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12x36IS+テレコン用自作太陽フィルター [天文>機材>フィルター]

防振双眼鏡12x36ISに1.6xテレコンを装着した事でお手軽に月を眺めるのに丁度良い倍率となった事で、それであれば太陽も丁度良く見えるはず考えて、テレコンを付ける以前はEuro EMCのSF-100-1太陽フィルターが適合していましたが、テレコンを付けた状態に合う市販のフィルターが見当たらなかった為、バーダーのアストロソーラーフィルターが1枚余っていた事もあってそちらを有効活用し、タミヤの1mm厚のプラ板と5mmの角棒で工作して枠を自作してみました。

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現物合わせでプラ板をカットし、コーナー部分を角棒で補強して、テレコンと接触する部分には植毛紙を貼る事でフリクションを確保、接着はプラモデル用の接着剤に透明テープを多用して形にしました。本当はテレコンの形状に沿った丸みを形成したかったのですが工作が苦手な自分には難度が高く、結果として見れば誰でも作れるようなシンプルな構造のフィルター枠となりましたがこれはこれで悪くないと思っています。

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また以前はSF-100(=バーダーアストロソーラー)フィルターだけでは太陽がやや眩しく感じた為にNDフィルターを間に挟んでいたので、今回も減光、UV/IRカット目的のフィルターを挟もうと考え、結果として以前格安購入したAstro LPRフィルター(31.7mm径)を周辺に植毛紙を巻いて径を大きくしたものを接眼側のゴム見口内にはめ込むというやや強引な手段で取り付けましたが塩梅は悪くなく、覗いた時の目の負担がアストロソーラー単体に比べて明らかに低減されて、太陽は青緑色になりますが色収差も軽減されているように感じられ、全体として機能的に必要十分ながら出費を抑える事が出来ました。

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見え味はやはり倍率が上がった事で黒点の詳細などがかなり見易くなり、じっくり観察すると光球面の周辺部や黒点周辺に白斑の存在が確認出来て、自分はこれまで白色光での太陽観望は精度の高い鏡筒でハーシャルプリズムでも使用しなければ黒点しか見るものが無いと思い込んでいましたので、この双眼鏡でそれ以外の模様が見える事が分かった事は思わぬ収穫で、Hαの太陽像との比較など白色光での太陽観望の楽しみが今後倍増しそうです。

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Kenko ASTRO LPRフィルター Type1 [天文>機材>フィルター]

twitterのフォロワーさんのあぷらなーとさんが世に広めたアクロマート鏡筒にデュアルナローバンド系のフィルターを組み合わせるとアポ並みにシャープな像が得られる撮影技法(参考記事はこちらこちら)を眼視にも適用出来ないかと以前観望仲間の方が所有されていたSE120にQBPフィルター(+バリアブルポラライジングフィルター)の組み合わせで月を見たところノーフィルターに比べて格段にシャープな像が得られる事が確認出来て、この場合色合いが大きく変わりますがその点に眼を瞑れば木星の表面模様などをよりシャープに観望する手法としては有用では無いかと考え、QBPを一種のプラネタリーフィルターとして使えるのではないかと興味を持っていました。

その後サイトロンから彗星向けと謳われたComet BP(CBP)フィルターが発売され、こちらはQBPの2つの帯域に比べより短い波長を通す3つ目の帯域を持っており、QBPより色表現はより自然に近いとの事から眼視にはこちらが向いているかも知れないとこちらも興味を持っていました。

その後新たな惑星観望用の鏡筒としてブランカ102EDPを入手しましたが、この時あぷらなーとさんからこの鏡筒がC線とF線が色消しとなっている古典的アクロマートに似通った設計となっており、デュアルナローバンド系フィルターとの相性が良さそうとの指摘を受けました。これは自分には全く思い付かなかったアイデアでしたがこれによりQBPやCBPの導入をより本気で考えるようになりました。

そんな折ツイッターを眺めているとシュミットさんからケンコーのこのフィルターが9割引近い価格でセールされているとの情報が入ってきて何気に特性を見ると何と一見CBPに似通った特性に見えて、これを102EDPと相性の良いプラネタリーフィルターとして使えないだろうかと急遽検討する事になりました。

