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防寒グッズ色々(マイナス20℃耐寒編) [天文>機材>その他]

自分は冬季厳寒地に在住している事もあり、今まで冬場は長時間の観望は殆どした事が無かったのですが、昨年から観望会に参加するようになって防寒装備の強化が急務となり、以前のハクキンカイロを皮切りに色々装備を固めてきましたが、去る2月9日に観望会が開催され、折りしも観測至上最強と謳われる寒気が襲来し、予想される最低気温はマイナス20℃以下で、これに耐えられる装備を目指して色々買い揃えましたので、その一部をご紹介します。

と言っても自分は防寒装備に特に造詣が深い訳でもなく(むしろアウトドア素人)、衣類にお金掛けるなら星見機材にお金掛けたい主義ですので、もっと良い装備も色々あるかと思いますが参考まで。

《ユニクロ ウルトラライトダウンベスト》
これは防寒グッズの自分的MVPと言っても差し支えない、中に着込む事ができるダウンで効果は絶大です。天体観望に限らず冬場の外出は常にこれを着用し、日中も氷点下になるような状況では家の中も肌寒いので、室内でもこれを着用して楽に過ごせるようになりました。ただ観望会で使うならベストより袖がある方が良いかも知れません。

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《KENT ダウンジャケット(3L)》
一番外に着るダウンジャケットは安物は買わないほうが良いと思いフンパツしました(2万円超)。肌触りの良さやダウンのフワフワ感の良さで選びましたが、特にこれと言った特徴はありません。

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《ユニクロ 超極暖ヒートテック》
ユニクロのヒートテックにはノーマル、極暖、超極暖と3段階のグレードが存在し、これを見た時に星見に使うなら超極暖以外ありえないっしょ!と即上下購入。更に以前から着ていたノーマルのヒートテックを重ね着していきました。

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《しまむら uramoco(ウラモコ)スウェットトレーナー》
裏地が全面総ボア仕様で吸湿発熱・保温素材を使用したトレーナーで、普通のトレーナーを2枚重ね着した位の(もしくはそれ以上の?)暖かさがあります。但し重さや厚みも普通に2枚分ありそうな感じですが、重ね着を多くすると動き辛くなるので、一枚で極力暖かくなる上着をと探しましたがピッタリのトレーナーでした。

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《しまむら 裏ボアネックウォーマー》
これも裏ボア仕様のネックウォーマーです。とても肌触りが良くて暖かいです。ネックウォーマーも冬場は必需品ですね。

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《コメリ フェイスカバー》
これは自分的にはウルトラライトダウンに次ぐ、効果のある防寒グッズでした。観望中マイナス15℃を超えてから顔の冷たさがかなり厳しくなってきましたが、これで顔を半分覆う事ができるので非常に助かりました。 この上には普通の毛糸の帽子、首には上記ネックウォーマーを被っていましたがこれで頭部は全体として寒くはありませんでした。メーカーはどこでも良いですがマイナス10℃を超える環境ではこの手の装備はあった方が良いかも知れません。但しアイピースを覗く時は口を覆ったままだと息が上に出て曇ってしまうのでその点だけ要注意(覗く時は口は隠さない)です。

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《コメリ 裏フリースパンツ》
裏フリース仕上げのある程度の防滴機能もありそうな防寒ズボンです。上記のヒートテック2枚重ねの上に部屋着のスウェットパンツを穿いて、その上にこのズボンを穿きましたが、下半身の防寒はこれで良いのではと思う程度に今回の観望会は耐えてくれた印象です。フェイスカバーもそうですが、コメリの様なホームセンターであればデザインより機能優先の防寒グッズが揃っているのではないかと探して、価格も安いのでお試し気分で買ってみましたが存外暖かく、良い買い物だったのではと思います。

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《桐灰 足元カイロ》
これもフェイスカバーと同様に重要アイテムでした。今回靴が防寒のものを用意できず、普通の冬靴を履いて行ったのですが、マイナス10℃を超えると足先の冷たさが辛くなり、それを耐えられるぎりぎりに食い止めてくれていたのがこのカイロでした。これをちゃんとした防寒靴と組み合わせれば快適に過ごせそうな気がします。ただもうちょっと熱量が欲しいと正直思いました。

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観望会当日は午前3時頃でマイナス18℃まで下がり、その後帰宅する際の道中の車の外気温計はマイナス26℃を記録しました。この環境下でのべ6時間以上は外に出ていましたが、全体としてマイナス15℃までなら上記の装備で耐えられる感じで、マイナス20℃ならちょっと厳しいかなと言う印象を持ちました。他の参加者の方でマイナス30℃でもへっちゃらで観望できる装備を身に付けている方と比べれば自分の防寒対策はまだまだと言ったところですが、自分的にはマイナス15℃が普通に過ごせれば合格点と思いましたので、改善点はまだありますが、今回装備はそれぞれ頑張ってくれたと思います。


ルネセイコウ リリィチェア CSP-320 [天文>機材>その他]

天文屋の椅子としては割と定番?の日本製、ルネセイコウの高さ調節可能の折り畳み椅子です。今まで使っていた天体観望チェアは無段階に座面の高さを変更可能で調整範囲も広く使い易かったのですが、今の車の荷室が狭く、他の荷物との兼ね合いで載せられないケースがありましたので同等の機能を持つ、一回り小さい椅子が欲しくなり、この椅子をチョイスしました。

