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75mm口径拡張Hα太陽望遠鏡 [天文>機材>望遠鏡]

《CAUTION!!》
今回の試みは元々危険を伴う太陽観望を更に危険にするものであり、使用を誤れば人体(眼)に恒久的なダメージを与える可能性がありますので完全自己責任、非推奨の試みです。あくまで参考までにお読みください。


Xのフォロワーさんのgariさんがコロナドの60mmのSolarmaxエタロンを使用した口径150mmの太陽望遠鏡を構築されたチャレンジを知って、この手法を用いれば我が家の太陽望遠鏡の40mmのエタロンを使用してより大きな口径の太陽望遠鏡が作れるのでは?とこれまでHα太陽観望をしていてもう少し口径があればなあと常々感じながらも60mmのエタロンの値段を見てはため息をつく日々を送っていた自分にとってこれは正に福音、天啓とも呼べる出来事で、この試みを見た瞬間から居ても立ってもいられなくなり調査を開始、試行錯誤の末最終的に口径75mmに口径をアップした太陽望遠鏡を構築する事が出来ました。

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口径拡張の方法を紹介する前にまず市販の太陽望遠鏡の仕組みについて簡単に解説すると大きく二つに分かれ、一つはコロナドの太陽望遠鏡に多く採用される対物レンズ前にエタロンを置く構成、もう一つはラントの太陽望遠鏡に多く採用される対物レンズの後ろにエタロンを置く構成で、以下にそれぞれの方式の構成イメージと長所、短所を挙げてみました。

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《エタロン対物レンズ前設置式(Coronado Solarmax鏡筒など)》
◎長所
・エタロンの取り付け汎用性が高く、通常の望遠鏡を使用出来る。
・光学系がシンプルで、像の悪化を招き難い。
・広い良像範囲を原理的に得易い。
△短所
・エタロンの有効径で対物レンズ有効径(=解像度)が制限される。

《エタロン鏡筒内蔵式(LUNT鏡筒、Coronado PSTなど)》
◎長所
・エタロンより大きい対物レンズが使用出来る為解像度を上げ易い。
△短所
・内部構造が複雑でエタロンの流用は難しい。
・3群のレンズ構成となる為、光軸調整の難度が高い。
・良像範囲の点で原理的に不利?

前者の利点はエタロン取り付け汎用性の高さで、通常の望遠鏡に外付けする事で太陽望遠鏡として使う事が可能で(アダプター制作が必要になる場合がありますが)お好みの鏡筒一本で昼夜の使い分けが出来るので鏡筒を増やさずに済む、フィルターのみの保管が可能で収納面で融通が利くのが大きなメリットだと思います。後者の内蔵方式では複雑な光学系でエタロン単独を外したり他に流用する事は困難で、基本的にメーカー販売鏡筒を持つ事しか出来ません。

その一方後者の利点は何と言っても大口径を得易い事で、前者はエタロンの有効径で対物レンズ有効径が制限されますが後者は光路内にコリメーターレンズを用いた平行部を設ける事で内部にエタロンを設置する方式の為対物レンズ口径よりも小さなエタロンが使用が可能で、翻せば前者方式と同径のエタロンであればより大きな口径の対物レンズを使用する事が出来る=より高い解像度の太陽像を得る事が可能となります。ラントには口径15cmや23cm、30cmと言ったコロナドには無い超大口径太陽望遠鏡がラインナップされていますが、この方式ならではと言えるでしょう。

良像範囲についてはエタロンには極力平行な光線が入る事が目的の波長(Hα)を取り出すには望ましく、エタロン対物レンズ前設置式の場合は太陽光線は太陽の視直径0.5°の半分、±0.25°の(最小限の)角域でエタロンに入射しますがエタロン内蔵式の場合、発散系の(コリメーター)レンズがエタロン前に入る事でガリレオ式望遠鏡の様に機能して太陽像がエタロン入射前に拡大されてしまう為、光束の角域が広がる事でエタロンを通過した後のHα領域が狭くなる、つまり良像範囲が狭くなると言う事が原理的に言えます。(これはじろーさんとgariさんのアドバイスから自分なりに解釈した部分です。間違えていたらスミマセン)

