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木星デジタルスケッチ2023/10/24+散乱(scatter)の考察 [天文>デジタルスケッチ]

今年は酷暑に加えてこちらでは6~9月の間は殆ど晴れ間が見られない日々が続き悶々としていましたが、9月終わり頃から徐々に晴れる事も増えてきてこの日は最上に近いシーイングに恵まれて久々のスケッチに挑みました。

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今年の木星の模様は割としっかりとした(太い)SEBとNEBがどーんと居座っている印象で、以前の木星スケッチと見比べるとSEBとNEBのそれぞれ太さや形状、色調や位置がかなり違う事が分かり、昔は木星は太い縞が2本見えればそれで満足だったのですが、今ではこの様な縞模様の詳細の変化を感じられるようになってより楽しめるようになり飽きる事が無く幸せを感じます(^^

機材面では最近タカハシの新進気鋭のクラシックアイピースTPL-12.5mmに昔は手に入るとは考えていなかったフランスの銘アイピース、念願のClave12mmが加わってより見比べも楽しめるようになりました。一方でBrandonのアイレンズにヒビが入ってしまったり、BBHS天頂ミラーに誤ってキズを付けてしまったりとショックな出来事もありましたが、昔は良好なコンディションを維持する事に神経を尖らせていましたが、最近では機材とは使えばそうなるものなんだと少し割り切れるようにもなって、実用上問題無ければ多少の瑕疵は気にせず使えるようにもなって自身の精神面での成長が感じられます笑

ところでCloudy Nightsでアイピース関連のスレッドを眺めているとアイピースの性能を語る際に"scatter"が多い少ないと言う文言を目にする事が多く、これを日本語では個人的に「散乱」と呼ぶ事にしますが(フレアやハロと呼んでも良いのかも知れませんが)、これが何を意味するのか自分なりに調べたところ、特に明るい惑星で顕著な本体周囲に広がる背景?光を指していると解釈しました。これに対してゴーストは天体の手前側に主に点対称で現れる迷光と解釈していて、これらの違いを下記にイメージしてみました。

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散乱の広がりが大きいと視野のバックグラウンドを明るくし天体のコントラストが相対的に下がりますが、この迷光はゴーストと違いゼロになる事は無く、レンズの質に影響される迷光と思われ、言い方を変えればアイピースのレンズの質を本体の見え味以外で評価出来る貴重な判断材料と言えるかも知れません。これまでこの光に着目する事は無かったのですが、最近この部分を注視して見比べたところ確かにアイピースによって多少の差があるように感じられましたので、今後のアイピースの評価材料の一つとして加えていければと考えています。

Hα太陽デジタルスケッチ2023/06/01 [天文>デジタルスケッチ]

兼々挑んでみたいと思っていた太陽望遠鏡でのHα太陽像を初めてスケッチしてみました。

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太陽像は惑星に比べると描画面積が広く、もし太陽活動が低迷している時期であればのっぺらとした赤い球の絵にしかならないところですがここ最近の活発な太陽活動とダブルスタックのお陰もあって、黒点、ダークフィラメント、プラージュ、プロミネンスに着目して模様を抽出、描き出す事で多少はHα太陽像の眼視イメージに近づけたかも知れません。

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但し太陽望遠鏡は視野内の模様の見え方が均一ではないので、太陽を視野の中で動かしながら一番模様が見えるポイントで上のスケッチのメモを取っていましたので細かい取りこぼしがあるかも知れませんが、これは太陽望遠鏡の特性上致し方ないところです。その点で最近低倍率を出せるアイピースが揃ってきた事でより俯瞰した観察が出来るようになった気がします。

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太陽望遠鏡は光学パーツが経年劣化する事が少なくないので長年に渡っては使えないかも知れず、素人には調整やメンテナンスが難しく超高精度の機材なので扱いにとても気を遣いますし、個体差が大きい故に見えは常に疑心暗鬼が付き纏い、観望中は苦行のように超暑く、何と言っても超絶高いなどつくづく罪深き沼機材だと思うところですが、熱心な愛好家の方の日々のご活動によりプロミネンスへの誘惑に狂わされた方々が後を絶たない様子を見て密かに喜んでいます笑

