SSブログ

ビクセン A62SS(外観編) [天文>機材>望遠鏡]

この製品、6cmのアクロマートにしては当初かなりのお値段で販売されていて、それ故あまり売れ行きが芳しくなかったのかは定かではありませんが、最近実売価格が1/3以下に下がり、これはフェラーリの再来か!?(←?)と脊髄反射でまた生やしてしまったのでした汗;

tlscp-a62ss_1.jpg

スペックは口径62mm、焦点距離520mm、F8.4の何と4枚玉のアクロマートです。その実力は如何に?の前に、取り急ぎ外観のみのご紹介です。

tlscp-a62ss_2.jpg

表面処理がめっちゃ上質です。

tlscp-a62ss_3.jpg

ビクセン規格のこんなファインダーアリミゾ見た事無いのですが、かっちょいいですね。

tlscp-a62ss_4.jpg

ドロチューブを目一杯引き出したところです。どうも2インチアクセサリーは付かなそうでそこが個人的には残念。

tlscp-a62ss_5.jpg

「4 elements」「High-resolution」の対物セルの印字がテンションを高めてくれますw

tlscp-a62ss_6.jpg

台座は当然ビクセン規格のアリガタで、底面には1/4インチカメラネジ穴が2箇所、3/8インチカメラネジ穴が1箇所開いています。

tlscp-a62ss_7.jpg

接眼部は回転可能です。

tlscp-a62ss_8.jpg

重量はこんな感じです。

外観の印象はとにかく造りが良い、と言う点で、WOの製品を彷彿とさせます。雑な感じが全く無く、持つ喜びを感じさせるレベル?かも知れません。この望遠鏡のスペックは入門機のそれと思いますが、それ故入門用としては過剰品質では?と思わなくもありません。上品に、オシャレに天体観望を楽しみたい方には合っていると思います。最近のビクセンは宙ジュエリーなども扱ってますし、ひょっとしてこの望遠鏡はそう言う方向性(富裕層向け?)で作られたのかなあ・・・。

取り急ぎ外観のみのレビューでした。

見え味編に続きます。

ACクローズアップレンズNo.4-BINO [天文>機材>望遠鏡]

ミニボーグ45ED-BINOの最小目幅を63.5mmと狭く出来た事で観望会で他の参加者の方に覗いてもらう事ができ、イーソス17mmでの100度双眼視がとても好評だったのですが、女性子供の方からこのBINOに興味を持たれても目幅の関係でお断りせざるを得なかったのが残念だったので、もっと狭い目幅でも100度双眼視が可能なBINOを新たに作ってみました。

tlscp-accup4bino_2.jpg

対物レンズはケンコーACクローズアップレンズNo.4を使用、アイピースはXWA9mmを使用する事で最小目幅は58mm、倍率27.8倍、実視界3.6度の100度双眼視が可能となりました。鏡筒部分の構成は、

・Kenko LMH52-55 BK(レンズメタルフード、最大外径57mm)
・ノーブランド 55mm→52mmステップダウンリング
・Kenko LMH52-55 BK(レンズメタルフード、最大外径57mm)
・Kenko ACクローズアップレンズNo.4(52mm径)
・ノーブランド 48mm→52mmステップアップリング
・笠井 2インチバレル延長筒WF(M48延長筒として使用)
・笠井 M48/T2アダプター(M48→M42P0.75変換)
・BORG M42P0.75→M42P1ADII【4542】
・BORG M42ドロチューブ(WH)【4565】
・BORG M42回転台座【4520】
・BORG M42P1→M36.4/M42P1AD【7525】
・BORG 31.7ミリアイピースホルダーSS【7314】
・WO 31.7mm New90°正立プリズム

となっています。

tlscp-accup4bino_8.jpg

ミニボーグBINOはM57のシステムで構築しましたが、今回は2インチアイピースは使用しない前提でM42のシステムを軸にシステムを考案、対物レンズのフィルター径が52mmでしたのでステップアップリングで一気に42mmに径を下げてしてしまうと口径が蹴られるので間に笠井の2インチバレル延長筒を介在させる事を思い付き、52mm→48mm→42mmと接続径を段階的に下げる事で口径食を回避しています。

合焦機構は当初BORGの31.7mm径ヘリコイドを使おうと考えていましたが光路長と内径の関係で採用が難しく、ヘリコイド機能付きのWOの正立プリズムが最近発売されたのに目を付け、これとドロチューブ【4565】との組み合わせでピントの粗動と微動を両立したシステムが出来上がりました。

