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自作3cm実視界9.6度対空ファインダー [天文>機材>ファインダー]

GuideFinder50の実視界が6.25度でPocket Sky Atlasなどの最微等級が比較的明るい星図を使う場合には若干視野が狭く感じ、口径が3cmで良いのでもっと実視界の広いファインダーが欲しいと市販品を探したものの見当たらなかったので自作してみました。

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一番の肝となる対物レンズですが、MoreBlueで扱っている小型ガイドスコープ(ヤフオクで『FG004-口径30mm焦点距離130mmアメリカンサイズボディ コンパクト型C/CSマウントガイド望遠鏡 本体』で検索)が口径3cmで焦点距離130mmF4.3と比較的短く、25mm見掛け視界50度のアイピースとの組み合わせで倍率5.2倍、実視界9.62度の広視界ファインダーとなるのでこれを使う事にしました。

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アイピースはC6に付属していたプローセル25mmが余っていて、できれば対空ファインダーにしたかったところにGuideFinder50用の正立接眼ユニットも丁度一つ余っていたので、これらを組み合わせて作る事にしました。

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パーツをバラしてプリズムとアイピース上部を利用します。

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そのまま合体させてもピントが出ないので鏡筒短縮しなくてはなりません。と言っても切断する手段が無かったのでAmazonでSK11と言う38mm径までカット出来るパイプカッターを購入、鏡筒後端から3cm切断する事にしました。筒を固定する手段が無かったので手持ちでやりましたが握力が死にましたw

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これらをエポキシ系2液タイプの接着剤を使って合体させました。

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ファインダー脚は笠井の3cmファインダーのものを使い(これは余ってなかったので購入、脚だけ利用、ファインダー本体は売りました)、鏡胴との隙間に植毛紙を貼ってファインダー全体を回転させる事で接眼部を回転できるようにしました。

実際使ってみて計算通り9.6度程度の実視界が得られ、Pocket Sky Atlasとの相性もとても良く、広い範囲が見えるのでスターホッピングで一度に飛べる距離が大きく取れるので従来より早い導入が可能になりました。但し口径が3cmなので空が(光害で)明るい場合は微光星が見えず、導入が困難になる事もあります。

作ってみると想像以上にコンパクトで軽く(340g)、GuideFinder(930g)より圧倒的に扱い易いのでお手軽観望だけでなく、暗い天体を追う観望でもまずこちらを使うようになりました。DIYがとても苦手な自分的には冒険的要素が多いファインダー製作でしたがとても役に立つものができて満足しています。


笠井製品の想い出 [天文>日記]

個人的に笠井製品にはかなりお世話になってます。豪奢な商品説明に対して質が悪くてクレームを入れて社長とゴタゴタした事もありましたが笑、ここで無くては買えない、欠かせないアイテムも多数ありましたので、過去の買い物を振り返ってみたいと思います。

○BS双眼装置
高級機に対して入射口径、射出口径が小さい点を除けば、見え味においては大きな差は無かったと感じます。MarkV双眼装置を使っていてその重さに難儀している自分的にはこのBS双眼装置の軽さは大きな武器、と言うか正直羨ましいレベルです。自分が知っている限り2回程モデルチェンジしていますが(主にアイピースの固定方式)、現行品は洗練された仕様になっていると思います。今ではOEM品があちこち出回っていますが、その先鞭を付けた(と言う認識なのですが)笠井の功績は評価されて然るべきかと思います。

WideFinder28
肉眼で星座が確認できないような光害地においては等倍ファインダーは星が見えないので使い物にならず、かと言って一般の光学ファインダーでは星座の形が分かるほど視野は広くないので、スターホッピングの基点となる星を導入したい時には欠かせないファインダーです。難点はアイレリーフが短い(と言うか無い)事ですが、見易くなったと噂される新型WideBinoの登場に合わせて、このWideFinderの光学系も新型になっている模様ですので幾分改善されているかも知れません。暗い場所でも使えますが、その真価はやはり光害地で発揮される唯一無二のファインダーと言えるでしょう。