火星デジタルスケッチ2022/12/02+片持ちフォークSP赤道儀のプチ改良 [天文>デジタルスケッチ]

今回の火星接近は前回よりも仰角が上がり、自宅2階ベランダからでは屋根の上に位置してしまい満足に観望出来る機会が中々訪れない日々が続いていましたが、そうこうしている内に最接近(12月1日)を過ぎてしまい、これはもううかうかしていられないとこの日外に望遠鏡を出したところまずまずのシーイングでかろうじてスケッチを取る事が出来ました。

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最接近時の火星であれば輝度が高いですのでもう少し倍率を掛けられた気もしましたが、それでも北極冠(→すみません北極雲との事です)から垂れ下がるように見えるアキダリア平原、子午線湾、ペルシャの海、オーロラ湾と言ったこの辺りのメジャーな地形が確認出来ました。但し今回観望の前にステラナビゲーターで見える地形を事前に確認しており、これ無しでいきなり見ても地形の判別は難しかったかも知れません。逆に言えば予習をする事でそれ程大きいとは言えない今回の火星でも十分に見えを楽しむ事が出来、知識と経験でそれまで見えなかったものが見えてくる天体観望の醍醐味を味わえた気がします。

今回使用した機材の面では架台に片持ちフォークSP赤道儀を使用し、この架台は北側を見る事が出来ないベランダ限定の機材と考えて構築しましたが、黄道は南天を通っていますので惑星を自動追尾したい目的で使うのであればベランダに限らずに使用しても不都合は生じず、やはりバランスウェイトを使用せずに済むので総重量が軽く、それでいて赤道儀としての運用(自動追尾)が可能な部分が本当に便利で助かっています。

また今回プチ改良として片持ちフォークのオフセット量を(画像の青い)アリガタを挟む事で増やしてTSA-120使用時のバランスの崩れを低減させました。

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これまではTSA使用時は向きによってはバランスの崩れが大きく微動に負担が掛かっている感触がありましたが、今回改良で東から西までスムーズに動作するようになり、今後より気持ち良く使う事が出来そうです。

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木星デジタルスケッチ 2022/09/10 [天文>デジタルスケッチ]

この日はかなりシーイングが良く、これまでブランカ102EDPでスケッチを残した事がありませんでしたのでその良さが分かるように頑張ってみました。

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この日の木星はNEBが途中で途切れている様に見え、その西側に青黒い領域が見えたのが特徴的でした。今年の木星はNEBの北(スケッチでは下)の白い縞が太く、その中心に細くNTB?が走っているのが特徴的に思います。

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ブランカ102EDPはFPL-53使用ではありませんが、アポ屈折としては異例の長いFで高性能を目指すコンセプトが魅力的で、多種多様な望遠鏡に興味を惹かれる中で長焦点屈折に対しての憧れも抱いていた自分的にその期待に十分応えてくれる鏡筒でとても満足しています。

Nikonの顕微鏡流用の自作双眼装置も文句の無い働きをしてくれていて、他の鏡筒で使ってみてもMk-V双眼装置を使っていた時に見た最高の惑星像と比べても全く遜色の無い見え味で、光路長は少々長くなりましたが格段に軽くて扱い易くなり作って良かったと思いました。

今回スケッチで主に使用したアイピースは最近入手したLeitzのPeriplanGF20xと言う顕微鏡用接眼レンズで、やはり望遠鏡との相性が今一つなのか周辺像では色が顕著に出ますが中心像は抜群に良く、CZJのPK20xと特徴がよく似ています。他にも自作のHastingsや定番のHD-ORなどとも見比べながら観察していました。

惑星デジタルスケッチ 2022/07/03 [天文>デジタルスケッチ]

ようやく待望の惑星観望シーズンが到来、と言いたいところですが6月以降壊滅的に晴れない日々が続き、この日久々の晴れ間が見えた事で現在制作中のビクセンの6cmF15アクロマートのCustom-60Lを使った双眼望遠鏡で土星木星を観望したところ想像以上にシーイングが良く、スケッチしてみたのがこちらです。

