SSブログ

ミニボーグ55FL-BINO [天文>機材>望遠鏡]

以前相性の良いアイピースが見つからず頓挫した55FL-BINOの構築計画でしたがフラット性能が非常に高いUF30mmとこの対物を組み合わせたところ非常に相性が良い事が分かり、ミニボーグ50-BINOの構成をベースにより進化させたBINOとして復活を果たしました。

tlscp-mb55flbn_5.jpg

構成は前回の試作時と殆ど同じで、

・ミニボーグ55FL対物レンズ【2555】
・M57ヘリコイドS【7757】
・2インチホルダーSS【7506】
・DZ-2【7517】
・2インチホルダーSSII【7501】
・スタークラウド SC2インチ90°正立プリズム(目幅短縮仕様)

となっています。前回この構成ではイーソス17mmではピントが出ないのでDZ-2の短縮改造なども試しましたが、UF30mmはイーソス17mmと比べて焦点位置が大きく対物寄りで改造無しでも合焦する事から、今回のBINOではイーソス17mmを使用しない前提でシンプルなこの構成をそのまま採用出来ました。

tlscp-mb55flbn_4.jpg

当初XW20SSW14mmXWA9mmと言った31.7mm径の我が家の定番双眼用広角アイピースもピントが出ず、このBINOの使用アイピースはUF30mmで固定となりそうでしたが、ふとEZMに付属の超ロープロファイルの2インチ→31.7mmアダプターが余っている事を思い出しこれを使用したところこれらのアイピース全てでピントが出るようになり、倍率可変のスタイルを幸い維持出来る事になりました。

tlscp-mb55flbn_2.jpg

見え味に関しては最初に書いた通り、UF30mmとの相性が抜群で良像範囲はほぼ100%あり、口径55mmで倍率8.3倍、実視界が8.64度(見掛け視界約72度)の視野をフル点像で描写されるこの光景は他の機材では中々味わえない、複数のメシエ天体を俯瞰して一望するような独特の世界観を与えてくれる点で小口径ながらインパクトのあるBINOに仕上がったように思うところです。

tlscp-mb55flbn_6.jpg

総重量は2750gでミニボーグ50-BINOの時とほぼ変わらずに集光力は約1.21倍上がり、ミニボーグ45ED-BINOから始まった低倍率広視界と良像範囲の広さの両立を目指した小口径BINOの自作もこれでようやく決定版と言える出来になったのではないかと自己満足しています。

木星デジタルスケッチ 2022/09/10 [天文>デジタルスケッチ]

この日はかなりシーイングが良く、これまでブランカ102EDPでスケッチを残した事がありませんでしたのでその良さが分かるように頑張ってみました。

ttsct220910jpt_8.jpg

この日の木星はNEBが途中で途切れている様に見え、その西側に青黒い領域が見えたのが特徴的でした。今年の木星はNEBの北(スケッチでは下)の白い縞が太く、その中心に細くNTB?が走っているのが特徴的に思います。

ttks-220910-2_3.jpg

ブランカ102EDPはFPL-53使用ではありませんが、アポ屈折としては異例の長いFで高性能を目指すコンセプトが魅力的で、多種多様な望遠鏡に興味を惹かれる中で長焦点屈折に対しての憧れも抱いていた自分的にその期待に十分応えてくれる鏡筒でとても満足しています。

Nikonの顕微鏡流用の自作双眼装置も文句の無い働きをしてくれていて、他の鏡筒で使ってみてもMk-V双眼装置を使っていた時に見た最高の惑星像と比べても全く遜色の無い見え味で、光路長は少々長くなりましたが格段に軽くて扱い易くなり作って良かったと思いました。

今回スケッチで主に使用したアイピースは最近入手したLeitzのPeriplanGF20xと言う顕微鏡用接眼レンズで、やはり望遠鏡との相性が今一つなのか周辺像では色が顕著に出ますが中心像は抜群に良く、CZJのPK20xと特徴がよく似ています。他にも自作のHastingsや定番のHD-ORなどとも見比べながら観察していました。

