます。周辺像が気になる自分的にはこれはちょっと耐えられないと感じました。口径が大きいので星が多く見えるのは非常に魅力だったのですが・・・

と言う訳で55FL-BINO計画はここで白紙撤回となりました。

周辺まで気持ちよく見える前提で、超広視界対空双眼視を楽しむなら対物はF値に無理が無い45EDがベターとの結論で元の鞘に収まった次第です。
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FC-100DLファーストライト [天文>機材>望遠鏡]

FC-100DLが到着したので先日OHしたFL-90Sと見比べました。対象は月。シーイングが良好で双眼装置で最高倍率を掛けた状態でもまだ余裕があったのでNZ2-4mmに切り替えて焦点距離2mm(FC-100DLで450倍、FL-90Sで405倍)でクレーターの淵や内部の山、微細クレーターなど見比べ、これでも破綻せず、同じ口径比F9なので明るさは同じはずですが、ぱっと見FCが明るく見える印象。FLもシャープネスでは負けておらずNZの4mmの方ではあまり差は無いかな?と感じましたが2mmの方で何回か見比べてやはりFCの方がじわじわ細かいところが良く見えてきました。見比べるほどFCのが良く見えて口径1cmの差はぱっと見小さいようでよく見ると大きいようです。唯一色収差だけはFCの方がクレーターの淵の山が赤っぽく見えるような気もしましたが色収差では無いような気もしますし何とも言えません。今日見た印象では、

・解像度:FC≫FL
・シャープネス:FC=FL
・コントラスト:FC=FL
・明るさ:FC>FL
・色収差:FC≦FL?

と言ったところです。

夜中に木星も観てみましたがFCが圧勝と言う程ではないですが(シーイングもあまり良くなかったので)、概ねFLより良く見えた印象でシーイングが良ければもっと差は開くかも知れません。色収差はどちらも特に感じませんでした。

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タカハシ TSA-120 [天文>機材>望遠鏡]

GP2に載る惑星が一番良く見える鏡筒を求めてこの製品に目に留まり、某ランキングではALTER-7と同等の評価だったので悩んだのですが、スターベース名古屋のHPに書かれた『TOAシリーズの廉価版と言うには相応しくないほどの高性能機』の謳い文句に惹かれ、『いつかはタカハシ』の想いを叶える為笑、これが最後の鏡筒!と言い聞かせて清水ダイブで購入。

北海道にはタカハシ製品を直で見られるようなお店は無く、天文活動を一人で行ってきた自分にはタカハシ鏡筒は今まで一度もお目に掛かった事が無かったので、正直どれ程の性能なのか疑心暗鬼なところもありましたが、実際手にしてみてまずその造りの良さや品質面で非の打ち所が無く、買うと何かと品質面で不満が出る中華製とは真逆で、日本製の良さを再認識させる持つ喜びを感じられる製品だと思いました。

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まず地上風景を見てみて、以前所有していたビクセンED-130Sは高倍率で遠くの木の葉などを見るとピントの山がはっきりしないややぼやけた像で、一緒に見比べていたFL-90Sに負ける見え味だったのですが、TSAはFL-90のシャープネスをそのままに口径をアップした見え味で、口径が大きくなればそれだけ収差も大きくなり、精度良く作るのは大変なはずなのでこれは凄いと驚きました。

火星木星土星を見てまず感じたのがピントの山の鋭さで、ピント合わせでこれまで使ってきた鏡筒と比べて少ない行き来でスパッと合わせられるのも驚きでした。個人的に惑星観望は双眼装置の使用が前提で、この場合組み合わせるアイピースの都合で最高倍率を300倍までしか掛けられないのですが、空の条件の良い時はもっと倍率が欲しいと感じる事も多々あります。このクラスでは比較的細い鏡筒と言う事でコントラストの部分で不利になる前評判を聞きましたがそこに不満を感じる事もありません。

また恒星で焦点内外像を見るとやや負修正気味ですが歪みなどは感じられず、光軸もきっちり合っています。光学性能だけでなく、組み付け調整の精度の高さも流石タカハシと思わせます。

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双眼装置を使う上でバックフォーカスがどの程度あるのか分からなかったので合焦するかが気になっていましたが2.6xバローで普通に使え、2インチも含めた手持ちのアイピースは全て合焦し、ドロチューブのストローク量やバックフォーカス量も適正で、ラックアンドピニオンの合焦機構もとてもスムーズで、使い勝手に関する細かい部分まで良く考えられて作られていると感じました。