ただ実際にはエタロンの径が大きくなればそれだけ全面で精度(平行度)を保つ難度も上がりますので良像範囲の点では不利な面とも言え、ラントの太陽望遠鏡がコロナドのそれより見えないと言う評判も特に聞きませんので、トータル(製品)としては両方式に大きな違いが無い(それ以外の要因にも大きく左右される)のが実情かも知れません。



これを踏まえた上で今回の試みを一言で表せば、

《本来対物レンズ前に設置するコロナドのエタロンをラントのように対物レンズ後ろに配置する事で対物を大口径化させる改造》

と言えるかと思います。

この改造で鍵となるのが内部にエタロンを配置する為の平行部をどうやって設けるか、コリメーター(凹)レンズ、リフォーカス(凸)レンズにはどのようなもの(レンズ構成、口径、焦点距離)を用いれば良いかの知識が必要となってきます。ここは自分には当初全くちんぷんかんぷんで見当も付かないところでしたが、この部分をgariさんに道筋を付けて頂けた事で一気に計画が具体的となり設計制作に取り掛かる事が出来ました。

知識の中途半端な自分が考えたところとしては、結局対物レンズで集光した光を平行に戻すのが目的ですので、対物レンズのF値とコリメーターレンズのF値を一致させるのが基本の設計と考えて(ここは多くの議論を呼ぶところでそこまで単純ではなさそうなのですが)これを念頭に対物レンズとコリメーター、リフォーカスレンズの選定を始めました。

まず対物レンズの口径と焦点距離ですが、BF5を流用したい考えから焦点距離は500mm前後と決めて、口径は8cmから10cm程度あれば望ましいと考えましたがエタロン有効径が40mmである事とF値をあまり小さくすると像が悪化しそうな直感が働いて無理はしない方が良いと判断、この条件に合いそうな市販の対物レンズを探した結果スコープタウンの口径80mm、焦点距離560mm(F7)のアクロマート対物レンズに白羽の矢を立てました。この製品は金属セル付きで日本製レンズ(久保田or大一光学?)使用ですので性能、品質面でも間違いがありません。

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またコリメーターレンズ、リフォーカスレンズに使用する平凹、平凸レンズですが、エタロンの有効径40mmよりレンズ径の大きいものでF7程度のものがないか探したところ(これがあまり無いのです)モノタロウでアズワンと言う会社で取り扱われている口径50mm、焦点距離が±300mmの平凹凸レンズを見つけ、これらを使用した場合エタロンの有効径で絞られて実質300÷40=F7.5となる事から、対物レンズの方も口径を80mmから75mmに絞る事で560÷75≒F7.47とほぼ一致する設計としました。

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尚コリメーターレンズの配置は口径75mmF7.5の対物レンズから入射した光束がΦ40mmとなる位置で対物レンズとの間隔は260mmとなっています。これらを踏まえた今回太陽望遠鏡の設計イメージが以下となります。

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また今回改造で太陽がよく見えるかどうか以上に最も気を使うべき安全対策についてですが、対物レンズ前にUV/IRカットフィルター(KANI 82mm径)を配置、またコリメーターレンズ前にR2フィルター(Marumi MC-R2 48mm径)を配置する設計としました。本当はバーダーのD-ERFなどのエネルギー遮断フィルターを用いるべきかと思いますが非常に高価で、これが必要なほど今回の拡張口径は大きくは無いのでは?と自己判断、ダブルスタックのエタロンを通すのでこれでひとまず様子を見ようと言う魂胆です。上記2つのフィルターを重ねるとD-ERFに近い透過領域にはなりますが、コーティングやフィルター厚に少なからず違いがあるようにも見えますのでこれは本当に自己責任です。



設計とレンズの調達が出来たところで次は鏡筒制作ですが、長さ40cmのプレート(青アリガタ)を2本使い、アリミゾ(赤)を介する事で伸縮式となるフレームを構築、これをベースに各レンズ、接眼部を搭載する作りとしています。伸縮式にしたのは収納面でのメリットもありますが、対物レンズとコリメーターレンズの間隔を微調整出来るようにしたい思惑があり、この構造もgariさんの方式を真似させて頂きました。