そこでQBP、CBP、ASTRO LPR Type1(以下LPR T1と呼称)の透過特性グラフの横軸、波長(nm)のスケールを合わせてみました。

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LPR T1のグラフには代表的なスペクトル線の波長に相当する縦線を入れてみました。主なスペクトル線の波長は以下の通りです(HOYAのHPより抜粋)。

 波長(nm)スペクトル線光源 
 706.519 r線(赤色ヘリウム)He
 656.273 C線(赤色水素H
 589.294 D線(黄色ナトリウム)Na
 587.562 d線(黄色ヘリウム)He
 546.074 e線(緑色水銀)Hg
 486.133 F線(青色水素H
 435.834 g線(青色水銀)Hg
 404.656 h線(紫色水銀)Hg

この表を見ると古典的アクロマートが水素由来のC線とF線で色消しとなるように設計されていた理由が分かる気がします。QBPやCBP、LPR T1も光害の元になる水銀、ナトリウム由来の光源を概ね通さない特性になっている事から光害カットフィルターとしても機能する事が分かります。

3つのフィルターの特性の違いを見るとQBPはバンドパスの帯域が他の2つより狭く、より星雲の光に特化した設計で、CBPはプラス彗星の輝線(CN, C2, C3)を通す設計となっています。これに対しLPR T1は概ねCBPとバンドパス領域が近いですが、短波長側のバンドパスはやや長波長寄りでバンドパス幅も透過率も幾分低い設計となっています。これはQBPやCBPが基本撮影向けの設計なのに対し、LPR T1はより眼視用に振った特性と言えるかも知れません。

LPR T1はQBPやCBPに比べると最大透過率が若干低いですが、フィルターの特性としては近い効果が得られる事が期待出来、何と言っても価格が爆安であった事から衝動買いしてしまったのでした。

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入手後早速ブランカ102EDPにこのフィルターを付けて木星を見たところ全体の色調は先述のSE120+QBPで見た時とほぼ同じ(青緑色)で、3つ目のバンドパス領域が増える事による色調の変化は殆ど感じられませんでした。表面模様の見え具合に関してはNEBやSEBなどの模様のコントラストが明らかに向上しており、これはこのフィルターの黄色(d線)を通さず赤色(C線)を通す特性によるものと推測され、もし大赤斑が出ていればこれを見易くする効果も期待できます。

次に半月に向けてみたところフィルターを付けた状態では月のクレーターのエッジや高低差が低い部分の細やかな凹凸がよりはっきり見える気がします。ノーフィルターに比べて見えないものが見えてくる感じでもありませんが微細な構造が一見見易く感じ、これはシャープネスが向上していると言っても差し支え無いのではと言う印象で、これはこの鏡筒の球面収差図から読み取れる、C線とF線が色消しになっている反面d線がやや離れている特性とこのフィルターの相性の良さが出ている様にも思えます。尚このフィルターはg線を幾分通す設計ですが、眼視においては良くも悪くも見え味に影響していない様に感じました。

またこのフィルターの特性であれば月惑星だけではなくDSO観望におけるネビュラーフィルターとしても機能するのではないかと予測しましたが、光害地(SQM値18.7位)の空でM42を眺めてみたところノーフィルターより明らかに星雲の広がりが視認し易く、比較用によりバンドパスの狭いAstronomikのUHCとも見比べたところこちらはより星雲がもわっと広がって見えてやはりこれはこれで効果が高いと思いましたが恒星が暗くなるのに比べるとLPR T1はノーフィルターとUHCの中間的な描写で恒星の明るさと星雲の明るさのバランスが良く、ネビュラーフィルターとしての効果も十分に感じられました。

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古典的アクロマートがC線とF線の色消しを狙った設計が多いと言われるのはC線とF線に星由来の光を多く含むからと仮定して、この2線以外をカットするデュアルバンドフィルターとの組み合わせるこのアイデアは効率的に星の光を抜き出し、そしてそれらを合成してもピントがズレていないと言う効果が相俟って、アクロマート(もしくは同様の設計の廉価なアポクロマート)屈折からシャープな星像を最大限に引き出すテクニックとして、撮影は元より眼視においても有用な使用方法と言えるかも知れません。

