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防寒対策 その2 [天文>機材>その他]

以前の防寒対策で、上半身は超極暖ヒートテック→ウラモコトレーナー→ウルトラライトダウンベスト→ダウンジャケットの重ね着でかなり耐寒出来るようにはなったのですが、それでもマイナス5℃を下回る気温下では長時間の観望は辛く感じて更に一歩防寒対策を推し進める事になりました。

《ユニクロ ウルトラライトダウン コンパクトジャケット》
ユニクロのウルトラライトダウンベストが軽くて暖かく非常に気に入っていましたが袖が無いので腕が寒くなり、袖のある服を重ね着しようかと考えた挙句、そうだ長袖のウルトラライトダウンを重ね着すればダウン3枚重ねで最強じゃないか!と思い至り買い増ししたのがこちらです。

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ウルトラライトダウンベストのサイズがXL、アウターのダウンジャケットが3Lだったので、その間に着るこのダウンはXXLとしましたが(身長180cm、体重78kg)この選択が見事にハマり、格段に暖かく過ごす事が出来るようになりました。これでも-10℃を切ると長時間は辛くなってきますが、ベランダなどでの短時間の観望ではウルトラライトダウン2枚重ねの上に普通の冬ジャンパーを羽織ればこの寒さでも十分耐えられるレベルになりました。

《Smartwool マウンテニアリング》
靴下は適当な毛糸の靴下を履いて、足元カイロも入れていましたが、やはりこれも不十分に感じ、本格的な登山用の靴下を物色して選んだのがこちらです。

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メリノウールの靴下を履くのは初めてでしたが、非常に柔らかい感触でクッション性があり、とても履き心地が良いものです。保温性も高く感じ、登山用グッズに関しては全くの素人なので極力スタンダードな定番商品を選んだつもりですが文句の付けようはありません。普段履いている靴は27cmなのでこの靴下のサイズはLを選びましたが丁度良く、この靴下を履く時は冬靴は28cmのものを履いています。


笠井 31.7mmMC天頂プリズム [天文>機材>ダイアゴナル]

双眼望遠鏡用のダイアゴナルとしてWOのヘリコイド付き正立プリズムを重宝していましたが、より広い開口径、より長いストロークのヘリコイドが欲しいとあれこれ欲求が高まった結果ダイアゴナルの自作に思い至り、そのベースとなる素材として選んだのが今回の天頂プリズムです。

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この天頂プリズムを選んだ理由としてまず公称63mmの短い光路長、マルチコートされたプリズムで光学性能にも拘っていると思われた点、そして何よりスリーブとバレル部分を取り外してステップアップリングを取り付ける事で機能拡張(自己責任)が可能な部分でした。

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接眼側(上画像左側)のスリーブを取り外すとM34のメスネジとなっており、対物側(上画像右側)のバレルを取り外すとM30のメスネジとなっています。

実はこの天頂プリズムに行き着くまで二つ程違うダイアゴナルを試したのですが、外したネジ径に適合するステップアップリングを見つけられなかった事で採用には至らなかった経緯があります。

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ネジピッチは恐らくP1と思われますが、P0.75のステップアップリングが問題無く取り付け可能で、それぞれM42にステップアップする事で数多のM42パーツが自由に取り付け可能になりました。ハウジングは樹脂製ですが硬質で強度的にも問題は感じません。

・使用例1
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接眼側にM42のヘリコイドを取り付けたケースです。対物側はこの場合はバレルを外さずフィルターネジに双眼装置用のバロー(+バレル延長筒)を取り付けた状態です。

・使用例2
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このケースは2インチ接眼部に取り付けられるように対物側に2インチ-M42アダプターを装着、更にM42の回転装置を取り付けてダイアゴナルのスムーズな回転を実現しています。接眼側はケラれないぎりぎりの長さのM42延長筒を取り付けています。

購入状態のこの製品の評価としてはごく普通の天頂プリズムと言ったところですが、性能に不満が出るところも無く、コストパフォーマンスは高い良質な製品と感じました。


ビクセン 2倍バローレンズ31.7DX(Mk-V双眼装置用バローに転用編) [天文>機材>バローレンズ]

ブランカ102EDPMk-V双眼装置+12mmアイピースで観望する場合、双眼装置に組み合わせるバローの選択をMeade2xバローにした場合拡大率が約3.3倍で倍率が約309倍となりやや高過ぎで、これより一段拡大率を下げるとなると笠井のBS双眼装置用2xバロー使用で拡大率約2.2倍から倍率が約206倍とこれではやや下がり過ぎで、この間の倍率が欲しいと更なるバローを探し求めて見つけたのが今回のバローです。

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但しこれまでMk-V双眼装置に取り付けるバローは31.7mm径、もしくは2インチのフィルターネジにねじ込めるものしか使えず、今回のバローのレンズ(バレル)部分のネジはフィルターネジでは無かった事からどう取り付けるかを思案した結果、M42のアイピースアダプターにこのバレル部分を取り付け、変換アダプターを介して双眼装置側の2インチフィルターネジに取り付ける方法を思い付きました。

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下段のパーツは左から、M48オス-M42メス変換アダプター、M42オス-M42オスアダプター、そしてM42メス-31.7アダプターとなっています。バローの取り付けはイモネジを使用します。

