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WilliamOptics 31.7mm New90°正立プリズム(ヘリコイド機能付き) [天文>機材>ダイアゴナル]

接眼スリーブが回転ヘリコイドとなっている31.7mm径の90°正立プリズムで、通常のダイアゴナルとヘリコイドを直結するのに比べて光路長が大幅に短縮されるのが大きなメリットですが、この製品は元々は笠井などガイドファインダー用の正立接眼ユニットの鏡筒接続部分を31.7mm径バレルに変更する事で汎用のダイアゴナルとして扱えるように仕立て直したものと思われます。

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このガイドファインダーを流用したファインダーBINOを使っていてこのヘリコイド付きダイアゴナル部分は中々便利と感じていて、この部分に上手くバレルを取り付けて普通の正立プリズムとして使う方法はないものかと考えた事もありましたので、WOがそのまま製品化してくれたところを見るとやはりその様な需要はあったのではないかと推察するところです。

このダイアゴナルの開口径はそれ程大きくはなく、XW20NPL25mmがケラレないぎりぎりと言ったところで並べてみるとやはり両者で開口径は同じに見えます。

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ヘリコイドの可動距離は実測15mm程度で、アイピース固定ネジがやたら固いので気を付けないとアイピースの固定が不十分な場合があり(締め付けリングと脱落防止溝と重なる場合など)、注意が必要かも知れません。

中低倍率で使う分には像質に特に問題は感じず、手元でのピントの微調整にヘリコイドが入用で、消費光路長を抑えたい場合には役立つダイアゴナルと思います。



12mmクラシックアイピース対決 [天文>機材>アイピース]

ふとFC-100DLで木星を観望すると(MarkV4xバロー使用)かなり良いシーイングで300倍掛けても破綻していなかったので、急遽TMBモノセン笠井HC-Or笠井APブランドンの12mmアイピース4種(焦点距離900mm÷12mm×4倍バロー=300倍)で木星の模様をひたすら見比べました。折角のシーイングなのでTSAを出そうかと思いましたが、FCと同じ焦点距離でFCの方がより過剰倍率となるので、アイピースの限界性能を見るにはFCの方が良いかと思いそのまま続行。

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SEB、NEBの濃淡や輪郭、その間(EZ)の淡い縞模様の見え具合、大赤斑、及びその周辺の模様などで比べていましたが、今日の条件では、

・明るさ:TMB>HC-Or>AP>ブランドン
・解像度:ブランドン>=TMB>AP>=HC-Or
・コントラスト:ブランドン>AP>TMB=HC-Or

と言った印象で、今までこの4種ではTMBが総合力で頭一つ抜けている印象でしたが、今日の見比べではブランドンが一番見えていると感じ、当初自分の中ではそれなりの評価のブランドンでしたが、今回TMBクラスのアイピースだと認識を改める結果となりました。TMBはやはり第一印象が像が明るく、ブランドンはその逆で暗く感じますがその分コントラストが高く見え、両者とも非常に良く見えます(解像度が高い)が、味付けが好対照なのが面白いです。国産アイピースもじっくり見てるとちゃんと細かい模様も見えていると感じましたが、TMBからAPに変えたり、HC-Orからブランドンに変えた瞬間に細かい模様の見え方(見易さ)で差を感じる印象です。

ただシーイングは刻一刻と変わりますので、たまたま良いシーイングの時に覗いていたアイピースの評価が高くなる事もありえますので公平な評価となるように2時間以上とっかえひっかえ見続けましたが腰が悲鳴を上げて撤退しました;最後に少し倍率を下げてブランドン16mmで見た木星が一番きれいに見えた気がします笑

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笠井 ELS正立双眼装置 その2 [天文>機材>双眼装置]

個人的にELS双眼装置購入の本来の目的だったVX250L(英オライオン25cmF6.3ニュートン)での星雲星団観望を何度か実施できましたのでインプレします。

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双眼装置にはUF15mmを組み合わせ、これとイーソス17mmによる単眼との見え味を比べましたが、全体的な印象として何れの対象でも単眼と比較すれば双眼では像が暗く、解像度も下がります。例えばM3やM15辺りの球状星団では単眼だと中心まで分解して見えますが、双眼だと一見星雲状に見え、且つ暗いです。中心部の粒状感はかなり落ち、よく見れば双眼でもツブツブに見えてきますがキラキラ感は余り無くキメ細やかが劣ります。一方銀河は意外に健闘している印象で、単眼から切り替えてもそれ程イメージは変わらない印象もありますが、M51などでは単眼では銀河の渦巻き構造が淡くうっすら見えたのに対し、双眼では構造までは見えてこない感じで、少なからず差はあるかも知れません。一方M57、M27など惑星状星雲では単位面積当たりの光量があるせいか球状星団ほどの劣化は感じませんでした。散光星雲など広い面積体の天体も割と普通に見えますが、単眼と比べればやはりディテールの表現が落ちる事は否めません。

この像の劣化は双眼装置によって光路が二つに分断される事による光量の低下に主に起因していると思われますので、これが月惑星など光量が十分にある対象ではそれ程問題とはならないのに比べ、星雲銀河など乏しい光量の天体で無視できない問題となりますが、単純に大口径で光量を稼げれば恐らくこの弱点をカバーでき、その点では大口径ドブソニアンなどと組み合わせる事でその真価を発揮できるアイテムではないかと思います。主観では口径25cmではそこそこ楽しめる、と言った具合で、銀河の形状などを楽しむのであれば40cmクラスが欲しい気がします。

またELS双眼装置用の0.66xレデューサーによる見え味も確認しましたが、周辺像が優秀なUF15mmと組み合わせている事もあってかレデューサー使用による周辺像の崩れは殆ど認められませんでした。これは鏡筒がニュートンにしてはF6.3と長い事も関係しているのかも知れませんが、この見え味であればこのレデューサー使用をこの双眼装置使用の前提にしても良いように感じました。

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一方少し気になる点としては、目位置にシビアなのか両目で見ているのに片目で見ているような、左右で視野の明るさが同じでない(片方だけ視野がケラレてる)と感じる時がたまにあります。MarkVではこのような現象が起こらないので光路を縦に真っ二つにするこの双眼装置の独特な造りが関係しているのかも知れませんが、月などを見てるとしっくりこない場合があります。原因がよく分かりませんが、目幅をきっちりと合わせる、目位置をしっかりアイピース中央に持ってくると言った対策は最低限意識した方が良さそうです。

星雲星団観望において単眼と双眼装置による双眼ではそれなりに見え味に差はありますが、ただそれらは見比べて分かる違いでもあり、双眼装置によるある程度の像の劣化は仕方の無いものと割り切れば、双眼視による見易さもあるので大口径を活かした観望スタイルとしては大いにアリだと思います。ELS双眼装置自身にも見え方に多少癖はありますが、この製品単体でどんな望遠鏡も無改造で等倍双眼化できるメリットは何物にも変え難く、双眼にこだわる人にとっては強い味方となるアイテムとなる事でしょう。