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賞月観星 XWA9mm [天文>機材>アイピース]

格安100度アイピースとして最近評判のXWAシリーズですが、31.7mm径では13mmが最も広視野が得られるのですが、個人的に9mmを選んだのは幾つか理由がありました。

一つはACクローズアップレンズBINOで100度双眼視を実現する上で、最小目幅をなるべく小さく(60mm以下に)したかった為、鏡胴径58mmとより細い9mmが適していた事、次にAPM10cm対空双眼鏡で中倍率アイピースとしてこれまでナグラー9mmを使っていたので、XWA9mmであればこれまでと倍率を変えずに100度双眼視が実現できる事が都合が良かった事、そしてELS双眼装置で使う上で、焦点距離9mm×見掛け視界100度=900と1000以下となり、この双眼装置でケラレない最大視野が得られる100度アイピースとして好適だった事、と言った理由が重なりました。

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この内APM10cm対空双眼鏡で100度双眼視が実現できる事が特に魅力的だったのですが、この双眼鏡で気を付けなければならないのがバックフォーカスの余裕の無さで、どんなに見え味が素晴らしくてもピントが出なければどうしようもありません。こればかりは実際に試さないと分からない部分でしたが一本だけ先に購入して試したところ問題無く無限遠でピントが出て、むしろXW20よりピントに余裕があり、これで晴れてナグラー9mmから完全移行できる結果となりました。

当初イーソスを使う事も検討しましたが、2インチと31.7mmの両方の接眼部に対応した独特のバレル形状が仇となり、31.7mm径アイピースとして使うには差し込み量が少な過ぎで落下の危険性が高いと感じて採用には至らなかったのですが、今回のXWAであればバレル根元までアイピースが挿さり、脱落防止溝もあるので落下の心配も無く、こうした双眼鏡との組み合わせにおいてはイーソスよりも適しているアイピースと言えるかも知れません。

個人的にはアイピースの脱落防止溝は廃止して欲しいと願うほど嫌っているのですが(特にリング締め付け式の固定方法と致命的に相性が悪い)、このXWAに関しては溝の下側の段差がテーパーになっていて引っ掛かりを抑える造りになっており、最近のアイピースはこうした工夫がされているものが増えていると感じます。だからと言ってまだ溝の存在を許容する気にもなれないのですが、今回のXWAの様な長大な31.7mm径アイピースを付けたまま鏡筒を振り回すとすっぽ抜ける危険性は少なからず存在し、溝のある方が確かに安心できるので、せめて今回のように段差にテーパーを設けたり、軽量級のアイピースでは溝を設けないなどケースバイケースで対策してもらえれば脱落防止溝もユーザーに受け入れられる存在となるかも知れません。

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肝心の見え味に関してはまずミニボーグ45ED-BINOイーソス17mmと見比べましたが、イーソスの方が覗き易く、その分周辺像も若干良く見えるとは感じましたが倍率がかなり違うので近い焦点距離でないとどちらのどこが上とはちょっと判断し辛い感じです。

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次にAPM10cm対空双眼鏡で像を確かめましたが、目位置がアイレンズ中心から動かさない場合は周辺8~9割程度から僅かに像が崩れる印象もあるのですが、周辺像をよく見ようと目位置をレンズ端に移動させるとちゃんと点に見える印象で、これは周辺まで点像と言って良いのか分かりませんが、F5.5の対物でこれだけ周辺が良く見えれば十分に優秀と感じました。個人的に周辺の崩れが大きいアイピースだと視野を流したりした場合に周辺から不快な感じを受けるのですが、このアイピースではこれだけの見掛け視界でありながら周辺から特に嫌な感じを受けず(非点収差や歪曲が少ない?)、ナグラー9mmとも比較しましたが、ナグラーの見掛け視界をそのまま広くしたような印象で、周辺像に割と拘る自分でも気持ち良く覗けます。また見始めた当初は目位置がシビアなブラックアウトし易い印象もありましたが、慣れてくると気にならなくなりました。

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イーソスとの性能差はあるのかも知れませんが価格差を考えた場合、価格が半額でも見え味がイーソスの6割や7割程度の出来であれば、見え味に拘る人であれば高くてもイーソスを選択する事もあるかと思いますが、XWAに関してはイーソスの8、9割位の出来はあると思われ、XWAのイーソスの3割程度と言うあまりの爆安さに見え味に拘る人でもこの程度の差ならこっちで良いのでは?と天秤を狂わせる魅力があると思います。