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BINOとは言え長焦点アクロマートの見え味は予想以上で色収差は殆ど感じませんでした。上の土星はカッシーニと本体の縞がうっすら見えていた様子を表現してみました。

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木星も結構細かい模様が見えていて、太い2本の縞にフェストーンらしき青っぽい模様も見えていました。

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このBINOの特徴はダイアゴナルに笠井のペンタプリズムを使用している点で、いつも惑星スケッチは裏像で見たままのイメージで描いていましたが、今回は倒立像となっています。

土星木星は昨年よりも南中高度が上がり、土星は大丈夫ですが木星の高度がかなり高く、ベランダ観望が出来るのか心配していましたが今年は何とか大丈夫そうです。ただ今年接近中の火星は木星より更に高く、ぎりぎり屋根に掛からず見えるかどうかと言ったところで、庭先観望に切り替える必要が出てくるかも知れません。

惑星デジタルスケッチ 2021/12/09 [天文>デジタルスケッチ]

自分の惑星観望は木星土星火星がメインで、金星については夏場はベランダから見える位置に来ない点、冬場は見えても低空でシーイングの悪い時が多いのでこれまで積極的に狙う気分になれなかったのですが、日没直後であれば高度もまずまずで金星は明るさがあるので観望に耐えるだろうと久々に望遠鏡で狙ったところ予想以上に大きく見応えがあり、内惑星ならではの満ち欠けする様子を観察するのも存外面白いと感じ、タイミングがあれば狙う事も最近多くなってきました。

それでもやはり壊滅シーイングの場合が圧倒的に多く、中々美しい姿と言うのは拝めなかったのですがこの日は相当にシーイングが良く、ここまで立派な金星の姿を拝めたのは恐らく初めてで、これは記録に留めたいと急遽デジタルスケッチしてみたのがこちらです。

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実際はもっと大気の揺らぎが見えていましたが、それを脳内でキャンセルしたようなスケッチとなっています。

次に木星を狙ってみましたが高度が高く更に良好なシーイングでこちらもスケッチを敢行しました。

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視直径は大分小さくなってきたように感じましたが、それでも口径9cmながら見えている模様はTSAとそれ程差は無いのでは?と思わせる詳細を見る事が出来ました。

今回使用したアイピースはLOMOのФото K20xと言うアイピースで、ФотоはPhotoのロシア語である事から撮影用の顕微鏡用接眼レンズかと予想しています。

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しかし眼視で使ってみても全く普通に使え、と言うより無印のK20xと見え味に差異を感じず、即ち非常に惑星も良く見える接眼レンズです。外から眺める限りでは光学系は全く同一に見えない事も無く、これに関しては2種類持っていても仕方無いかなと思う程で、どちらかは手放す事になるかも知れません。

木星デジタルスケッチ 2021/09/25 [天文>デジタルスケッチ]

この日のシーイングはかなり極上で、大赤斑が見えている木星をスケッチしてみたいと兼ねてから思っていた事から急遽支度をして描いてみました。

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この日はシーイングが止まった時の像は壁に張り付いた絵の様に見えて、大赤斑の中の濃淡やNEB北側のポツポツとした暗斑、大赤斑東側のSEBが二重線に見える様子、大赤斑戸SEBの隙間などかなりの詳細が見えていました。因みに使用アイピースの「OM」は"Own Made"の略で自作アイピースを意味する造語です。

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ここ最近アイピースの性能ばかり気にかけていますが鏡筒、TSA-120の実力の高さを改めて認識した次第で、ここまでの像を提供してくれるこの鏡筒を大事に使おうと改めて感じた次第です。

惑星デジタルスケッチ2021/06/22+ブランカ150SEDの実力について [天文>デジタルスケッチ]

この日は久しぶりに晴れたのでフンパツしてブランカ150SEDTマウント経緯台でお手軽出動させたところ近年稀に見る好シーイングで、これはスケッチ取らないと勿体無いと思い急遽メモスケッチを準備して記憶が薄れない内にデジタルで仕上げました。

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この時の木星で印象的だったのはガリレオ衛星の小ささで、シーイングが良ければここまで締まって見えるんだと驚きました。NEBが単なる太い縞ではなく、その中央に一際濃い細い縞が通っているのを確認できたのも初めてだったかも知れません。