GuideFinder-50+90°正立接眼部ユニット
5cmの対空ファインダーですが、接眼部が回転できるのが他にはないメリット。難点は接眼部を回転させると光軸がずれます笑。のでその都度ファインダー調整が必要です。またアイピース込みの全体重量が嵩み、望遠鏡の接眼部の負担となる点もありますが、あらゆる望遠鏡の姿勢に対して覗き易い向きに合わせられるメリットはそれらのデメリットを帳消しにさせるには十分でスターホッピングでの手動導入では欠かせないアイテムとなっています。

WideBino28
光害地で星座を確認するには絶大な威力を発揮する、自分にとっての星座確認ツールです。今はその役割はテレコンビノに置き換わりましたが、ピント調整があって、目幅も調整できて、また新型になって見え味や覗き易さもかなりパワーアップした模様ですので、テレコンビノよりコンパクトと言う部分も魅力的で買い直したいとも考えています。

○8x50mm90°正立ファインダー
GuideFinder50に出会う前はこちらを使っていました。それまで直視ファインダーで天頂付近の天体を導入しようとして地面にへばりついて覗くストレスに耐え切れず藁にもすがる思いでこのファインダーを手に入れましたが正立である事も相俟って天体導入のストレスが劇的に軽減されました。ファインダーを使う人で直視派と対空派で分かれるみたいですが、対空ファインダーが気になる人にはまずこれをオススメしたいところです。

○アイピース類
・EF-19mm
このアイピースの評価はこちらを参照。中華製ながら名作アイピースだと思います。

・AP12.5mm
このアイピースの評価はこちらを参照。思いの他良いアイピースでもっと早く買って広めてあげたかった。

・HC-Or12mm
このアイピースの評価はこちらを参照。このアイピースの本来の表記は、『HC Or-12mm』なのですが、HC-Orで定着しているようですね。

・EWV-16mm
このアイピースの評価はこちらを参照。日本製でこうしたユニークなアイピースが出てこなくなったのはひたすら寂しいですね。

・EWV-32mm
このアイピースの評価はこちらを参照。最近同じスペックのMasuyama32mmが発売されて、EWVを買い逃した方にはチャンスかも知れません。

・KONIG-40mm
このアイピースの評価はこちらを参照。このクラスはXW40、LVW42mm、XL40と使ってきましたがシャープさと周辺像はこのアイピースが一番良かったかも知れません(想い出補正?)。但しアイポイントがかなりシビア。

・GS FMC PLOSSL
安価なプローセルですが見た目の安っぽさは無く想像以上によく見えると思います。自分の購入した一部の個体は振ったら中でカタカタと音がしてましたがw(→交換してもらえました)

○Euro EMC SF-100ソーラーフィルター
FC-100DL用12x36IS用の太陽フィルターとして使っていますが、汎用性が高く性能も必要十分で良い製品だと思います。難点があるとすれば形状的に外してる時の保管がスマートに行かず、ケースを自作するか悩むところです。

31.7mmDXペンタプリズム
天頂ミラーの裏像を避けたい人でダハの稜線による解像度の低下も避けたい人にはEMS以外ではこれしか選択肢が無いでしょう。とてもいい製品だと思いましたが、自分の買った個体にはプリズム内部に微キズが混入してました。その後落下させて半壊。

○2インチDX天頂ミラー99%
今となっては標準的なスペックですが、コストパフォーマンス的には今でもトップクラスなのではと思います。側面のメタリックゴールドの仕上げが写真で見るより美しいです。

INTES-MICRO ALTER-7
ロシア製の魅力が凝縮された製品で、欧米製や日本製、ましてや中国製とは異なる思想で造られた事が感じられ、非常に精密な金属加工技術は芸術的とまでいかなくても持つ喜びを与えてくれるには十分です。一方で品質面では大雑把と感じる部分もあり自分のALTER-7は補正板の端っこが僅かに欠けています><

ロシアの光学製品全般(双眼鏡やアイピース)に言える事ですが、視野が黄色く明るさが暗め、その分コントラストを上げると言う味付けをしていると感じますがこれは作り手のポリシーなのでしょう。マクストフがロシアの人と考えればALTERは由緒正しい製品とも言えて、その辺りの事情も勘案して好きな人にはとことん好きになれる製品ですが如何せん値段が高く、費用対効果を考えるとこれを買うならC8買った方が幸せになれるかも知れません。