かつてナグラーが流行った時、ナグラーコピーも大いに出回りましたが(セレストロンやミードなど)、大抵は本家より重く大きくなってしまい、やはり本家が一番スタイリッシュな出来と思わせましたが、イーソスに対してXWAはその点においても引けを取っておらず(細くて軽い)、バレルの仕様などはこちらの方が扱い易い部分もあり、質感は確かに中華製を思わせますがデザインは洗練されたものを感じます。

言い換えればいつもの様にコストパフォーマンスが高い、と言う結論になりますが、こんなコピーを出されたらテレビューも困ってしまうのではないでしょうか。

アイピースのスペックはこちら

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恋する小惑星(アステロイド) [天文>書籍・ソフトウェア]

かの「けいおん!」「ひだまりスケッチ」など数多くの人気作品を生み出した、まんがタイムきらら系列の天文/地学を題材とした所謂「萌え四コマ」マンガです。『まんがタイムきららキャラット』にて2017年3月号から連載されています。

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幼い頃に町のキャンプで出会った二人の主人公(『みら』と『あお』)が、いつか二人で新しい小惑星を発見する事を約束して別れ、高校で入ったそれまでの天文部と地質研究会が合併した「地学部」で再開、部活を通して夢に向かうと言った内容のお話です。

ただストーリー性はそこまで強くなく、やはりきらら作品らしいほのぼの、ドタバタした部活の日常がコミカルに描かれています。その一方でさり気なくポルタやAP赤道儀が出てきたり、星に詳しい主人公の一人が話す星ネタの端々からも作者の方がかなりの星好きである事を窺えます。地質学の結構詳しいネタも出てくるので、両方の分野に明るい作家さんなのかなと思いました。

天文の専門的な知識をマンガで分かり易く伝える、と言う趣旨のマンガではなく、あくまで部活のワイワイ、もしくは女子高生同士のキャッキャウフフ(←?)を描いた内容ですので、このマンガで特に専門知識が得られる訳ではありませんが、天文や地質学を上手く舞台に組み込んできらら四コマとして昇華させた作品だと思います。

ただ話の根底に、二人で小惑星を見つける夢があるので、この方向でストーリー性が強くなればよりドラマチックな展開も期待できそうです。

最近TVアニメ化が決まったとの事で、星好きとしては個人的にチェックしていきたい作品だと思いました。


笠井 AZ-3経緯台 [天文>機材>架台]

複数の鏡筒を所有していると同時に出して見たくなる事がありますが、以前は2つの架台を並べていたのですがやはり手間なので設置の手間が省ける2台の鏡筒を同架できる架台を探したところ、フリーストップのT型の経緯台などは2台同架できるものもありますが、個人的には必須となる手動微動が可能な架台となると極端に選択肢が減り、更に2台の鏡筒の視軸合わせも可能となるとこの経緯台位しか選択肢が無いかも知れません。

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この経緯台では2台の鏡筒の視軸調整を実現する為に一台(主鏡筒)は架台の横に、もう一台(副鏡筒)は架台の上に載せる形となっていますがこれにより、対空双眼鏡など横倒しに出来ない機材をL型プレートなどを介さずにそのまま搭載できるのが期せずしてメリットとなっていると思います。

造りや塗装など外観は荒々しく中華クオリティを感じさせますが、各部を動かすとノブやクランプが干渉しないようにとても上手く配置されていると感じます。肝心の手動微動の操作感も良好で当初は問題がありましたが(後述)、調整後は通常使用で不満に感じる部分は特にありません。

少し使い難いと感じたのは副鏡筒の視軸調整部分で、かなり固いグリスが使われているのか上下動の動きが固く、左右の動きも雑な感じで微調整が難しいので左右の鏡筒の視軸合わせが中々スムーズに行かないのですが、苦労してでも一度合わせて固定してしまえばそれ以降は触る事はあまり無くなるのでそれ程大きな問題とはならないと思います。

また購入後1、2回使用して微動にガタが発生し、ウォームネジも少し浮いていたのかクランプを締めても架頭がグラグラ動く不具合が発生したのですが、笠井さんに調整方法を教えてもらい、自力調整で問題をクリアできました。この調整方法は公開してもよいと笠井さんから許可を頂いたので以下にご紹介します。

まず微動ノブを行き来させると1/5回転程度ノブが空転する症状があったのですがこの対処は、

1)下の写真の緑色矢印部分の2箇所のイモネジを緩めて微動ノブを外します。

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2)微動シャフトの根元に付いている六角ナットを緩めます。
3)ナットが噛んでいる内側の筒状のネジを締め込みます。

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4)再び六角ナットを締め込んで元に戻します。
5)微動ノブを再度装着します。

