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アイベル APZ・PORTA経緯台 [天文>機材>架台]

FC-100DLポルタで使った時の振動に我慢できなくなり、ポルタに代わる手動微動可能な経緯台を物色する中で、同じビクセンのAPZ経緯台が目に止まったものの形状がT型で、自分的にウェイトを使わずに重心がそれ程中心から離れない斜め片持ちフォーク式が好みだったので二の足を踏んでいたところに、アイベルのHPで見つけたのがポルタをベースに微動ユニットをAP赤道儀の手動モジュールに換装したこのAPZ・PORTA経緯台(以下APZポルタ、もしくはAPポルタと呼称)でした。評判が今一つなAPですが、微動ユニットは流石にポルタのよりマシでしょう?と藁にもすがる思いで注文。

外見はポルタと殆ど変わらず、重さもAPZ経緯台におけるカウンターウエイトを使わないで済む為、本体重量はAPZ経緯台より軽く(架台部のみ約2.6kg)仕上がっています。

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APの手動モジュールがポルタの微動ユニットと径が(たまたま?)一致していた事に目を付けた無理無駄の無い設計です。また三脚はSXG-HAL130をGP2と兼用する形にしたので、三脚の強化に加えて機材が減らせて一石二鳥となりました。

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肝心の性能ですが、早速FC-100DLに双眼装置で最高倍率を掛けて土星を観ましたがポルタに比べて格段に振動が減り、それでもFC-100DLの様な長い筒だと揺れる事は揺れるのですがこれなら我慢できる範疇です。またAPM10cm対空双眼鏡をポルタに載せた時は重さの為か水平微動で擦れるような感触があったのですが、APZポルタでは微動ユニットにベアリングが入っているお陰か微動がとても滑らかで、この双眼鏡だと比較的低倍率での観望となるので使っていて揺れを意識する事が殆ど無くなりました。

FC-100DLで実際どの位振動が減ったのか軽く調べる事にしました。テストは笠井GuideFinderTV2インチ天頂ミラーMarkV双眼装置+アイピースx2本を付けたフル装備で倍率は4xバローに12mmアイピースで300倍の惑星観望で使う時の最高倍率を掛けて揺れ具合をチェックしました。

アイピースを覗きながら鏡筒をポンと軽く叩いて、揺れが止まるまで1、2、3・・・と大体1秒おきに長さをカウントする大雑把な測定ですが、ポルタが15~20秒程度(長いw)に対して、APZポルタだと5~6秒程度とかなりの差がでました。時間だけでなく揺れの振幅の大きさも全然違い、体感ではもっと大きな差に感じます。

また三脚をHAL130にしたので揺れが減ったのは架台のお陰なのか、三脚のお陰なのかが気になりポルタ+HAL130で試したところ、8~10秒程度とこれも格段に揺れが減って、架台よりも三脚強化の方が貢献している気もしないでもありません。因みにAPZポルタにポルタ純正三脚でも試したところこちらは9~12秒程度で、これってポルタの三脚がダメダメなんじゃ・・・と思わせる結果となりました。

価格は三脚なしで61,100円と一見高く感じますが、これを構成するパーツを見ると、

・AP三脚ベース(8,500円)
・手動モジュール(16.880円)×2
・APクランプ筒受ユニット(8,500円)

とこれだけで50,760円となり(ショップによってはもっと高価)、これに加えて手動モジュールをポルタに接続するアタッチメントプレート2枚の製作費、ポルタのフォークアームの流用費用に組立工賃を考えれば良心的な価格設定と言えるでしょう(APのパーツ価格が良心的かは別として)。

ポルタの強化策はネットで様々な方法が試みられていますが、基本的に微動ユニットをより高性能のものに差し替えるだけで見た目や重量、使い勝手をほぼそのまま維持しながら強化できるAPZポルタはポルタ強化版と言っても差し支えないよく出来た製品で、自分の要求に適った経緯台がようやく手に入ったので安心しました。

長年の使用で上下微動にガタが生じたので修理しました。
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過去に所有したアイピース その4 [天文>機材>アイピース]