Nikon双眼装置用バローレンズの拡大率測定 [天文>機材>バローレンズ]

惑星観望用のメイン双眼装置をMk-VからNikon双眼装置に交代した事で光路長の違いによりこれまでのバローの拡大率も変わりましたので再測定しました。

<<バロー無し(等倍)>>
blw-nknbnvw-nn.jpg

視野の直径は約51.5mm

《笠井 BS双眼装置用2xバロー》
blw-nknbnvw-bs2x_t.jpg blw-nknbnvw-bs2x_p.jpg

直径は約20.2mm。よって拡大率は51.5/20.2=約2.55倍

12mmアイピース使用の場合、
 鏡筒F値倍率瞳径 
FL-90SF9約172倍約0.5mm
BLANCA-102EDP F11約238倍約0.4mm
TSA-120F7.5 約191倍約0.6mm
BLANCA-150SEDF8約255倍約0.6mm
VX250-LF6.4約340倍 約0.7mm 

となり、102EDPではこのバローが概ね適正倍率となります。

《ビクセンDX2xバロー》
blw-nknbnvw-vx_t.jpg blw-nknbnvw-vx_p.jpg

直径は約18.6mm。よって拡大率は51.5/18.6=約2.77倍

12mmアイピース使用の場合、
 鏡筒F値倍率瞳径 
・FL-90SF9約187倍約0.5mm
・BLANCA-102EDP F11約259倍約0.4mm
・TSA-120F7.5 約208倍 約0.6mm 
・BLANCA-150SEDF8約277倍約0.5mm
・VX250-LF6.4約369倍約0.7mm

となり、102EDPや150SEDでよく使うバローです。

《ミード 2xバロー(日本製)》
blw-nknbnvw-md_t.jpg blw-nknbnvw-md_p.jpg

直径は約13.5mm。よって拡大率は51.5/13.5=約3.81倍

12mmアイピース使用の場合、
 鏡筒F値倍率瞳径 
・FL-90SF9約257倍約0.3mm
・BLANCA-102EDP F11約356倍約0.3mm
・TSA-120F7.5 約285倍 約0.4mm 
・BLANCA-150SEDF8約381倍約0.4mm
・VX250-LF6.4約508倍約0.5mm

となり、102EDPでは過剰倍率となり、FL90Sや150SEDでもやや倍率が高めでTSAとの組み合わせが最良のバローです。

《笠井 BS双眼装置用3xバロー》
blw-nknbnvw-bs3x_t.jpg blw-nknbnvw-bs3x_p.jpg

直径は約12.1mm。よって拡大率は51.5/12.1=約4.26倍

12mmアイピース使用の場合、
 鏡筒F値倍率瞳径 
・FL-90SF9約288倍約0.3mm
・BLANCA-102EDP F11約398倍約0.3mm
・TSA-120F7.5 約320倍 約0.4mm 
・BLANCA-150SEDF8約426倍約0.4mm
・VX250-LF6.4約568倍約0.4mm

となり、全体的に倍率高めですが、対象や条件によってはFL90S、TSAや150SEDではまだ使えます。

《バーダーハイペリオンズームバロー》
blw-nknbnvw-bd_t.jpg blw-nknbnvw-bd_p.jpg

直径は約10.5mm。よって拡大率は51.5//10.5=約4.90倍

12mmアイピース使用の場合、
 鏡筒F値倍率瞳径 
・FL-90SF9約331倍約0.3mm
・BLANCA-102EDP F11約458倍約0.2mm
・TSA-120F7.5 約368倍 約0.3mm 
・BLANCA-150SEDF8約490倍約0.3mm
・VX250-LF6.4約653倍約0.4mm

となり、この辺りまで来ると実用範囲を超え始めますのでより短焦点鏡筒、長焦点アイピース向けのバローとなります。

《ヤフオク中華3倍ショートバロー》
blw-nknbnvw-nbc3x_t.jpg blw-nknbnvw-nbc3x_p.jpg

直径は約7.1mm。よって拡大率は51.5/7.1=約7.25倍

12mmアイピース使用の場合、
 鏡筒F値倍率瞳径 
・FL-90SF9約489倍約0.2mm
・BLANCA-102EDP F11約678倍約0.2mm
・TSA-120F7.5 約544倍 約0.2mm 
・BLANCA-150SEDF8約725倍約0.2mm
・VX250-LF6.4約967倍約0.3mm