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土星もスケッチでは表すのが難しいですが、この時はとにかく立体感を感じました。細かく煌びやかな衛星がたくさん見えたのも印象的でしたがメモを取っておらず、上のスケッチでは衛星の位置はうろ覚えです。

これまでブランカ150SEDの実力、高倍率での惑星の見え味に関して、TSA-120と比べて『恐らく』上回っている、条件が良ければ『多分』上回る、と言った想像や仮定を含む評価でしたが、今回の観望で先日のTSAで見た木星も良い条件だった事もあり、はっきりと150SEDの方がTSAを上回ると断言出来る性能を持っている事が確認できました。

これまでTSAに比べると150SEDの見え味は若干眠さを感じており、解像度では150SEDが上回るがシャープネスではTSAが上回る?と言う印象だったのですが、この日の見え味ではシャープさでもTSAに遜色無い15cmアポとしてまず真っ当な性能が出ていると感じました。以前観望会でPENTAX 150EDで観た木星や土星が15cmアポの見え味としてこれまで目に焼き付いていましたが、この日の150SEDの見え味であればそれ程負けていなかったと思います。

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ようやくこの鏡筒が信頼のおける性能を持っている事を確認できたのは大きな収穫でしたが、この判断が下せるまでに購入から一年半を待たなければならなかった事を考えると大口径アポの実力を引き出す難しさも改めて感じた次第です。

木星デジタルスケッチ 2021/06/10 [天文>デジタルスケッチ]

今シーズンもようやく待望の木星土星の観望が出来るようになってきましたが、やはりこの時期はシーイングが悪く今一つの惑星像しか拝めていなかった中で、この日ようやく木星模様の詳細が見えるシーイングに恵まれたのでデジタルスケッチしてみました。

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昨年の火星のデジタルスケッチで試みた、一度紙に軽くメモスケッチを取ってからPCで本番を描く手法を木星にも取り入れて見ましたが、やはり情報量が多く描き応えがありました。

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やはり記憶のみで描くよりも正確な表現が出来たように思い、NEB内のモヤモヤした部分、少し青っぽいフェストーンなどがまずまず見た目に近い表現が出来たかなと思っています。

ところで今回使用したTSA-120は昨年誤って対物レンズ付近をベランダの手摺りに強打させてしまい、それ以降光軸に疑心暗鬼になってしまったので、これを解消する為にTOMITAさんに光学系メンテナンス+接眼部調整をお願いし、先日戻ってきてからの性能確認の目的もあって積極的に観望に出していたのですが、今回の観望、スケッチで全く問題なく調整、TSAの実力が十分に発揮されている事が確認出来て安心しました。

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メールでの対応もとても親切で光軸調整後の星像テストの結果も添付されていたり内容にも信頼が置けるものでした。メーカー以外にもこうした技術のあるメンテナンス業務を請け負ってくれる業者さんが居てくれる事はユーザーにとってはとても頼もしい事ですね。

火星デジタルスケッチ2020 その2 [天文>デジタルスケッチ]

2021年に入ってもう一度くらい火星のスケッチが取れないかなと思ったのですが、視直径が小さくなった事も去る事ながら火星の仰角がどんどん上がって行って、ベランダからの観望が不可能になってしまったので昨年12月の残りのスケッチ分をアップします。

以下が12/14にFL-90Sでスケッチした火星です。

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横長の黒い模様は太陽湖からシレーンの海に掛けてに相当します。この時の視直径は12.6"と既に次々回(2025年1月中旬)の最接近時の大きさ(14.6")を下回っているに関わらず、小口径でもシーイングがそこそこならまだ模様を楽しめる見え味だった事から、例え今回の様な大接近ではなくてもちゃんと楽しめそうな感触が得られたのが収穫でした。

以下は12/27にTSA-120でスケッチした火星です。

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これまでTSA-120を使って火星のスケッチを取った事が無かったので、一回はこの鏡筒で取りたいと機会を窺って思いようやく得られたものですが、300倍超を掛けて観望しましたがやはり大分小さくなった印象が強かったです。ただ小さいながらもヘラス平原の白っぽい部分や一瞬シーイングが良い時は大まかな模様の輪郭までは判別出来そうな見え味でしたので、高性能の鏡筒に良好なシーイングに恵まれれば、やはり小さい火星でも十分楽しめるように思いました。