○SUPER-VIEW 4x22EW
個人的にはミザールのSW-525(現行品だとSW-550)が好みで買い替えましたが、これはこれでよく出来た製品でした。視野が暗めで黄色い着色が感じられましたが、これは天体用より地上風景見る方が向いているかも知れません。SW-525を超える17°の広視野はスポーツ観戦などには持ってこいなのではと思います。

○Laser-Finder DXⅡ
評価はこちらを参照。レーザーポインターが故障してしまい、修理も出来ず、売ってもいないので現在放置状態です。

○L-BINO 25x100W
直視で見るには三脚使っても重くて扱い難く手放しましたがこれで見た天の川のイメージは今でも目に焼きついています。その後対空双眼鏡に移行するきっかけになりました。

以下、買って残念だった製品

●SUPER-BINO 100CL
望遠鏡用アイピース交換式の10cm対空双眼鏡で、良質なアイピースを付けた時の見え味は宮内を超えてるんじゃないかと思う程でしたが、品質上の大きな問題として自分の個体には片方の接眼部のプリズム内に盛大なキズか汚れ(中央遮蔽率で言えば開口面積の40%位の大きさ)が存在し、クレームしたものの実視検査で実用上問題は無く、この程度の瑕疵に対応していては商売が出来ないで片付けられてしまい、安くない買い物なのに交換も修理もできないとの事でガックリきてしまい稼働率が大きく下がってしまいました。

その後もこれで本当に性能に影響無いのか疑心暗鬼となり、ハズレを引かされたのではと言う思いがストレスで気持ち良く使えないのでついに手放し、APMの同型機へと買い換える事になりましたがAPMの方はそうした問題は一切ありませんでした。

笠井でよく聞かれる実用上問題無いと言う判断も検品する側の主観的な曖昧なもので、絶対的な基準がないのでどうとでも判断できる、業者側の都合の良い言い訳のように聞こえます。こうした言い訳を用いるならば、ここの製品は日本製では考えられない様な瑕疵があるのが普通であり、それを許容できる人のみ注文ください、と明記すべきで、またこうしたクレームに対して事後に説明がされるのもトラブルを招く原因だと思いました。

とは言えこれも結構昔の話ですので、今ではそこまで酷い品質の製品は出してないと思いたいところです。高い授業料でしたが10cm対空双眼鏡の有用性を感じさせてくれた点では買って良かったと思える製品でした。

●2インチアイピースレデューサー
2インチをフルカバー『していない』アイピースに対しては実視界を広げる効果があり、そのアイデアは良いと思うのですが、周辺像が相当悪化し、縮小率が高過ぎると感じます。ケンコーのクローズアップレンズは縮小率が逆に低いですがアイピースによっては像に悪影響を殆ど及ぼさず、この間の0.8倍位の縮小率の製品があれば欲しいと思いました。

●屈折用マイクロフォーカス接眼部
笠井で接眼部のみを売りに出した初期の製品でしたが、2インチ天頂ミラーに重量系アイピースを取り付けると鏡筒を上に向けるとドロチューブがずり落ちてきてしまい、致命的だったのはずり落ちないようにテンションを強く締め付けると微動が空回りする問題があり、これではデュアルスピードフォーカサーを購入した意味が無いので即刻手放しました。

笠井曰くそこまで重いアクセサリーの使用は想定されていないとの納得し難い説明でしたが今思うとスペックに引き上げ重量が書かれていなかったのが落とし穴で、その点を事前に確認すべきだったと思います。現在は接眼部のラインナップが豊富になり、いくつかの製品には耐荷重量に関しても明記されるようになったので幾分改善されたと思いたいですが。

●ロシア製アイピース(ST-12、SWV-24mm)
このアイピースの評価はこちらこちらを参照。良い部分もありましたが、それ以上に悪い部分が気になって手放す事となりました。