またこの鏡筒をBINOにする為の土台はスライド台座2個付きのビクセン規格多目的アリガタレールを使用し、これに側面にネジ穴加工を施したアリガタレールを接続、L字プレート化する事で直接架台に取り付ける事が可能となり、BINOをマルチプレートを使って取り付ける場合に比べて大幅な軽量化を実現できました。今回のBINOの加工箇所はここのみで例によって遊馬製作所にお願いしました。

tlscp-accup4bino_7.jpg

土台レール上のスライド台座と鏡筒との接続は、BINOの視軸調整が出来るように片方はSLIKの微動雲台SMH-250を用い、もう片方はM48ネジ延長リング、フィルター径変換アダプター、ワッシャー等を使用して微動雲台との高さを合わせています。

ケースは例によってアイリスオーヤマの今回はAM-37Tがまずまず丁度良いサイズでした。

tlscp-accup4bino_6.jpg

見え味に関してはミニボーグBINOでの100度双眼視と比べても遜色無く、対物レンズのF値がF5程度とミニボーグBINOに比べて小さいので周辺像の崩れを心配しましたが、そこが気になる事も殆どありません。ACクローズアップレンズの望遠鏡用の対物レンズとしての流用は以前No.3を試した時に星が点に収束せず実用にならなかったのですが、その後の調べでNo.3のみ像が悪く、それ以外は問題なさそうとの有志の方の検証により、焦点距離の関係もあり今回はNo.4を採用しましたが、確かにこちらは全く問題がありませんでした。

口径に関してもミニボーグBINO(45ED)と殆ど変わりがありませんので、逆にミニボーグBINOの存在意義が問われる結果となり、今後はミニボーグBINOは60EDを使用した自分専用機としての利用がメインとなると思われます。

但しこのBINOの唯一の難点は目幅調整の際のスライド台座の移動が渋く、スムーズな目幅調整とはいかない点で、この点においてはしっかりした目幅調整機構が備わったミニボーグBINOには及びませんので、観望会などで多くの一般の方に見せたい場合にはミニボーグBINOの土台とこのBINOの鏡筒を組み合わせる、と言った運用もアリかも知れません。

tlscp-accup4bino_5.jpg

今回BINOは最小目幅短縮もそうですが、重量をTG-S経緯台で運用できる範囲に軽くする事が大きな目的でしたので、総重量約3kg(アイピース込み)とこれが実現できた事で遠征時のサブ機としていつでも100度双眼視が楽しめるようになったのが一番のメリットで、強力なお手軽機材が増えて満足しています。

その後目幅調整、視軸調整機構をMoreBlueの調節装置に換装しました。


夕焼けと三日月 [お絵描き>風景]

ここのところずっと萌え絵しか描いていなかったので、たまには好きな夕焼けでも描いてみようとリハビリしてみました。

190904_1_2b.jpg

SVBONY WA-12mm [天文>機材>アイピース]

このアイピースの名称らしきものが無かったのでWA-12mmは自分で勝手に名付けましたすみません;

アイレリーフが10mm以上のスマイスレンズを含まないクラシックアイピースで最高倍率を得たいとなると焦点距離12mm程度のアイピースが概ね候補となるのですが、この条件で広角を実現しているアイピースとなると殆ど見つける事ができません。今回のアイピースは見掛け視界60度となっていてこの稀有な条件に当てはまり、双眼装置で使う高倍率用の広角アイピースとして使えないかと期待して手に入れてみました。

eyep-svb-wa12_2.jpg

レンズ構成を見るとケーニヒに凸レンズを一枚プラスしたいわゆる改良ケーニヒと呼ばれるタイプでしょうか。笠井で販売されているWAシリーズと同じ設計かな?と予想しています。

eyep-svb-wa12_1.jpg

アイレンズはこの焦点距離のクラシックアイピースとしては大きく一見覗き易そうですが、アイレリーフが短めなので全視野を見るにはそこそこ目を近づける必要があります。

eyep-svb-wa12_3.jpg

見え味は中心像はすっきりしたシャープな見え味で普通に良く見えますが、経緯台で木星を見ていると視野の周辺に移動するにつれて両端にかなりの色が付き個人的に結構気になるレベルです。バローを使う双眼装置での使用前提で、見掛け視界60度程度なら周辺像の崩れはあまり無いのではと期待していましたが、その点では予想より厳しい結果となりました。

ただ中心像は問題なく使えるレベルですので値段を考えるとコスパは高く、月などの面積体を観望する場合にはこの見掛け視界の広さはかなりのアドバンテージになりますので、双眼装置と相性の良い広角アイピースとしてユニークで価値ある存在と言えるかも知れません。