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Bosma DF12x56ED(賞月観星APO+12x56同等品?) [天文>機材>双眼鏡]

NLは個人的に星見でも最高の手持ち双眼鏡なのですが、WXやNLを持ち込むにはちょっと気が引ける場所に持ち込めるラフに扱える天体用双眼鏡があってもいいかなと考えた結果手に入れたのがこちらです(もう何も言うまい…汗;)Desert Fox IIと言う商品名が付いていましたので以下DFと呼称します。

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この双眼鏡は賞月観星のAPO+12x56IFと同等品と推測していますが(スペックはほぼ同じ)自分はこれを個人輸入で手に入れましたが賞月観星より特に安かった訳ではなく、何故敢えてリスクを冒してこちらの方を選んだのかと言えばこのデザートイエローの本体色に惹かれたからでした(^^;

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手元に届いて一目覗いておおこれは!と思わず目を見張りました。見掛け視界は広々としておりNL10x32(公称69度)と見比べても僅かに広く公称通り72度あると思われます。昼の景色を見る限り良像範囲も広く(体感9割)NLと見比べると流石にヌケの良さでは及びませんが大型プリズム採用とEDレンズ採用の謳い文句に違わず視野は明るく中心像は色収差を感じない、この口径を考えれば十分クリアな見え味で、軽く触って一発で気に入ってしまいました。

改めて外観を眺めるとNLの様な高級感は感じませんがラバーの貼り付け具合や各構成パーツの削り出し、塗装状態などを観察すると造りに丁寧さが感じられとても真面目に作られている印象です。対物レンズ、接眼レンズのコーティングを見てもとにかく反射光が暗く、良質なコーティングが施されているように感じられ、接眼部の合焦ヘリコイドの固さも丁度良くスムーズで、アイレリーフは19mmとなっていて目位置にも寛容で覗き易く視野環は明瞭で、1500gの重量ですが想像以上に持ち易く、総じて扱い易く出来ている双眼鏡と感じます。

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この双眼鏡の本領発揮となる星空の見え味ですがこちらも期待通り良像範囲が広く、賞月観星の商品説明では65%と書かれていましたがこれはかなり厳しめの評価かと感じられ、自分のいつもの感覚ではこの双眼鏡の良像範囲は8割強の印象です。9割超えてから崩れが少し大きくなりますがそれでも破綻はしておらず、良像範囲の狭い双眼鏡で星を見ると崩れた周辺像による圧迫感で観望の集中力を低下させ、没入感を著しく阻害しますが、この双眼鏡は普通に見れば全面フラットに近い印象で周辺減光も感じないのでストレスなく視野を見渡せて、WXの視野を切り取ったような見え味、と言うのは言い過ぎでしょうか。

NL10x32と比較するとバックグランドの暗さ、星像の鋭さは流石にNLは素晴らしいですが、DFの方は微光星の量が格段に多く星の輝きが強く、瞳径4.7mmと程良いので像も十分鋭く、見掛け視界は同等、良像範囲も広いので没入感では負けていません、と言うより流石に口径が大きく違いますので星を見る目的であればはっきりこちらが向いていると言っていいでしょう。これであればNL42mm機でもある程度対抗出来るかもと思わせる程で星見での性能は素晴らしいと感じます。勿論こちらは重量が格段に重いですが。

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BOSMAと言うメーカーは中華の望遠鏡ブランドとして天文マニアの方であれば耳にした事もある方も少なくないのではないかと思いますが、個人的には割と良質な製品を販売しているメーカーのイメージもあって今回購入も不安視はそれ程していませんでしたが、この双眼鏡が入っていた段ボール箱にはセレストロン(星特朗)の名前が記されており、APMにも同じと思われる双眼鏡が販売されており、賞月観星も含めてどこかでOEM生産された双眼鏡と予想しますが、これだけ良く出来た双眼鏡であれば品質面を重視する各メーカーが自信を持って世に送り出しているのも頷けると思いました。

賞月観星の商品説明を見ると「世の中の現役の12x56双眼鏡たちをすべて超越」と書かれていて、購入者レビューを見ても「星空観察の決定版」「この双眼鏡が一番星が美しく」と言った最大級の賛辞を送る方も見受けられましたが自分もこれは決して誇大ではない、この双眼鏡の倍率や重量をデメリットと感じない人であれば逆に12x56と言うスペックは絶妙とも言え、万人受けはしないかも知れませんがこのレビューの様に感じる方がいても全く不思議ではないと感じました。

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天体観望の暗闇の中で双眼鏡を使っているとどうしてもぶつけたり転がしたりと言った思わぬトラブルに見舞われ易いですのでNLはその意味でも星見で使うのは少し抵抗がありましたが、今回の双眼鏡はショック耐性、防水性能も高い設計となっており気軽に扱える天体用双眼鏡として、当初の目的から言えば文句なく合格と言える双眼鏡です。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

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ビクセン meglass H6x16 [天文>機材>双眼鏡]

スワロNLはそれはもう手持ち双眼鏡として至高なのですが、散歩のお供とするにはやや本格的過ぎるので手で持ちながら歩けるような、コンパクトさに特化したポケットサイズの双眼鏡が欲しいと感じて(つくづく度し難い…)今回選んだのがこちら(日本語では「メグラス」と呼称)です。