となり、これは上の鏡筒では完全にお遊び超高倍率を掛けるバローと言った趣ですが、F6以下の高性能短焦点鏡筒を入手する機会があれば必要になってくるバローだと思います。

こうして見るとMk-Vで使用してた時よりも拡大率が高いですので、このNikon双眼装置はより光路長が長い事が分かります。相変わらずMeade2xバローとビクセンDXバローの間の拡大率(3.2倍位)が欲しいですが、中々良い物が見つからず散財する日々が続いています(^^;

総アクセス100万PV突破+MY望遠鏡ランキング [天文>日記]

当ブログの総アクセスが100万PVを突破しましたので感謝絵を描かせて頂きました。

220812_1_25.jpg

一応証明写真(?)がこちらです。

ttks-220830-2_1.jpg

このブログは2015年の7月に始めて、50万PVが2020年の4月でしたのでその後閲覧ペースが若干上がった模様ですが、天体写真が殆ど無い天文ブログでありながらたくさんのお客さまに来て頂いて感謝しかありません。本当にありがとうございます。

機材欲が無くなれば更新が止まりそうなこのブログですが、慢性的に重度のポチリヌス菌に感染し、買わない買わない詐欺で周囲を欺いて、隙を見つけては清水ダイブをくり返す生活が続いていますのでまだ暫くは存続しそうな気配です。



折角ですのでここで唐突にこれまで自分が所有していた望遠鏡のランキングを発表したいと思います。自分は望遠鏡の性能は惑星(特に木星)を観る際に見え味を損なわない範囲で最高何倍まで掛けられるかを一つの判断基準にしています。故に高倍率性能のランキングと言えるかも知れません。

鏡筒名 点数 
 オライオンUK VX250L83点
 笠井 BLANCA-150SED79点
 タカハシ TSA-12074点
 タカハシ FC-100DL66点
 笠井 BLANCA-102EDP64点
 ビクセン FL-90S61点
 INTES-MICRO ALTER-760点
 セレストロン C6XLT56点
 笠井 BLANCA-70EDT54点
 ビクセン A62SS48点
 Zeiss C50/54046点
 ビクセン VMC110L35点

点数は完全に自己満足のフィーリングで付けていますので余り真面目に受け取らない方が良いかも知れません。ただ自分はこのブログで望遠鏡の見え味を評価する際、悪くなければ単に「良く見える」と言う表現を多用しますのでこれでは分かり難いかも知れず、各々の鏡筒に対してどの程度見えると評価しているかを知る上での参考程度に考えて頂ければ幸いです。

但し上のランキングは言ってみれば見え味だけで評価したものですが、望遠鏡のトータル性能のランキングとなるとまた話は違ってきます。例えば車にはパワーウェイトレシオと言う概念がありますが、自分も望遠鏡には見え味使い勝手レシオ(?)の様な評価基準を持っていて、例えば鏡筒の体積や重量は操作性や機動性と言った要素に影響し、また温度順応の早さ、シーイングの影響の受け難さと言った要素はその鏡筒の性能の出し易さに影響してきます。

個人的にこれらの要素と見え味(上の点数)の比で望遠鏡の総合性能を測るのですが、この考えで行けば文句無しの見え味ですがとにかく大きいVX250よりもベランダ観望も可能な150SEDが総合性能で上回り、その上を行くのはやはりTSAです。車で言えば余裕の走りを見せる大排気量車と小排気量ながら高性能を叩き出すチューニングマシンの違いの様なものでどちらが好みかは扱う人の使用環境や価値観などに左右され、一概にどちらが良いとは言えないところだと思います。

機材に対する欲求はその人にとっての最高の望遠鏡を手に入れたい欲求そのものであり、このブログがそのヒントや一助になればいいなあとの想いで今後も続けていければと思うところです。