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これがパーツを組み合わせた状態、

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これが双眼装置に取り付けた状態、

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倍率を稼ぐ為、ダイアゴナルのミラーに接触するかなりぎりぎりまでバローの先端を伸ばしています。

拡大率を例によって方眼紙で実測してみます。念の為以前測定したバローも測定し直してみました。

<<バロー無し(等倍)>>

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視野の直径は約51.4mm。

《笠井BS双眼装置用2xバロー》

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直径は約22.3mm。よって拡大率は51.4/22.3=約2.30倍

102EDP+12mmアイピースでは倍率約215倍。実はこのバローのみでは102EDPではぎりぎりピントが出ない為、短い延長筒を間に挟んだ関係で前回より少し倍率が上がっています。

《ビクセンDX2倍バロー》

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直径は約20.5mm。よって拡大率は51.4/20.5=約2.51倍

102EDP+12mmアイピースでは倍率約235倍

《Meade2xバロー(日本製)》

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直径は約15.4mm。よって拡大率は51.4/15.4=約3.34倍

102EDP+12mmアイピースでは倍率約312倍

となりました。自分の主観では102EDPの木星模様を見る時の適性最高倍率(見易さを損なわない範疇で出せる最高倍率)は240倍程度と考えていたので、今回のバローはかなり良いところの倍率を出せるようになり、今後この鏡筒での常用バローと恐らくなると思います。それでもMeade2xバローとの拡大率の差はまだ大きいと感じるので、この間を出せるバローの更なる探索はまだ続きそうです。

Series 500 Plossl 12.5mm [天文>機材>アイピース]

典型的な格安中華アイピースと言った趣のこのプローセルですが、twitterのフォロワーさんのシベットさんのブログLambdaさんのブログで好評価されていて関心が湧き、例によって12.5mmがラインナップに存在した事から取り寄せてみました。Amazonで「Plossl 12.5mm」で検索するとこのアイピースが出てきます。

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本体の造りはセレストロンのOmniプローセルやGSOプローセルに比べると若干雑ですが、レンズにキズやゴミの混入などは見受けられず、製造品質としてはまずまず及第点と言えるレベルです。

このアイピースの海外での評判はそれ程多くはありませんでしたが、印象に残ったのは見掛け視界が狭いと言う話で、惑星用として使う分にはそこは気にはならないポイントで、むしろ見掛け視界が狭いアイピースは周辺まで良像で中心像も優れているものも少なくない経験から、逆に期待するところもありました。

しかし届いた12.5mmを覗いてみてびっくり、想像より、と言うより一般的なクラシックアイピースより広い見掛け視界を持っており、見比べるとSterlingPL(55度)と同等の広さがありました。この後同じSeries500のPL30mmを手にする機会がありましたが、こちらは事前の評判通り一般的なPL30mmよりは大分狭い見掛け視界で、焦点距離によって見掛け視界が大きく異なるある意味中華製らしい統一性の無さが感じられました。これだとシリーズ一律の評価はもしかすると難しいかも知れません。

12.5mmに関して惑星観望に使用した第一印象は評判通り、自分が予想したより良く見えると感じました。中華アイピースにありがちな迷光がそれ程目に付かず、バックグラウンドが暗く保たれており、中心像のシャープネスもOmniプローセルやGSOプローセル、ややもすると国産アイピースにも引けを取りません。

周辺像に関してはSterlingPLと崩れ方の性格が違うと感じたので、ミニボーグ45EDII(F=7.22)を使い、室内環境で崩れ方を比べた結果が以下です。また見掛け視界55度クラスの準広角クラシックアイピースと言う部分で共通するニコンの顕微鏡接眼レンズのE20xも比較対象に加えてみました。

 Series 500 PL12.5mm Sterling PL12.5mm     E20x    
 歪曲収差 
 非点収差 
 良像範囲 80%95%75%
 周辺減光 


歪曲収差に関しては顕微鏡接眼レンズのE20xが圧勝で手持ちの全12mmアイピースの中でもトップクラスの収差の少なさでこれに比べると劣るもののSeries500はこの見掛け視界の天体用アイピースとしては歪曲は少ない部類のように感じます。SterlingPLは比較的収差が大きく、木星などが視野周辺に位置すると楕円に歪みます。

その一方で非点収差、ここでは視野周辺まで点像を維持出来るかの性能を示しますが、この性能ではSterlingPLが視野最周辺までほぼ点像で他を圧倒しています。Series500とE20xはどっこいどっこいで視野周辺では点像にはなりません。良像範囲もSterlingPLが広く、また周辺減光に関してはSeries500は視野環がややはっきりしない見え味と感じました。

総評としては周辺像に強いのはSterlingPLで歪曲を多少犠牲にしても星像を崩さない点で準広角の天体用アイピースとしてかなり優秀で、流石に中華アイピースの中でも気合を入れて作られているだけの事はあると感じました。E20xは歪曲だけ突出して優れているのはやはり顕微鏡用の性格かも知れませんが、天体用でもこれを活かした使い道を見つけられれば輝ける接眼レンズと思います。Series500はこれらに比べると標準的な準広角アイピース(12.5mmに関しては)と言った趣ですが性能面は概ね良質と言え、何より圧倒的にリーズナブルな価格を考えれば買っても損をしないアイピースと言えると思います。