※3番の筒状のネジはあまり強く締め込むと微動が固くなりますので、適当な強さで締め込んでください。

また次にクランプを締めても、架頭がグラグラ動く場合の対処(ウォームネジの噛み合わせ調整)は、

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1)上の写真の緑の矢印のネジを全て少し緩めます。
2)赤の矢印のネジを少し締め込みます(これがギアの間隔を調整するネジ)。
3)緑の矢印のネジを元のように締め込みます。

※2番のネジをあまり強く締め込むと微動が固くなりますので、適当な強さで締め込んでください。

この架台を運用しているとどうしてもバランスが手前側に寄るので微動(ウォーム)に負荷が掛かり易く、長期間使用するとガタが発生する事は避けられないかも知れませんが、こうして自力で調整が可能だとなれば安心して末永く使う事ができそうです。

架台の強度的には思いの外頑丈で、GP2などよりしっかりしている感じもあり、主鏡筒側はTSA-120ALTER-7を載せても余裕があり、10kg位まで載りそうな雰囲気です。副鏡筒側は視軸調整機構の上に載せる為、バランス的にもそれ程重い機材は載せられないと思われますが、それでも7kg近いAPM10cm対空双眼鏡を載せても問題ありませんので、架台全体としての積載重量は中々のものがあるかも知れません。またこの架台の三脚取り付け径はビクセン旧規格(φ60mm)となっており、現行のHAL三脚に取り付ける場合はアダプター(GP60→45AD)が必要となります。

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単に2台の望遠鏡を同架したいのであればGPX赤道儀マルチプレートを組み合わせる方法もあるのですが、このAZ-3は搭載重量の割にウェイトが軽く済むので全体重量もGPXを使うより軽く済み、モータードライブを使う必要が無ければこちらの方が手軽に扱えるので出番も多いです。

何より10cm対空双眼鏡やミニボーグBINOなどを望遠鏡と同架できるのはこの架台ならではの芸当で、対空双眼鏡と望遠鏡と言った得意な対象が大きく異なる機材の組み合わせが可能となり、これ一台で幅広い対象をカバーできるので個人的に重宝する架台となっています。


ビクセン マルチプレートDX+SLIK SMH-250(微動雲台) [天文>機材>アクセサリー]

サイドバイサイドでの比較観望をしたい場合にマルチプレートを使うと便利ではと思い付き、これまでVX250L以外を載せる用途が無かったGPX赤道儀を活躍させる良い機会とも感じたのでTSA-120FC-100DLが並べられる大きさのマルチプレートを物色し、比較的安価で大きさも手頃なこの定番マルチプレートをチョイス。

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左右の鏡筒で光軸を合わせる為に微動雲台が必要となりますが、当初KYOEIなどで売られている定番ガイドマウントを検討しましたが、以前商品説明で耐荷重が2~3kgと書かれていた記憶があり、FCを載せるには不十分と思えたのでより丈夫な微動雲台を探し、タカハシのAZ微動ステージが有力候補に上がりましたが、性能は良さそうでしたが価格が高く、より安く軽量でありながら耐荷重も公称6kgとFCを載せるにも耐えられそうなSLIKの今回雲台を試す事にしました。

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この微動雲台は台座がシーソーの様な構造でその両端がネジで支えられており、この左右のネジの高さで傾きを出す方法で、台座をシーソーの支点と両端の3箇所で支える構造なので250gと言う軽量ながら確かに見た目より耐荷重がありそうに感じました。

この微動雲台にアリミゾ金具を装着する上で支障となるのが、中央からカメラネジが飛び出ていてこれを外せる構造になっておらず、アリミゾ金具の中央にこれを回避する穴が開いている事が必要になります。

ここでビクセン純正のアリミゾ金具のプレートホルダーSXの旧タイプには中央にカメラネジ穴が開いており、現行品ではこれが無くなってしまっているのですが、この旧タイプが以前GPXのアリミゾを中華製のブロック締め付け式のアリミゾに交換した時に丁度余っていたのが幸いしこれを利用しました。今同様のタイプのアリミゾを探すとすればポルタのアリミゾが中央にネジ穴が開いており、この雲台に適合するかも知れません(ヤフオクなどでよく出品されています)。

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TSAとFCを同架した感じではマルチプレート、微動雲台共に特に強度的な不安は感じず、眼視においては普通に使えます。高倍率での視軸調整も特に支障はありません。

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やはりサイドバイサイドでの見比べには便利で、機材の比較検証が好きな自分的には役立つアイテムとなりそうです。