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こうなるとこれ以上見えるとされるTOA-130が気にならないでもありませんが、TSAの軽さは何物にも変え難く、温度順応の面ではTSAであっても冬の北海道では時間が掛かりますので、扱い易さで上回るTSAはトータルバランスに優れた傑作鏡筒ではと思います。初めてのタカハシ鏡筒でしたが満足度は高く、今後はタカハシ信者になりそうな勢いですw

FC-100DLサイドバイサイドで比較観望してみました。

その後鏡筒バンドを軽い社外品に換装しました。

その後鏡筒バンドをビクセンの鏡筒バンドに換装しました。

その後中華製のアリガタプレートキャリーハンドルに交換しました。

その後ブランカ150SED購入資金として一度手放しましたが、後悔した末ライトブルー鏡筒に買い戻しました。
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INTES-MICRO ALTER-7 [天文>機材>望遠鏡]

GP2に載る口径の大きい鏡筒を探す中でC8とALTER-7に絞り込んで、C8の口径と安さは魅力だった(特に価格は3倍差→その後価格改定で5倍に;)のですが、ALTERのカセグレン鏡筒としてはコントラストが高く、高倍率性能が高いとの評判と(C8も低くは無いようですが)、ロシア製と言うマニアックな出で立ちに惹かれ笑、笠井で特価品で出たところを思わず衝動買いしました;

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高倍率性能に関しては以前所有していたビクセンED-130Sと土星木星を比較して明るさはED、シャープさはALTER、コントラストは互角と言う印象、FL-90Sとの比較ではシャープさはFL、解像度はALTER、コントラストは互角、TSA-120との比較ではTSAが総じて上回っている印象です。低倍率で他の鏡筒とは比較していませんが、M42などコントラストが高くガスの濃淡が良く分かる見え味で球状星団も解像度高く見えます。

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ALTERの良さは光学性能も去ることながら、バランスの良い使い勝手の良さだと感じています。温度順応に時間が掛かるとされるマクストフながら18cmと言う程よい口径で全系貫通換気ファンも装備されている点、光軸が狂い難く、メンテナンスが楽で性能が出し易い点、ユーザーで用意すると何かと面倒なフードが標準装備されている点、合焦機構がヘリコイドによる主鏡移動でシュミカセのようなミラーシフトが無い点、本体上部にキャリングハンドルが付いているのがとても扱い易く、キャリングバッグも装備されていて運搬が楽な点などユーザーフレンドリーな要素が多く、カセグレン式本来の扱い易さも相俟って低倍率から高倍率までそつなくこなす万能鏡筒と言う表現が相応しい良く出来た望遠鏡だと思います。

tlscp-alter7_4.jpg

GP2で使うにはやや過積載ではありますが、ロングウェイトシャフト使用で2.8kg+3.7kgでバランスします。

FC-100DLとの比較観望の様子はこちら

C8に買い替えようかと思ったもののALTERの良さを振り返ってみて思い止まりました。
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ミニボーグ45ED対空双眼望遠鏡 [天文>機材>望遠鏡]

ミニボーグ45EDを2本使用したEMSを使用しない対空双眼望遠鏡です。鏡筒の構成は対物側から、

・BORG ミニボーグ45EDII対物レンズ【2046】
・BORG M57/60延長筒M【7603】
・BORG M57ヘリコイドS【7757】
・BORG ミニボーグ鏡筒【6160】
・BORG M57→2インチオスAD【7502】
・スタークラウド SC2インチ90°正立プリズム(シュミカセネジ仕様)

となっています。

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この双眼鏡を作るきっかけは以前Howie Glatter社のHα太陽望遠鏡P.S.T.を双眼化する土台(Solar Binocular Telescope Platform)を個人輸入した際に、造りが非常に良いのでこれに2インチ正立プリズムにミニボーグを組み合わせればEMSを使用しない、2インチアイピース交換可能な正立対空双眼望遠鏡が作れるのでは?と言うアイデアを思いつきずっと暖めていたのですが、昨今BORG製品のラインナップが著しく変更されていく中でミニボーグ45EDIIがディスコンになると知り、その時対物レンズの在庫がまだあった事から急遽計画を実行する事になりました。

