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APM MS25x100ED+双眼鏡並列同架用L字プレート構築 [天文>機材>双眼鏡]

APM20x80MSWXと同架しての観望は当初の想像以上に楽しめた事と架台の耐荷重にまだ余裕があると感じた事で一段口径をアップさせました。

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25x100双眼鏡であれば他に安価な製品も多く見受けられましたが20x80MSの性能、品質にはとても満足していたのでやはり同じAPM製品に狙いを定め、また直視双眼鏡は本来地上風景を見るのに適している事もあり、今回はフンパツしてEDモデルをチョイスしました。硝材はFK61とメーカーHPに書かれており、オハラS-FPL51相当品の様です。

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実物を触れてみて最初に感じたのは20x80(公称2500g)に比べるとかなり大きく重くなった部分で公称4080gとなっていますが、三脚アダプター装着状態では実測4.6kg程度ありました。重心もかなり対物側に寄っているので20x80は手持ち出来そうな手軽さがありましたがこちらは流石に三脚でなければ運用は難しいと感じます。一方製造品質面では20x80と変わりは無く、普通に満足できるものです。

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対物レンズの焦点距離は372mmと公称されており、F3.72の短焦点対物ですが、接眼レンズはCNで断面図が紹介されていて、これを見ると4群6枚(恐らく20x80も同じ)となっており、20x80も良像範囲が広いので予想はしていましたが、直視双眼鏡の接眼レンズとしてはかなり贅沢な設計がされていると感じます。

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また今回も接眼部には20x80と同様にフィルターワークが可能になるようにTS製M48メス-2インチスリーブアダプターを装着(流用)しています。但し前回の様にアダプターをそのまま接眼部に差し込もうとすると異常にきつく危険と判断、今回は接眼部周囲のグリップラバーは外してアダプターを装着(イモネジ3点で固定)させました。

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最初に覗いた時の第一印象は目位置にかなりシビアなのかすっきりと見えない、アイポイントからずれると像が悪化し易いと感じましたが、覗き慣れれば徐々に普通に見えるようになりました。見掛け視界は67.5度と広い一方で当初全視野が見渡し難いとも少し感じましたが、接眼レンズのゴム見口を上記アダプターに換装して、2インチのムーン&スカイグローフィルターを装着した状態では見え味に透明感が増して周辺も見渡し易くなった気がします。周辺像は20x80同様良好で良像範囲は9割程度あるのではと感じます。光軸は全く問題ありません。

この双眼鏡のスペック、口径100mmで25倍の倍率、実視界2.7度の視野はメシエ天体、特に散開星団観望にとても適していて、視直径1°程度の散開星団ととても相性が良く(散光星雲も良く見えますが)APM12cm対空では散開星団はやや星像が甘い印象に比べるとこちらは比較的シャープで、一方星像には文句の付けようが無いFL90S-BINOも裏像と言う弱点があり、またこの2つは大きさ的にベランダでは使用できない機材である事を考えると今回の25x100は我が家のベランダで観望可能な最大口径の双眼機材と言う点でも価値ある存在となっています。

この双眼鏡の弱点と言う点ではやはり直視双眼鏡での天体観望は首が痛くなる、姿勢が辛い、目位置を適切なアイポイントに持っていくのが難しいと言った点、また高度の高い天体の観望は難しく観望範囲が限定される点はデメリットかも知れませんが、アイピースの着脱が不要なこうした直視双眼鏡は架台を設置して本体を載せれば即観望可能となりますので、機材の設置撤収が格段に速い点は対空機材に勝ります。

また今回の双眼鏡の導入に伴い、これまで2台の双眼鏡を同架するL字プレートの縦のアリガタの上端面にアリミゾを設けて(特注加工)片方の双眼鏡を搭載する事で架台への負担を減らす工夫をしていましたが、この場合2台の接眼部で高さの差が生じる事で覗き比べる度に三脚のエレベーターの昇降が必要な部分が大きなストレスだったので、今回架台への負担を顧みず、2台の双眼鏡を横並びに搭載出来るようにプレートを新たに構築しました。この試みは大正解でWXとの見比べが格段にスムーズになり、導入時以外はエレベーターの操作が必要なくなったので劇的に観望が楽になって星見が本当に楽しい機材に生まれ変わった気がします。

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最初の見え味の印象はそれなりでしたが使い慣れていく内にどんどんお気に入り度が増して、以前のWXと20x80との組み合わせでは昨年ZTF彗星(C/2022 E3)をWXで導入、20x80で拡大像を観察すると言った楽しみ方が至福でしたので、今年期待(してはいけない?)の紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)をこの新しい組み合わせで眺めるのを楽しみにしています。