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UW6mm 68° [天文>機材>アイピース]

APM12cm対空双眼鏡の視軸状態は期待以上に良好で倍率をもっと上げても大丈夫そうと感じ、5mm程度の焦点距離でそこそこ広角で、アイピースケースの収納の関係で細いアイピースが欲しいと考えた結果、手持ちのUW9mmの品質、見え味に満足していた事から同シリーズの最短焦点距離であるこのアイピースを手に入れました。

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スマイスレンズ入り短焦点アイピースなので恐らく大丈夫だろうと予想していた通りAPM12cm対空で使う限り周辺像の崩れも見受けられず、ややフローティングエフェクトを感じる見え味で星像も問題ありません。レンズ構成も3群5枚とハイアイ広角アイピースとしては少なめでVX10L等倍レンズを使用時の高倍率、惑星双眼観望用としてもとても相性が良く重宝しています。

SVBONY アイピース 接眼レンズ 天体望遠鏡用 6mm 68° 31.7mm径
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Swarovski NL Pure 10x32(Burnt Orange) [天文>機材>双眼鏡]

WXを覗いて以降、見掛け視界が65度程度の双眼鏡では狭く感じてストレスを感じるようになってしまった為、より広角で手軽に使える周辺まで良像の双眼鏡は無いものかと探し求めて行き着いたのが結局こちらになりました。

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今回はNLの10x42と10x32のどちらにするかでめちゃめちゃ悩みました(見掛け視界は倍率×実視界=75度以上が欲しいと考えた結果8倍機は候補から外れました)。手軽さと言う観点では32mm機が一見有利に思えますがNL42mm機は手で持った時のフィット感、重量バランスの良さ、ホールド性の高さが絶賛されており、これに比べると32mm機はそこまでの声はなくスペック程軽く感じないとの話も見受けられ、天文屋の自分としては星見にも使える事に越した事はありませんのでより口径の大きい10x42は倍率とのバランスも良さそうで非常に魅力的でした。

また形状的な美しさ、スタイルがNL32mm機より42mm機の方が上回ると個人的に感じられ、NLは広角でフラットな視野を実現しているとなれば普通の双眼鏡より大型の接眼レンズが採用されていると予想されますので、この部分が基本的に変わらずに対物レンズのみ小さく設計された(ように見える)NL32mm機はやや頭でっかちにも見受けられ、42mm機よりもエルゴノミクスの観点からもやや完成度、バランスを落としているように感じられなくもありません。

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それでも結果的に32mm機を選んだ理由としては、勿論価格的な理由も大きかったのですが、今回の双眼鏡に何を求めているかと考えれば見掛け視界の広さ、良像範囲の広さの次に来るのは旅先や公園などで歩きながら使う時の手軽さ、携行性の高さで、双眼鏡を覗いている時の重量感にNL42mm機と32mm機で大きな差が無かったとしても覗いて「いない」時の重量感、首からぶら下げて持ち運んでいる時に感じる負担感は純粋にこの200gの重量差(約24%軽い)が利いてくるのではと考え、また重さ以上になるべく嵩張らない双眼鏡が望ましかったので、NL42mm機と32mm機を並べた写真をネットで見る限り全体のサイズ感の差は自分的には小さくないように感じ、そこを重視した今回の選択となりました。

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そして10x32を選んだ決定打となったのが本体色にオレンジ色を選べる点でこれが32mm機を選んだ理由の半分位を占めるかも知れません笑 バードウォッチング目的の場合はこの色は敬遠されるかも知れませんが、風景観望が主目的の自分には恐らく支障は無く、極めて個人的な感覚ですが、オレンジ色のNL32mm機のオシャレな風貌は装身具として身に着けたくなるような魅力を放っており、機能美の面では42mm機に及ばなかったとしてもその弱点を補うのに十分なメリットと個人的に感じられ、NL32mmユーザーに与えられた特権とも考えれば持つ喜びを更に引き上げる要素と言えるかも知れません。