ミニボーグ鏡筒も【6160】から新ミニボーグ鏡筒のDX-SD【6011】にモデルチェンジされており、当初は新型の方で作るつもりでしたが双眼化するにあたっていくつか問題に行き当たりました。ミニボーグ鏡筒はピント合わせを摺動で行いますが、旧型は対物側が動くのに対し、新型は接眼側が動きます。接眼側にはプリズムや2インチアイピースなど重量級の接眼アクセサリーが付くので摺動で動かすには微妙な調整が難しく、また摺動させた場合にドロチューブが少しでも回転してしまうと左右の光軸がずれてしまいます。この点旧型は台座からM57→2インチオスADを経由してシュミカセネジ仕様の正立プリズムに直結すれば接眼側パーツはネジ締め付けで固定され、摺動で動くのが対物側なのでピント合わせで光軸が狂う要素がありません。

もう一点はドロチューブ固定ネジが新型は接眼側から見て鏡胴左下に存在し、双胴にした場合に間にネジが挟まる為目幅を縮められれず、背の低いネジをホームセンターで探して干渉の影響を少なくする事は出来ましたが、やはりネジの位置に指が届き難いので、ドロチューブに接続するアクセサリーの重さもあってしっかりした固定も難しいものがありました。一方旧型は固定ネジが上にあるので双眼化してもネジが干渉する事がありません、ので新型鏡筒を2本購入して色々試しましたが結局は手放して旧型を入手する事になりました。

ピント合わせに関して、粗動は摺動で、微動はヘリコイドでと考えていていたものの、いざ探してみるとヘリコイドの多くも生産終了となっていて、現行品のM57ヘリコイドDXII【7761】が外径73Φとの事で双眼を想定すると目幅的に厳しく、旧製品のM57ヘリコイドSをオークションで入手しました。これでも外径67Φですが取り付け位置を前後にずらす事で間隔を63.5mmまで縮められます。

正立プリズムはスタークラウド製SC2インチ90°正立プリズムのシュミカセ仕様のものを使います。通常仕様だとバレルの長さ分光路が消費されピントが出ない可能性があり、接続がネジ直結の方が接眼側パーツ全体の固定がしっかりする上、重心も対物側に寄るので架台に載せた時の安定性も高まります。またアイピース固定ネジが右側にあって双眼化すると間にネジが挟まりますが、この正立プリズムはスリーブが内部でネジ止めされていてこれを緩める事で固定ネジ位置を反対側に回転させる事が無加工で可能です。ただアイピース差込口周辺が少し太くなっており外径は65mmあります。よってこの双眼望遠鏡の目幅の最小幅は65mmとなります。

使うアイピースに関しては最低倍率用にはLVW42mmを使い、倍率7.7倍、実視界8.4度となります。45mmの口径でこの実視界、おまけに対空双眼と考えると他ではちょっとないスペックになります。(それが狙いですが)ただ良像範囲が7~8割程度でこれを超えると大きく崩れるのは少し気になるところです。中倍率はイーソス17mmを使って19.1倍、実視界5.23度で、見掛け視界100度の双眼視をどうしても体験したかったのですが、これは素晴らしいの一言です。アイピースに目を近づけると像がレンズの中から飛び出てくるように見え、他のアイピースでは味わえない大迫力の星の海に圧倒され、この為だけにこの双眼望遠鏡を作って良かったと思いました。高倍率はナグラー9mmを使い、36.1倍、実視界2.27度となりますが、視軸が比較的ずれやすい事を考えるとこの位が扱い易い上限の倍率かと思います。対物の性能的にはまだいけそうですが、これ以上の倍率を使うなら望遠鏡で双眼装置を使う方が良いでしょう。

こうして出来上がったミニボーグ対空双眼望遠鏡ですが2インチ最大視野を使った超広視界低倍率観望、見掛け視界100度双眼視の大迫力などが味わえる点で他の機材にはできない事をやってのける唯一無二の機材となりました。不器用なので望遠鏡を自作しようと思う事はない自分ですが自分で選んだ部品を組み合わせて目的の機材を作り上げると言うのはいつもと違う面白さがありました。尚且つ良く見えて実用性も高いので満足度は高いです。

tlscp-mb45edbn_2.jpg

その後、対物レンズをミニボーグ55FLにアップグレードしようと試みましたが、やはりこちらが良いと言う結論に落ち着きました。

その後、フィルターワークを可能にするアップグレードを行いました。

その後、対物レンズをミニボーグ60EDにアップグレードしました。
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オライオンUK 250mmニュートンF6.3(高精度ミラー仕様) [天文>機材>望遠鏡]