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対物レンズは光軸調整(センタリング+スケアリング)が可能となるようにガイドスコープ用の支持リングで対物セルを支持する造りとしました。またこの対物セルの前方からAmazonで見つけた86mm径レンズフード(八仙堂)の内側に植毛紙を貼り付けて逆向きにはめ込み、82mm→86mmステップアップリング、82mmメスメスの継手リングを介して82mm径のUV/IRカットフィルターが取り付けられるようにしています。

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コリメーターレンズは家に余っていたパーツを駆使して外径60mmの円筒形パーツに内蔵させて、このパーツの対物側にMC-R2フィルターを装着しています。尚今回望遠鏡にはファインダーは設けておらず、太陽の導入はこの部分の光の当たり具合を見て行っています。

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以前の太陽望遠鏡ではエタロンの鏡筒への取り付けはミニボーグ50の対物フード先端に直接ねじこむ方法が安全且つ扱い易かったので今回もその方式を踏襲、リフォーカスレンズはエタロンになるべく近づけるのが望ましいと思われたので、この対物フード(BORG【60207】)内に家に余っていた色々なリングを詰め込んで極力前方に内蔵させました。

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コリメーターレンズにリフォーカスレンズを内蔵した接眼部の外径をΦ60mmで統一し、MoreBlueのΦ60mm鏡筒バンドで後方フレーム上に取り付ける事でこれらの間で光軸がずれ難い構成としました。またこのままでは対物レンズとコリメーターレンズの間ががらんとしていて後ろから覗き込むと対物レンズからの入射光が直接目に入る危険性がある為、遮光の為のフードを設けています。ついでなのでこの部分にキャリーハンドルも付けました。

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リフォーカスレンズ以降のパーツ構成は、

・BORG ミニボーグ50用フード(BK)【60207】←この内部にリフォーカスレンズ
・BORG M57/60延長筒S【7602】
・BORG M57/60延長筒L【7604】
・BORG MMF-1【9857】

としていますが、これは観望はNikon双眼装置の使用を前提として、基本となるアイピースをTV PL32mmと決めた上で、拡大率2.4倍相当のバローレンズ(笠井BS2xエクステンダー)を使用して丁度良い倍率(42倍、射出瞳径1.8mm)とバックフォーカスが得られるように延長筒の長さを調節した結果となっています。



一通り構築は完了したものの実際に覗くまではこれでちゃんと見えるのか半信半疑でしたが覗いてみて驚愕、細いダークフィラメントが多数走っている様子、プラージュの入り組んだ構造、立体感を感じる太いダークフィラメントが毛羽立つ様子、プロミネンスのディテールに加え、太陽光球面外に千切れ飛んでいる様子など4cmでは到底見る事が叶わなかった詳細な太陽の表情を観望する事が出来て、これには感激しました。

この改造で良像範囲は4cmの時より狭くなっている可能性はありますが体感ではそれ程では無く(元々良像範囲は光球面の6~7割程度でそれ程広くはありません)何より見える模様の解像度、詳細の見え方が格段に違うので以前の構成に戻せるようにも当初は考えていましたが、今ではとても以前の太陽像を見る気にはなれません。

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大口径太陽望遠鏡の価格を鑑みれば、自分的には比較的少ない投資でこれだけの見え味向上が得られた今回改造は本当に画期的、革命的だと感じますが、知識が乏しいまま突っ走ってしまったので安全面を考えると手放しで喜んで良いものなのか、ブログで紹介して良いものなのか悩んだ部分もあり、自分の場合太陽望遠鏡で一度に長時間は観望する事は無く(一回でせいぜい20分程度で片付けます)観望中でも覗いていない時は鏡筒をさっと横に向けるように気を配っていて(このお陰か8年前に購入したBFにも殆ど劣化は見られません)仮に長時間太陽を導入、観望し続けた場合の人体、機材に及ぼす影響などは分かっていませんので、この様な改造を他人に積極的にお勧めする趣旨ではない事は改めてご承知おきください。