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実物を手にした印象は期待した通りやはり形状がスリムで負担を感じさせない軽さで、それでいて十分な存在感を放ち、身に着けて歩くには絶妙なサイズ感で、これを見て自分的には32mm機を選んでやはり正解だったかなと感じました。次に感じたのはとにかく質感が良い点で本体ラバーの手触りも去る事ながらフォーカスノブの感触、動作は勿論、前後キャップのフィット感、着脱の際本体と擦れる感触に至るまで心地良い気がします。ストラップを取り付ける部品なども小さな細かい工夫が施されていたり、本当に部品一つ一つをこだわり抜いて作られた感じが伝わってきます。

次は購入以前から気になっていたホールド感ですが、先入観もあってやはりフォーカスノブがやや中心寄りかな?と最初感じましたが、慣れてくると特に持ち難いとは感じない、片方鏡筒の対物レンズ前の部分を中指薬指小指で掴み、フォーカスノブに人差し指を乗せて親指の付け根で中央のくびれ部分を深めに握るように持つとかなりのフィット感で、軽い事もあって片手持ちでも十分に扱えると感じ、これはかなり持ち易いのでは?と印象が変わってきました。NL42mm機と比べると物足りなく感じるところもあるかも知れませんが、いきなりこの機種を手にした自分的には32mm機もこれはこれで十分考え抜かれた形状と思えました。

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見え味に関してはまず視野の広さ、手持ちのHC8x42と見比べてもやはり格段に広く、フラットさに関しても最周辺近くでも像が崩れる印象は殆ど無く、それ故に地上風景で視野を振ると視野の中央部分が凸面に歪む感じは若干ありますが(望遠鏡用アイピースで言えばナグラーの歪曲を軽くしたような印象)視野を止めている限りはフルフラットと呼んで差し支えない素晴らしい見え味だと感じます。ツイストアップ見口は6段階で自分が裸眼で覗く限りでは見口を一番引き出したところでビーンズエフェクトの生じない気持ちの良い視野を味わえ、アイレリーフは18mmと十分にあるので眼鏡使用でもこの広い視野を問題無く一望可能で、かつて所有していた名機ニコン8x30EIIが見掛け視界と引き換えにアイレリーフを犠牲にしていた設計であった事を考えると、NLは同等の視野の広さを持ちながら周辺像もほぼ完璧である事も考えれば、よくこんな性能を両立させた双眼鏡が作れたものだと驚かずにはいられません。

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星を見ての印象はこちらも素晴らしく、個人的には昼間の景色よりもおおっ!と思わせる見え味かも知れません。視野のフラットさ、透明感でWXに遜色が無く、口径の割に高倍率な事が逆に幸いしてか星像の鋭さは上回るようにも感じられ、WXを覗くと普通の双眼鏡で星を見る気にはならなくなりますがNLは覗いている時の気持ちの良さで勝負出来ています。勿論見掛け視界の広さと良像範囲の広さはWXは更に上回りますが(星での良像範囲はNLが90%~、WXは95%~の印象)それは重量を度外視して得られた性能であり、NLの場合重量を無視する訳にはいかない制約の中でここまでの性能を実現するにはWXの様に従来の双眼鏡の枠を打ち破る必要はあっただろうと推測します。

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見え味の描写の部分に関してはこれは正直に言えば自分の経験、眼力では掛け値なし、素晴らしく良く見える!以上の事が語れないのですが、HC8x42と比べてこちらが口径が小さく倍率が高いのにかかわらず明るく見えるのには驚きました。ただHCの名誉の為に書かせてもらえればこちらも十分に見える双眼鏡だと改めて感じるところですが、自分はツァイスFLとプリンスEDとの違いも余り感じられなかった眼力ですので詳細な描写の良し悪しについてのレビューはより造詣の深い方にお任せしたいところですσ(^_^;)

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それでも個人的には価格からすれば当たり前かも知れませんがとにかく総じて満足度の高い、完成度の高い双眼鏡と感じ不満に感じるところがありません。使えば使う程、これはいいな、本当にいい、素晴らしい、と思わず独り言が出てうんうんと頷いてしまうレベルで、パフォーマンスと重量の比率で考えれば世界最高と言って差し支えない双眼鏡の様に思え、自分にとってこれが双眼鏡病に終止符を打つ、最後の双眼鏡となるであろう事に疑いの余地はありません(えっ!?)

スワロフスキー NL Pure 10x32 双眼鏡 (バーントオレンジ)
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