●SAFIX
ロシア製の珍しい球面収差が補正できるレンズでしたが効果は今一つ分からず。

AOK VAMOtraveler経緯台
造り、品質共に優れていると感じましたが、架台には手動微動が無いと使えない自分にはやっぱりフリーストップは合わないと感じ手放しました。

振り返っている内にどんどん愚痴めいてきてしまいましたが;笠井は天文ライフを充実させる魅力的で面白い製品を数多く取り扱っており、またそれらをリーズナブルな価格で提供してくれる天文ファンにとって有り難い存在ですので、上記の様な負の側面を持っている事を認識した上で利用すれば大きな問題は無いでしょう。今後の商品展開にも期待するところです。

AOK VAMOtraveler経緯台 (導入至らず) [天文>機材>架台]

現在の経緯台システム、APZポルタ+SXG-HAL130の組み合わせは気に入っていますが、もっとお手軽な観望システムを構築できないものかと考え始め、架台には手動微動が欲しい自分的に、ポルタより軽いとなるとミニポルタやミザールのK型微動マウント、NEW KDSマウント、ボーグの片持ちフォーク式赤道儀【3101】などを使うシステムが候補に挙がりましたが、何れも積載量の面で難がありそうだった為、軽くてそこそこの積載量となると信念を曲げてフリーストップ架台に手を出すしかないのでは?と考えるようになりました。

フリーストップ経緯台を選択肢に入れると購入の幅が一気に広がります。今より格段にお手軽な環境を構築する上でその為の軽い鏡筒を新たに導入する事も視野に入れ、その場合の鏡筒重量は2kg以下と設定し、これを基準に架台を選ぶ事にしました。候補としては笠井AZ-Palm、AOK AYOtraveler、Tele-Optic GR-2miniなどが挙がり、何れも重量1kg程度で積載重量は3~4kg程度とお手軽観望に適したスペックです。しかし鏡筒重量が2kgだったとしても双眼装置に2インチ天頂ミラー、ファインダーの使用を考慮すると積載重量4kg程度では少し心許ないのではと感じ、もう少し積載重量の大きいものは無いものかとふと目に入ったのがこのVAMOtravelerでした。

VAMOtravelerは積載重量が8kgと想定より遥かに重い機材が載りつつ、重量は1300gと先の経緯台とそれ程変わりがありません。このクラスで300~400gの差は大きいかも知れませんが、積載重量が8kgならFC-100DLもお手軽観望用途に使えそうなのが魅力的で、また個人的には重心が大きく外れない片持ちフォーク経緯台が好みな事もあり、この経緯台を選ぶ事に決めました。

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現物の重さを測ったところ1370gあり公称値より70gオーバーしていたのが頂けないですが、作りはとてもしっかりしています。テンションクランプは回転部を外周から締め上げる方法なので鏡筒の前後バランスが多少崩れた状態でもがっちりと固定されます。またポルタよりアームの長さが長く、フォークの角度がポルタより立っているので、駆動部がシンプルな造りである事を考えると積載重量がポルタより上なのも合点がいきます。

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と言う訳で早速FC-100DLを載せてみて木星に向けてみましたが思うように目標を追尾できませんでした。三脚の性能が足りないのかAPZポルタより揺れが大きい事と、鏡筒の前後バランスがきっちりとは取れていないので少し強めにテンションクランプを締めている事を考慮しても、動き出しの引っ掛かる感じと止めた後の振動でスムーズとは程遠い感触で自分の感覚では正直使い物にならないと感じました。

これはもっとバランスが取れている状態を前提に作られているのかも知れませんし、倍率が高かった(200倍以上)事も要因だと思いますが、何より期待値が高すぎたのかも知れません。フリーストップの動きの滑らかさでは定評のあるAOKの経緯台で満足できないなら個人的にはフリーストップ架台は性に合わないのだろうと思いました。この架台の性能が悪い訳ではありません。

しかしフリーストップ経緯台が使えないとなると、EMSを使った双眼望遠鏡やドブソニアンも使えない事になるので、今後の架台と望遠鏡選びの選択の幅がより狭まる事になりそうですが、今後の買い物の方針が定まったと言う点では一度フリーストップに手を出してみて良かったかも知れません。