GP-X赤道儀に載る最大口径の望遠鏡を求めて紆余曲折して行き着いたのがこのオライオンUK(通称英オライオン)25cmニュートンでした。口径25cmのニュートンにしては他に類を見ない軽さで、その中で口径比F6.3モデルを選んだのは最低倍率用アイピースにXW40を使う都合に合わせたのが大きいですが、短焦点に比べて周辺像の収差が少ない事、中央遮蔽が小さく高倍率性能も高い事など、Fの長さは七難隠すの格言がありますが、個人的にニュートンは調整が面倒な苦手イメージが強かった為、光軸調整が短焦点に比べて比較的楽そうと言う理由が一番大きかったかも知れません。代償としてはその大きさ、気軽に運用できる大きさではないですが、大口径望遠鏡が後ろに控えている事で小口径鏡筒を使っていてもいざと言う時の安心感(←?)があるような気がします笑

英オライオンはミラーの品質に定評があり、干渉計測定表付きの高精度ミラーを選択できる事もこの鏡筒を選んだ大きな理由の一つです。望遠鏡の個体差や当たり外れというものにかなり気にする自分的には安心できるサービスで、国産メーカーにも見習って欲しいところです。因みに自分の鏡筒は波面誤差PV≒1/8.547λ(面精度PV≒1/17.094λ)、RMS=1/52.632λ、ストレールレシオは98.6%と優秀な値を示しています。

実際の見えに関しては惑星などは素晴らしく良く見えます。条件の良い時に見た木星土星はこれが追い求めていた惑星像だと感激したものです。その後TSA-120を手に入れ、これも非常に良く見える鏡筒ですが、一番良く見えた時で比べれば英オライオンの方が一ランク上の惑星像でした。(口径を考えたら当然ですが)低倍率も勿論よく見えます。

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英オライオン鏡筒の弱点は接眼部と昔から言われてきましたが、買った当初は特に不満無く使えておりむしろ合焦タッチは素晴らしく、造りはやや粗いながらもデュアルスピードフォーカサーは不要と思わせる出来でしたが、双眼装置にMarkVを使うようになって問題が発生し、双眼装置を接眼部に付けて手を離すと光軸が狂い、ドロチューブを支えるベアリングが重みで弾け飛んだりした為、やむなくMoonLite製のデュアルスピードフォーカサーに換装する事になりましたが、流石フォーカサーの専門メーカーだけあってこれはこれで素晴らしいフォーカサーだと感心しました。ただMarkV双眼装置を使い、このフォーカサーに変えてから純正の2.6xバローでも合焦しなくなってしまい、4x相当のハイペリオンズームバローを使う事になった為、双眼装置は惑星高倍率用となり、星雲星団を観る事がほぼ出来なくなってしまったのが残念です。

tlscp-oruk25f63_2.jpg

運用してみて光軸は割と狂い易い印象で、毎回レーザーコリメーターで簡易調整しながら使っていて、ニュートン反射が面倒くさいイメージは払拭されていませんが、構造を把握すれば全ての調整を自力で気の済むまで出来る意味で納得して使える良さはあると感じています。

その後C11への買い替えの欲求が度々生じましたが、この鏡筒の良さを見直す事で思い留まりました。
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ビクセン FL-90S [天文>機材>望遠鏡]

高校入学祝に親に買ってもらった望遠鏡ですが未だに現役です。2枚玉アポ屈折としては最高クラスの見え味で(多分)最上位機種のFL-102が欲しかったですが、今ではFL-90の口径8cmクラスの手軽さと口径10cmクラスの見え味の中間を取った感じが気に入っています。複数の鏡筒を所有して双眼装置で惑星を見比べたりする事でこの望遠鏡の性能を再認識するところとなりました。

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光学性能は申し分ありませんが接眼部が2インチに対応していない事やバックフォーカスが短い事、ファインダーがアリガタアリミゾ式が使えない事などの理由で鏡筒切断した上でStarlight Instruments社のフェザータッチフォーカサーに換装しています(フォーカサーと鏡筒を接続するアタッチメントは国際光器に製作してもらいました)。しかし鏡筒短縮をやりすぎてそのままではピントが出ず、80mmの延長筒が常時必要となってしまい、また双眼装置を付けた時の鏡筒バランスが悪く、長いアリガタレールを使って鏡筒全体を前に出すことでバランスを取っていますが、全体の見た目がごてごてしてしまいやりすぎた感があります。

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一時は無くなると言われたフローライトですが供給が復活したのかタカハシが最近FCシリーズを復活させて人気の模様ですが、ビクセンFLの復活も少し期待してしまいます。FLはフローライトの相玉の硝材との相性が良かったらしいので、これが使えない条件では現行FCを超えるのは難しいかもですが。

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