またこの時は先日の木星土星大接近で実戦投入した片持ちフォークSP赤道儀改で自動追尾での観望が出来たので、久々に見掛け視界の狭いTMBモノセンやKpl20xを観望に使えました。今後はこの架台による自動追尾での観望の機会も増えると思われるので、火星観望は暫くお預けとなりますが、今シーズンの木星や土星の観望がこれまでよりじっくり行えそうで、デジタルスケッチも少しでもレベルアップ出来るように頑張りたいところです。

2020/12/21 木星-土星超大接近デジタルスケッチ [天文>デジタルスケッチ]

実は最接近の21日は観望が出来ず、じっくり観望してスケッチが取れたのはその前後の20日と22日となりました。

以下12月20日のスケッチです。この視野円の大きさ(実視界)は0.42度となっています。

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気合を入れて寒い中TSAを持ち出したもののシーイングが今一つで正直このスケッチほど惑星はシャープでは無く、実際はもっとユレユレでボケボケでしたが絵で表現するのが難しく、もしシーイングが良かったら、と言う想像も混じったスケッチとなったかも知れません。

このスケッチではガリレオ衛星が5つあるように見えますが、木星から一番遠い光点はHD191250と言うやぎ座の7.5等の恒星で、この世紀の超大接近にしれっとガリレオ衛星に成りすましていたのが面白かったですwこの日はこの恒星も含めて土星から木星までの星の並びで数字の「7」を思わせるアステリズムが形成されていたのも(但し鏡像で)楽しませてくれました。

以下は最接近の翌日、12月22日のスケッチです。この視野円の大きさ(実視界)は0.23度となっています。

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やはり一段と木星と土星が近くなり、約250倍でも余裕で同一視野に収まって見えました。この日はFL-90Sに口径を下げたものの低空の割にシーイングが良好で、20日にTSAで見たよりも詳細が良く見えました。ただ20日はタイタンがかすかに見えていましたが、この日は視認する事が出来ませんでした。

割と最近始めたデジタルスケッチですが、じっくり観望した上で記録としても残せるのは自分にとっては一石二鳥と言ったところで、今シーズンの木星、土星の観望の締め括りとしては一生の想い出として残る、最高の体験が出来たと満足しています。

火星デジタルスケッチ2020 [天文>デジタルスケッチ]

今年は火星観望をかなり楽しませてもらっています。火星の場合は木星や土星と違い、固定した地形が存在、視認できる事から模様を適当に描く事ができず、当初スケッチを取る事は考えていなかったのですが、今年の火星はベランダからも手軽に観望できる点でも滅多に無い好条件でしたので、このチャンスを逃すと暫くはスケッチを取れる様な機会は訪れないと思われた為、意を決して一旦紙にラフスケッチを取ってからPCで描く2段戦法を取る事で火星のデジタルスケッチに挑んでみました。

以下がブランカ150SEDで見た火星、

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流石は15cmアポと言った見え味で、10月6日の最接近を過ぎたばかりだった事もあり(視直径22.4秒)、オーロラ湾から延びるマリネリス渓谷が判別できるなど結構細かい模様まで見えていました。笠井のHPに書かれている「400倍を超える過剰倍率でも、余裕でシャープネスを保つハイレベルな結像性を示します」と言う150SEDの宣伝文句も誇大では無いと思いました。

以下は最近久々に引っ張り出したビクセンFL-90Sで見た火星、

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ブランカ150SEDには及びませんが、9cmでも思いの外良く見えました。ステラナビゲーターなどで火星の地形図を確認するとシレーンの海とキンメリア人の海の間は黒い模様が切れている表示になっているのですが、今シーズンの火星を見る限りはこの間は黒く繋がっていて横に長い模様を形成していました。