・TeleVue Nagler Type4 22mm

双眼視可能な鏡胴径で最も長焦点のナグラーと言う点でEMSユーザーからの支持も厚いアイピースです。単眼で用いても月並みですが星が綺麗に見えるアイピースと言う印象で、XW20と比べるとXW程フラットではありませんが、深み、階調の豊かさと言った部分でこちらに分があると思いました。

ナグラーのType4にはインスタアジャスタ機構なる見口がスライドする機構が備わっているのですが、XWの様なツイストアップ式ではなく、力で縦に段階的に伸縮させる(2mm間隔で7段階)タイプなので、キャップを着脱するときなどに予期せずガガガガっと見口全体がスライドするのが個人的にはあまり好きではありませんでした。

割とコンパクトな外見と裏腹に持つとかなりずっしりと重たく感じます。アイレンズは十分に大きくて覗き易く、アイレリーフ19mmとナグラーシリーズ最長で(ナグラー31mmでも19mm)、それでも慣れないと目位置が少しシビアに感じることもあるかも知れませんが、この対策として瞳ガイドプレートなるオプションが商品に付属していました。

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・TeleVue Panoptic 24mm

ナグラー22mmは星が綺麗に見えると書きましたが、その点パンオプ24mmはそれ以上かも知れません。谷エルフレ25mmと見比べした際、谷エルフレを見た後でパンオプを見ると星々がゴージャスに見え、階調豊かで表現力にかなりの差を感じました。 31.7mm径とナグラー22mmより実視界はやや狭くなりますが大きく変わりなく、軽さやコストの面からこちらを選択する事も十分アリだと思います。イーソス17mmを手に入れてナグラー22mmを手放しましたが、パンオプ24mmは買い戻したい魅力があります。

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アイピースのスペックはこちら
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ケンコー クローズアップレンズNo.3(φ48mm径) [天文>機材>アクセサリー]

2インチアイピースのフィルターネジにこれを取り付ける事でより広い実視界が得られます。イーソス17mmに取り付けてミニボーグ60ED-BINOで見る限りでは周辺像の劣化は殆ど感じられず、確実により広い領域が視野に収まるので、1000円程度のチューンアップとしては大変有効と思います。

イーソスは21mmも欲しいアイピースだったのですが、17mmと焦点距離が近い事もあってその高価な価格に二の足踏んでいましたが、このクローズアップレンズのお陰で買わないで済むかも知れません。

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Celestron C6AL-XLT [天文>機材>望遠鏡]

ポルタに載る最大口径の鏡筒として個人輸入で手に入れました。15cmの口径ながら全長が短いので真上に向けても架台や三脚と干渉しません。ファインダー、天頂ミラー無しの本体のみの重量も約3.3kgと軽く、ポルタで高倍率を掛けてもFC-100DLに比べると揺れがかなり少なくて済みます。外観に高級感はありませんが、値段を考えると良く出来ています。

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補正板は黄緑っぽいコーティング色でALTER-7に比べるととても透過率が良さそうに見えます(補正板の厚さの違いもあると思いますが)。Bob's Knobsを装着した事で光軸調整が格段にやり易くなり、調整をすると劇的に高倍率性能が上がり、MarkV双眼装置で170倍位が丁度良い見え味で、高倍率の伸びは流石にFC-100DLに比べると落ちますが、シャープネス、コントラスト共に悪くなく、土星は本体模様にカッシーニ、本体も丸く見え、環の前後も判別でき、遠ざかりつつある土星本体より小さくなった火星もヘラス平原、大シルチスの形状、北極冠など判別できました。

この筒はポルタでの星雲星団観望目的で手に入れたので、15cmのシュミカセと言う先入観で高倍率性能には全く期待していなかったのですが、こんなにまともに見えるとは正直驚きました。またシュミカセで高倍率と言えばミラーシフトと言う単語だけは知っていましたが、ピント調整も非常に滑らかでミラーシフトって何?と言った感じでバックラッシュも無くALTER-7より具合が良い位です。球状星団、散光星雲なども見ましたが、口径なりの十分な見え味です。