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APM MS25x100ED+双眼鏡並列同架用L字プレート構築 [天文>機材>双眼鏡]

APM20x80MSWXと同架しての観望は当初の想像以上に楽しめた事と架台の耐荷重にまだ余裕があると感じた事で一段口径をアップさせました。

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25x100双眼鏡であれば他に安価な製品も多く見受けられましたが20x80MSの性能、品質にはとても満足していたのでやはり同じAPM製品に狙いを定め、また直視双眼鏡は本来地上風景を見るのに適している事もあり、今回はフンパツしてEDモデルをチョイスしました。硝材はFK61とメーカーHPに書かれており、オハラS-FPL51相当品の様です。

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実物を触れてみて最初に感じたのは20x80(公称2500g)に比べるとかなり大きく重くなった部分で公称4080gとなっていますが、三脚アダプター装着状態では実測4.6kg程度ありました。重心もかなり対物側に寄っているので20x80は手持ち出来そうな手軽さがありましたがこちらは流石に三脚でなければ運用は難しいと感じます。一方製造品質面では20x80と変わりは無く、普通に満足できるものです。

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対物レンズの焦点距離は372mmと公称されており、F3.72の短焦点対物ですが、接眼レンズはCNで断面図が紹介されていて、これを見ると4群6枚(恐らく20x80も同じ)となっており、20x80も良像範囲が広いので予想はしていましたが、直視双眼鏡の接眼レンズとしてはかなり贅沢な設計がされていると感じます。

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また今回も接眼部には20x80と同様にフィルターワークが可能になるようにTS製M48メス-2インチスリーブアダプターを装着(流用)しています。但し前回の様にアダプターをそのまま接眼部に差し込もうとすると異常にきつく危険と判断、今回は接眼部周囲のグリップラバーは外してアダプターを装着(イモネジ3点で固定)させました。

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最初に覗いた時の第一印象は目位置にかなりシビアなのかすっきりと見えない、アイポイントからずれると像が悪化し易いと感じましたが、覗き慣れれば徐々に普通に見えるようになりました。見掛け視界は67.5度と広い一方で当初全視野が見渡し難いとも少し感じましたが、接眼レンズのゴム見口を上記アダプターに換装して、2インチのムーン&スカイグローフィルターを装着した状態では見え味に透明感が増して周辺も見渡し易くなった気がします。周辺像は20x80同様良好で良像範囲は9割程度あるのではと感じます。光軸は全く問題ありません。

この双眼鏡のスペック、口径100mmで25倍の倍率、実視界2.7度の視野はメシエ天体、特に散開星団観望にとても適していて、視直径1°程度の散開星団ととても相性が良く(散光星雲も良く見えますが)APM12cm対空では散開星団はやや星像が甘い印象に比べるとこちらは比較的シャープで、一方星像には文句の付けようが無いFL90S-BINOも裏像と言う弱点があり、またこの2つは大きさ的にベランダでは使用できない機材である事を考えると今回の25x100は我が家のベランダで観望可能な最大口径の双眼機材と言う点でも価値ある存在となっています。

この双眼鏡の弱点と言う点ではやはり直視双眼鏡での天体観望は首が痛くなる、姿勢が辛い、目位置を適切なアイポイントに持っていくのが難しいと言った点、また高度の高い天体の観望は難しく観望範囲が限定される点はデメリットかも知れませんが、アイピースの着脱が不要なこうした直視双眼鏡は架台を設置して本体を載せれば即観望可能となりますので、機材の設置撤収が格段に速い点は対空機材に勝ります。

また今回の双眼鏡の導入に伴い、これまで2台の双眼鏡を同架するL字プレートの縦のアリガタの上端面にアリミゾを設けて(特注加工)片方の双眼鏡を搭載する事で架台への負担を減らす工夫をしていましたが、この場合2台の接眼部で高さの差が生じる事で覗き比べる度に三脚のエレベーターの昇降が必要な部分が大きなストレスだったので、今回架台への負担を顧みず、2台の双眼鏡を横並びに搭載出来るようにプレートを新たに構築しました。この試みは大正解でWXとの見比べが格段にスムーズになり、導入時以外はエレベーターの操作が必要なくなったので劇的に観望が楽になって星見が本当に楽しい機材に生まれ変わった気がします。