同じくFL-90Sによる火星、

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この時はこの数日前にマリネリス渓谷周辺から発生したダストストームが周囲に広がり始めたところで、ペルシャの海の上空付近に黄雲が漂っている様子を捉える事ができました。尚スケッチ画像に世界時(UT)と日本標準時(JST)の2つを記述している理由は、自分が火星の地形を確認する際に用いているステラナビゲータとWinJUPOSと言う2つのソフトの時間入力がそれぞれ日本標準時と世界時となっており、時差を暗算するのが面倒なので併記している次第です。

更にFL-90Sによる火星、

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これまで適当に望遠鏡を出していたのでかの有名な大シルチスを拝む機会が中々無かった事から、今回は時間を調べて観望に挑んで正面に捉える事ができました。この時はF9の屈折には明らかに過剰倍率となる6xバローを試しに付けて観望していましたが破綻はしておらず、単位面積当たりの光量が多い火星は倍率を掛け易いとは言え、口径の4倍を耐えるならやはりかなりビクセンFLも優秀な光学系ではないかと思いました。ただこれはアイピースのお陰もあり、国産アイピースよりもZeissのアイピースがやはり一段模様が細かく見えるので、今年の火星のスケッチは最終的にはこのアイピースに頼る事が多かったです。

今回の火星のスケッチでは一旦紙にラフをメモ書きしてからPCで描く方法がまずまず上手く行った気がしましたので、今後は木星や土星のスケッチにも応用していければと思っています。

天体デジタルスケッチのススメ [天文>デジタルスケッチ]

最近萌え絵や夕焼け絵を描く要領で手描きで惑星を見たイメージを再現する事を試みています。但し自分の場合スケッチとは言っても模様を正確に写し取る事はあまり考えておらず、この鏡筒でこの条件では眼視ではこの位見えると言った望遠鏡の性能を知る参考になる事を目的としたスケッチの為、詳細は雰囲気で仕上げています。ソフトはSAIとPhotshop Elements11を行ったり来たりして描いています。

以下は2019年にFC-100DLで見た土星のベストイメージを描いたものです。

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以下は小口径に過剰倍率を掛けたイメージを表現しようと思い、Zeissの5cmアクロ(C50/540)にバロー連結で300倍以上の倍率を掛けたものですが、対物レンズの性能が想像以上に優秀で口径の6倍以上の倍率にも関わらず思った程破綻しませんでした。

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この様なデジタルスケッチを描くきっかけとなったのはシーイングが劣悪の条件で惑星観望をしていた時期に、Twitterでフォロワーさんがアップされた惑星画像にシーイングが悪くてダメダメとコメントされていてもしっかり模様が写っており、自分が悪いシーイングで見る惑星のイメージとはかけ離れていた為、こっちの地域とフォロワーさんの地域では同じ「シーイングの悪い」でも相当な違いがあるのでは?こっちのシーイングの酷さを知って欲しいと考え、伝える方法としてこれを手描きする事を思い付き、出来たのがこちらです。

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もっと酷かった様にも思えますが(下手すると環が判別できない時もあった気がします)これで多少は気が晴れた一方、惑星の見え味を手描きで表現するのは面白いと感じ、風景絵を描くのに比べれば描画する領域が圧倒的に小さいので早い時間で書き上げる事が出来、最近ネットで見掛けるアマチュア天文家の方の惑星写真のレベルが非常に高いが故に、どう見ても眼視ではそこまでは見えないだろうと感じるものも多かった事から、眼視のイメージの忠実再現を目指したデジタルスケッチに挑んでみようと思い立った次第です。

以下、FC-100DLで見た木星、

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以下、ブランカ70EDTで見た木星、

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以下、ブランカ150SEDで見た天王星です。

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何れも「Mirror Image Sketch」となっているのは天頂ミラーを使っているので裏像で見ていますので、左右反転して正像とする事も簡単なのですが、眼視では天頂ミラーを使ってみる事が一般的ではないかと思いますので、自分が見たままのイメージを残そうと思いこの様になっています。

自分は写真が撮れないので観望の成果としてアピールするものがこれまでありませんでしたので、ようやくお絵描き趣味を真っ当に天文趣味に活用できて、またもし当該望遠鏡を覗いて惑星がどの様に見えるのか少しでも参考になれば嬉しい限りです。
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