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大きさを新旧比べるとかなりコンパクトになり、パイプも全体的に細いので安定性と強度の面で不安に感じましたが実際に座ってみてびっくり、想像以上に頑丈で、以前の椅子だと体を前に倒すと後ろ脚が上がってしまう事がよくあったのですが、こちらは極めて安定性が高く、体の重心を前後左右移動させてもグラつく事が殆ど無く、設計が良いのかとても上手く作られている椅子だと感じました。

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高さ調整で座面を毎回取り外す手間がある事と、調整範囲が以前より狭いのが気になりましたが、やはり畳んだ状態がとてもコンパクトで車の荷室を圧迫しないのが大きく、これであれば個人的にデメリットよりメリットが上回る感じで、今後の移動観測に気軽に持ち運びできそうで気に入りました。

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因みに国際光器で天体観測用椅子として販売しているプロワークチェア(恐らくPW-600S)はこの椅子の上位モデルで高さの調整範囲もリリィチェアより広く(リリィチェアが32cm~62cmに対し、30cm~83cm)、座面にはスウィング(前後左右に傾く)機能、足掛けも装備されており、自分の車に入るのであればこちらも魅力的でした。


オライオンUK VX250-L その2(C11と比較編) [天文>機材>望遠鏡]

ここ数年引っ張り出すのが小口径が多く、英オライオン25cmF6.3ニュートン(以下VX250L)の出番が少ないです。一番のネックはやはり大きさで、持ち運びを考えるだけで気が重くなります。そこで最近気になるのがセレストロンのC11、定期的に欲しくなり、ポチってしまいそうになったのも一度や二度ではありません。そこで例によって再びVX250Lの良い部分を見直してみる事にしました。

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まずC11の長所ですが、やはりシュミカセならではのコンパクトさ、機動性の高さで、VX250Lの長大さでは自分の小さい車では助手席倒して載せる必要がありますが、鏡筒長の長くないC11であれば後部座席に載せる事も可能で積み下ろしもかなり楽になる事が期待できます。

次にバックフォーカスの長さ。ニュートン反射で双眼装置を使うには一般的にバックフォーカスが足りないので、低倍率で観望したい場合はELS双眼装置の様な特殊な双眼装置を使う必要がありますが、C11であればMarkV双眼装置を等倍で使えるので、双眼装置を二つ持つ必要が無くなります(ELS双眼装置は現状VX250L専用となっています)。その分アイピースも減らせてお金にできるので一石二鳥です笑

そして改めて口径が3cm大きい点。VX250Lでも銀河などの見え味に関しては物足りないと感じる事も多く、少しでも口径を稼ぎたい想いも強いので、その点だけでも価値があります。

一方VX250Lの長所ですが、まずC11と比較して補正板が無いので温度順応が早く結露し難い(斜鏡は注意)部分は運用面での大きなメリットと言えるでしょう。

また以前はC11と比べて双眼装置で等倍観望が出来ない(双眼派にとっては)大きな弱点がありましたが、これはELS双眼装置のお陰である程度解消されています。ELS双眼装置は開口径の都合で余り実視界は稼げませんが、C11は焦点距離が相当長いですので、これにMarkV双眼装置を使っても得られる最大視野は両者似たようなものです。例としてC11でMarkV双眼装置にSP40mmの組み合わせで得られる倍率は70倍、実視界は0.63度、瞳径は4mm、一方VX250LでELS双眼装置にKe25mmの組み合わせでは倍率は64倍、実視界は0.7度、瞳径は3.9mmとなります。ほぼ一緒ですね。

また双眼装置を使わない場合、単眼で観望する条件であれば、2インチ広角アイピースを使えば焦点距離の短いVX250LはC11より格段に広い視界が得られるのは最大の光学的アドバンテージかも知れません。

一方高倍率性能に関しては、両者の光学系を比較して補正板、主鏡、副鏡と3つの光学エレメントの組み合わせで像を作るシュミカセに対して、パラボラ一枚の精度のみで像が決まるニュートンは軸上無収差で特に惑星観望においては強みを発揮し易く、このVX250LはF6.3と口径の割に長焦点で中央遮蔽率も20%とかなり小さく(C11は34%)、高精度ミラーを採用している点も加味すると惑星の見え味に関してはC11との3cmの口径差を跳ね返せるポテンシャルはあるのではと個人的に思うのですが、C11の惑星像も評判良いですのでどちらが見え味が上なのか正直判断が付きません。

個人的にはあらゆる天体の中で惑星を見るのが一番好きなので、惑星観望性能でVX250LがC11を上回れるならそれだけでも今後も使い続ける十分な理由となるのですが。これこそ比較してみたいですね。

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また集光力ではVX250Lが1275.5倍に対してC11は1600倍と約1.25倍上回りますが、先述したようにシュミカセは3つの光学エレメントで成り立っており、主副鏡の反射率だけで見てもスターブライトXLTミラー(最大反射率95%)よりも英オラニュートンのHilux増反射コート(最大反射率97%)の方が上回る上に、C11は補正板による光量損失(平均透過率83.5%)も加わりますのでトータルでの像の明るさ、淡い天体の検出能力においてもそれ程差が出ない可能性もあります。

こう書いてみるとVX250Lも悪くない気がしてきましたが、口径が3cm大きい、双眼装置を一本化可能、コンパクトで機動性が高い、これらの点でC11は非常に魅力的な鏡筒で、VX250Lも愛着ある鏡筒ですので、それぞれの長所短所をよく見極めた上で更なる検討を進めたいところです。