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軽量コンパクトな双眼鏡と言えば手持ちのヒノデ6x21-N1は今でも気に入っていますが、これより重いものの2軸ダハであるコーワSV25-8の折り畳んだ形状が個人的に持ち運び易いと感じる事も少なくなかった事から、2軸ダハの条件でよりコンパクトで高性能な双眼鏡はどんなものがあるだろうと物色を開始しました。

当初はスワロ、ライカ、ニコン、コーワと言った2軸ダハの最上位クラスの機種に食指が動きましたが(筆頭候補はライカUltravid8x20シルバー)その価格を見てふと我に返り、散歩のお供ならそこまで高性能で無くてもいいのでは?と考え直して他メーカーの製品を眺めていて目に飛び込んできたのがこのビクセンの双眼鏡でした。シルバーアルマイト仕上げの筐体にブルーの牛本革をあしらった上品なデザインが自分の琴線に直撃し、口径は16mmとやや小さいですがその分コンパクトで重量は140gと圧倒的に軽く何より日本製との事で、正に今回求めている条件に合致すると感じてNLが最後の双眼鏡!の願いも虚しく再びダイブしてしまったのでした。

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実物を手にすると期待通りの質感の良さで、ボディの金属加工の精度が非常に高く感じられ、可動部分の動きも精密感があり、折り畳んだ時のピタッと全体が一体となるこの公差の少ない感覚は流石日本製と思わせる心地良さを味わわせてくれます。ビクセンは今でも良い製品を生み出す力は十分あるメーカー、と言う事はこのブログでも度々書いてきましたが、この双眼鏡もビクセンの中でもクオリティ重視の、メーカーの良心が感じられる製品と言えるかも知れません。

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見え味に関しては普通に見えればOKと考えていましたが実際に覗いてみてびっくり、ヒノデN1やコーワSVと比べると視野の透明感で一目瞭然で差があり、これに比べるとこの2機種はガラス越しに見たような像の眠さを感じます。この2機種もこれまで特に性能が悪いと感じた事が無かったので口径差をものともしない期待を大きく超える見え味にひょっとしてこれは大当たりなのでは?とこれだけ良質な双眼鏡の評判を何故今まで全く耳にした事が無かったのだろうかと少し不思議な気分にもなりました。

また今回はコンパクト最優先ですので見掛け視界の狭さは気にしないつもりで選びましたが、N1やSVと比べると一回り視野が広くクリアな視界も相俟って開放感も段違いで、普通視野を広くするには接眼レンズ、プリズムの大型化が必要となるはずですので、この小ささでこの視界の広さ(実視界8.3度)を実現している点も驚きでした。またこの双眼鏡で星を見る事は考えていませんでしたが一応確認したところ良像範囲は8割位はありそうで普通に使えなくもありません。

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一方でこの双眼鏡はこの大きさの割に十分なアイレリーフを持っているだけに、見口を繰り出す機構が備わっていない点は個人的に少々残念に感じましたが、改めて他社製の200gを切る超軽量クラスの双眼鏡を見ると見口繰り出しが無いのは普通の事で、この双眼鏡のゴム見口は眼鏡使用時にレンズが傷つく事を防ぐ事が主目的のようにも感じられ裸眼では見口から少し浮かして見るような使い方になりそうですが、この双眼鏡に関しては6倍と低倍率な事もあり手ブレが少なく目位置にも寛容でとても覗き易いと感じるのでそれで特に不都合を感じる事はありません。

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この双眼鏡の付属品として本体と同じ素材の革ケースが付属しますが、当初出し入れがそれ程スムーズにいかないので汎用の布製ポーチでも別に用意しようかとも考えましたが、この純正ケースの特筆すべき点は本体を収納しても全体サイズが殆ど変わらない点で、バッグやポケットなどに入れて持ち運ぶなど極力嵩張らない事が望ましいと考えられる使用条件を想定すればこのケースは本体のコンパクトさを損なわない点でとても良く考えられていると感じられました。勿論仕舞う時には毎回双眼鏡を折り畳む必要があるのは少々手間ですがこの双眼鏡には前後キャップがありませんので、この革ケースのピッタリさはレンズキャップも兼ねていると考えればやはり良く出来ていると感じられましたので結局このケースを普段使いしています。

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尚この双眼鏡はピント移動で天板の全長が変動しますので、近距離にピントを合わせた状態だと全長が伸びてケースに入り難くなります(自分も当初苦戦しました)のでケースに入れるのがきつい、と感じた場合はピントを無限遠に合わせる(天板の長さを縮める)と入り易くなります。

また改めてこの双眼鏡の大きさについてですが本当に小さいです。下の比較写真の通り軽量コンパクトの目的で購入したヒノデN1と比べても更に一回りコンパクトである事が分かります。

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高級路線の2軸ダハ双眼鏡で現行品でこれより小さいものがあるのかどうか、自分には見つけられませんでしたが自分にとっては今回の目的でこれ以上の双眼鏡は無いのでは?と掘り出し物を見つけたような得した気分になれてとても満足しています。

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