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接眼部は基本的に31.7mm径を想定していますが、2インチのシュミカセアダプターが装着できるので、2インチ天頂ミラーに2インチアイピースを普通に使っています。但し、本体の開口部の口径が3cm弱と小さく、2インチアイピースなんぞ付けたら盛大にケラレるだろうと思ったのですが、2インチ天頂ミラーの入り口から覗いてみるとぎりぎり補正板の端まで見えてる感じで、ケラレていても大した量では無いだろうと思って使っています。

ファインダーに関して元々の取り付け位置がポルタに装着すると左下に来てしまいそのままでは使えませんが、ファインダーを取り付けるネジ穴が他の場所にも用意されていて、今回はポルタに装着した場合ファインダーが左上に来るように付け替えました。またファインダーは例によってビクセン規格ものを使いたかったので、BaaderのDOVE-Bと言うファインダー台座に換装しています。

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収納ケースはミニボーグ60ED-BINOで使用しているアルミケースを見て、これにぎりぎり入るんじゃ?と試したところ、かなり無理矢理な気がしますが(ネジやファインダー台座など本体から飛び出る部分がケースの内側に当たって削れていますw)ぎりぎり収まりました。ケース内側に元々張ってあるクッション以外に緩衝材を入れる余裕が全く無いので、この状態で輸送業者に運ばせる事は厳しそうです。

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想像以上の光学性能に良くできた本体構造、機械動作を考えるとかなりコストパフォーマンスの良い鏡筒と思います。これにポルタに載る重量にコンパクトさを兼ね備えた、入門用やお手軽星見用として持ってこいの鏡筒では思います。

FC-100DLブランカ70EDTとの比較観望の様子はこちら


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過去に所有したアイピース その3 [天文>機材>アイピース]

・笠井 EWV-32mm

中心像に関しては、シャープで癖の無いクリアな像が印象的で、周辺像に関しては、良像範囲70%程度でそれ以上は穏やかに星像が肥大、端に行くに従って円周方向に弧を描く様な収差が若干見受けられる傾向はEWV-16mmと似ています。EWV-16mmもそうですが、85度と言う超広角の割に周辺の歪曲収差はあまり目立たず、視野を移動させても空間が歪む様な違和感を感じさせない点に関してはナグラーよりも優れていると思います。

この32mmの長焦点で85度に及ぶ広視界は、2インチバレルで得られる最大に近い実視界を確保でき、またこのスペックでは珍しく鏡胴最大径は60mmに収まっている為、双眼視が可能で、できるだけ低倍率で、できるだけ広い見掛け視界と実視界を得たい場合には、EWV-32mmは理想的な性能のアイピースの一つと言えるでしょう。

このアイピースで目を引くのが巨大なアイレンズで直径が44mmもあり、アイレリーフも必要十分で、見掛け視界の広さを考えれば覗き易い部類と言えます。当初周辺像の崩れが気になって一旦手放したのですが、他に類を見ない特性を再認識して再購入を考えたのですが丁度ディスコンとなってしまい、手放したのを今でも後悔しています;

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・笠井 EF-19mm

このアイピースは本当に優秀でした。見え味に関してEF(エクストラフラット)の名の通り、癖の無いフラットな像面が気持ち良く、全体的にXWの小型版と言った印象です。ツイストアップ見口がとても効果的な作りで、目位置がシビアでなく、覗き易さに関しては抜群の性能を誇ります。特にEFシリーズの中でもこの19mmはスマイスレンズを含まない事もあって、双眼装置用のアイピースとしても相性が良く、広くて、軽くて、安くて、覗き易くてよく見える、と5拍子揃った、トータルバランスで考えると自分の触ってきたアイピースの中でもトップクラスの性能を持つ、万人にオススメできるアイピースです。

手放した理由は解像度でMeade SP20mm(国産)が僅かに上回っていた事とアイピースを国産で揃えようと考えたからで、国産に拘らなければ手元に置いておきたいアイピースでした。と言うか買い直すかも知れませんが。

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アイピースのスペックはこちら
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