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最初の見え味の印象はそれなりでしたが使い慣れていく内にどんどんお気に入り度が増して、以前のWXと20x80との組み合わせでは昨年ZTF彗星(C/2022 E3)をWXで導入、20x80で拡大像を観察すると言った楽しみ方が至福でしたので、今年期待(してはいけない?)の紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)をこの新しい組み合わせで眺めるのを楽しみにしています。

SVBONY SV208 直視8x50正立ファインダー [天文>機材>ファインダー]

WXの相方として手に入れたAPMの25x100双眼鏡でしたが、当然ですが単体で使用しても利用価値が高く、こちらの双眼鏡をメインに(手軽に)使いたい場合に直視で正立のファインダーと組み合わせられれば大きく使い勝手が上がると考えて手に入れたのがこのファインダーです。

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直視且つ正立のファインダーと言えば国際光器扱いのEF-508ファインダーが天文ファンの間では知られた存在と思いますが現時点(2023年12月時点)では販売停止中となっており、これ以外で探そうと調べたところSVBONYのこの製品位しか見当たらずほぼ選択の余地はありませんでした。

実物を手にしたところ各部の造りが良く安っぽさが無くしっかりしており光学系も綺麗で製造品質は高いと感じ、今回自分ははSVBONYの直販サイト(svbony.jp)から購入したので(支払いはPaypalを使用)中国からの発送で時間は掛かりますが、途中トラブルも無く結果からすればとても良い買い物が出来たと感じます。

使い勝手の面ではピント調整は対物レンズのネジの締め込み具合で調整しますが、ネジのピッチが細かく、どこでピントが合っているかの判断が少し難しいと感じましたが一度合わせれば頻繁に変えるものでもありませんので大きな問題ではありません。ただ近視側にピント調整の余裕が余りないように感じ強度の近視の方は合焦しないかも知れませんが、このファインダーの長所と感じたのはアイレリーフに余裕があり全視野が覗き易く眼鏡使用でも問題無く使えるだろうと思います。

またAmazonのこのファインダーの評判を見るとファインダー脚のアリガタが大きく、一部の(ビクセン純正など)ファインダーアリミゾに入らない、と言う苦情を目にしますが、これはこの製品に限らず中華製品にはよくある事で、アリガタアリミゾの寸法が厳密に規格として定められていない(多分)ので相性問題が生じるのは致し方ないところかと思います。

因みにその様なクレームを避ける為か中華製のファインダーアリミゾは幅に余裕のあるものが多く、自分も手持ちの中華ファインダーアリミゾにはこのファインダーは問題無く装着出来ました。また支持リングより下のファインダー脚の部分は取り外せますので、自分は重心を低くしたかった事もあり支持リングに直接汎用のファインダーアリガタを装着しています。

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性能面でこのファインダーを使ってみると視野が公称(実視界7.3°)より若干狭い?SkySafariと見比べた実測で7度弱程度と感じました。良像範囲は体感85%程度と予想以上に広く感じる一方正立プリズムを内蔵している関係か口径の割に微光星が暗く感じるような気もしましたがこれは自分的に性能を追求した55FLファインダーと見え味を比較しての印象で(55FLファインダー構築に費やした金額で今回のファインダーは10本以上余裕で買えます)市販のファインダーとしては十分及第点の性能と感じます。何より直視正立と言う条件では他に比較できるものがありませんので見え味だけで比較するのはナンセンスかも知れません。

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このファインダーには暗視野照明も付属しており電池(LR754)もちゃんと付属していました。レチクルパターンが十字スケールの中央が〇となっており星と重ならないのは個人的に好みです。当初の使用目的で普通に不満無く使える、良質なファインダーと感じました。

SVBONY SV208 8x50mm ファインダースコープ
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