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Kowa Genesis22 8×22 Red Edition(コーワ創業125周年記念モデル) [天文>機材>双眼鏡]

散歩用の双眼鏡として現在meglassが活躍していますが、繊細な表面処理が施された金属部品が表に出ているボディのため首からぶら下げて歩いていると上着のチャックにカチカチ当たったりどこかに軽くぶつけてもキズが付くかも知れないと心配になり、とても上品な仕上げの双眼鏡なのでこれはやはり観劇や美術館などのインドアで使うのに向いている双眼鏡なのでは?とアウトドアで使うにはやはりラバー外装の双眼鏡の方が向いているかも知れないと考えた結果今回の双眼鏡が増えました(;´Д`)

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今回の選定もやはりコンパクトさは外せないので2軸ダハで、但し軽量(200g未満)コンパクトさを最優先した高品位な2軸ダハとしてはmeglassが自分的に最良と感じますので今回はそこの優先度は少し下げて、より口径の大きい20mm~25mmクラスで見掛け視界もより広いものが欲しいと感じて現行品の2軸ダハ高級機のスペックを洗い出してみたのがこちらです。

製品名実視界 見掛け視界 重量
 スワロ CL POCKET elegant 8x25 6.8°54.4°345g 
 スワロ CL Curio 7x217.7°53.9°250g
 Nikon 8x20HGL6.8°54.4°270g
 Kowa GENESIS 8x227.5°60°315g
 Zeiss TERRA ED Pocket 8x256.8°54.4°310g
 Zeiss Victory Pocket 8x257.4°59.2°290g
 Leica ULTRAVID 8x20BL6.3°50.4°230g
 Leica TRINOVID 8x20BCA6.5°52°235g
 Hinode 6x21-U18.7°52.2°295g
※見掛け視界は倍率×実視界で算出したものです。

今回Genesis22を選んだ理由としてはこの表でいけば計算上唯一60度に達する見掛け視界を実現している事と(実視界も8倍機ではトップ)やはり惹かれたのはデザインでしょうか。個人的には2軸ダハ双眼鏡では旧型のスワロ CL Pocket(現行のelegantの前のモデル)がとても格好良いと感じていて今回Genesis22はこれに似通った、そして更に自分好みと感じるデザインで、また限定モデルではありますが例によって赤色のモデルが存在した事が決め手となりました(とは言え今から探すのは苦労しました)。

このボディ色のGenesis22はコーワ創業125周年となる2019年に「ブラック」「ブラウン」「ダークレッド」の3色の記念モデルが販売され、例えばEUでは黒が60台、赤と茶が40台ずつ販売されたとあり希少性はかなり高いと思いますが、もし限定品でなければこの双眼鏡は標準の緑色が一番似合っているように個人的に感じますし、バードウォッチング用途で考えた場合アースカラーではないファッション性重視の派手なボディ色は(と言っても大人しめの赤色ですが)敬遠されるかも知れないと考えれば妥当な生産数なのかも知れません。

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現物を手にしてまず最初にチェックしたのが見掛け視界でしたが、やや視野周辺の圧縮が感じられる見え味で望遠鏡のアイピースと比べると60度よりやや狭く感じますが、その分?周辺の像面湾曲は低く抑えられており良像範囲はかなり広く感じられました。これはNLの見え方と共通点があり、覗きながらパンニングすると視野の中央部分が拡大するような歪みが軽く感じられ、当初自分はこれを樽型の歪曲によるものかと思ったのですがマンションなどの建物を視野の端に持っていくと真っ直ぐでむしろ歪曲もきっちり補正された見え味で、これが所謂ローリングボール現象(歪曲ではない)なのだろうと認識しています。

また昼の景色をNLと比べるとやや視野が黄色味掛かっている(meglassと比べても)のが第一印象ですが、これはどちらが正しいと言うよりはメーカーの画作りの方針、設計思想の違いなのかも知れません。同じ8倍コンパクト機のSV25-8との見比べでは一見SVの見え味も全然悪くないのですが見比べると口径が3mm小さいGenesisの方が視野が明るく一番違いを感じるのは色の濃さで、黄色味掛かった視野によるコントラスト強調効果もあるのかも知れません。最初にNLと見比べてしまうと視野のスカッと感?透明感で少なからず差を感じましたがSVの様な標準的な機種と比べると視野の広さも格段に違うのでトータルで一段、2段上の見え味と感じられて正直安心しました。

meglass同様この双眼鏡も星で使う事は考えていませんでしたが念の為チェックすると昼の景色で感じた通り、星が点で見える基準で判断する良像範囲は9割以上に感じられNLと同レベルの素晴らしい周辺像です。ただやはり口径のパワー不足は否めない印象で像はやや暗めですが、その分射出瞳径が小さい(2.75mm)ので個人的に乱視の影響が軽減されるお陰か星像も相当鋭いと感じます。22mm口径以外のGenesisもこの方向性で作られているのであれば周辺像に拘る人には向いているシリーズなのかも知れません(あくまで想像です)。

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使い勝手の面では個人的にはフォーカスノブがやや小さく感じられフォーカシングの感触もNLやmeglassのスムーズさに比べるとやや抵抗が大きく感じ心地良さは正直今一つの印象ですが、目幅調整のヒンジの固さはこれはmeglassが少し固いと感じていたのに比べるとこちらは逆に絶妙で気持ち良さを感じます。ツイストアップ見口は3段階で裸眼の自分には一番引き出した状態で丁度良く、一方アイレリーフは15mmとなっており眼鏡使用でも見口を一番縮めた状態で視野全体が問題無く見える事が確認出来ました。

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付属品は125周年モデルには標準品とは違う革製のケースが付いてきますが少々立派すぎるので自分は汎用のソフトケースを使用していて使っていません。またこの双眼鏡には接眼側のキャップは付属しますが対物レンズキャップは付属せず、これはコンパクト双眼鏡では割と普通のようですが自分的には対物キャップがあった方が扱い易いので汎用の内径34mmのレンズキャップの内側に植毛紙を貼り付ける事で絶妙な装着感の対物キャップを自作出来ました。

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最後に外観、品質面ですが、これは本当に非の打ちどころがなくNL同様持つ喜びを与えてくれる双眼鏡です。大きさ、重量に関しては当初の狙い通りNLとmeglassの中間と言った感じで、観劇や美術館、歩きがメインの散歩と言った目的であればmeglass、キャンプやトレッキング、自然観察がメインの散歩と言った目的であればGenesisと使い分けしたいところですが、今回Genesisは限定モデルと言う事もありいざ手にするとあまりラフに使うには抵抗があるのが現在悩ましいところです(^^;

KOWA (コーワ) 双眼鏡 ダハプリズム式 GENESIS22 8x22 PROMINAR
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After Calm Sunset(V1.0.2) [DTM>作曲]



夕暮れをイメージした爽やか系のインスト曲です。

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