この様な効果を狙ってデュアルバンドフィルターを選ぶ時、中でもバンドパス幅の狭いIDASのNB1、これよりはやや広いQBPも効果が高いと思われますが、眼視においてはOIIIよりUHCが見え味のバランスの良さで好まれるシーンもある様に、よりバンドパス幅の広いCBPや今回のフィルターも決して悪くは無い選択だと思います。重ねて注意点として眼視では色調が大きくシフトしますが(月も木星も青緑色になります)条件がハマれば高い効果が見込めるフィルターだと思います。因みに日本製です。

Kenko PRO ND16 (W)(減光フィルター) [天文>機材>フィルター]

防振双眼鏡12x36ISEuroEMCの太陽フィルター(フィルムはバーダーアストロソーラー)を取り付けて観望した時、数分眺めていると目に残像が残り、少し光が強すぎると感じた為、更に減光させる手段を検討する事にしました。

太陽フィルターの取り付け方法を改めて観察して、太陽フィルターと対物フードの間に光学フィルターを単に挟み込めば簡単に取り付きそうだったので当減光フィルターを取り寄せて見ました。

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フィルター径は49mmにしましたが、12x36ISのフード径とのマッチングは上々です。

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これにより太陽を見ての明るさは丁度良く減光され、多少長く観望しても目に残像が残る事はほぼ無くなりました。とは言え相手が太陽ですのであまり長時間観続けるのはオススメできません。

実は同社のND8減光フィルターとも見比べたのですが眼視で見比べた感じでは今回のND16と減光具合はそれ程変わりがありませんでした。それでも若干は暗いのでより目に優しいND16の方を採用しこれで逆に暗すぎる事もありません。

これらフィルターは写真用で眼視用に使うものではありませんが、この前段に単体で安全性が保証されているバーダーアストロソーラーフィルターが遮っていますので使い方としては何ら問題ないだろう、と思っています。当然ですがNDフィルターだけで太陽を見てはいけません。

NDフィルター使わないと改めてバーダーアストロソーラーだけではかなり眩しく感じ、アストロソーラーも当然眼視用ですが、これだけで本当に大丈夫なのかな?と少し疑問に思わなくもありません。


Euro EMC SF-100ソーラーフィルター(SF-100-1) [天文>機材>フィルター]

Hα太陽観望をするようになって、事前に軽く太陽面の状態をチェックするのに双眼鏡に太陽フィルターを付けられないだろうかと考え、防振双眼鏡の12x36ISでもし観られれば倍率的にも申し分無いなーと取り付け方法を模索して行き着いたのが以前購入したSF-100フィルターの最小サイズ(SF-100-1)で、双眼鏡用に『切り欠き』が入っている仕様ながらも12x36ISの対物フードの間隔がそれ程無いので上手く取り付くのか不安に思いましたが、笠井に事前に問い合わせして大丈夫そうとの事で取り寄せてみました。

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装着したところぎりぎりぴったりで、これが使えるだけでも10x30ISから12x36ISに買い替えた価値はあったと思いました。フィルター有効径も44mmと双眼鏡の口径との相性もバッチリです。見えは信頼と実績のアストロソーラーフィルターなので申し分無く、期待通りのお気楽太陽観望が可能となりました。キヤノンの他の防振双眼鏡では対物フードの形状から言ってこのフィルターの装着は無理(深さが無い)と思われますので、12x36ISのみに許された特権と言えるかも知れませんw

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その後このフィルターだけでは太陽像が明るく感じた為、NDフィルターを挟み込む事で事態を解消しました。
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Baader AstroSolarフィルター(for ミニボーグ60ED) [天文>機材>フィルター]

以前ミニボーグ45ED用にφ52mmフィルター枠を使った太陽フィルターを作りましたがまだアストロソーラーフィルターに余りがあり、ミニボーグ60EDのフード先端にはφ62mmのフィルターネジが切ってあるので適当な中古フィルターをオクで落として同様に作ってみました(写真上がミニボーグ60ED用、下が45ED用)。

しかし使ってみてこれらのフィルターに大きな問題がある事に気づきました。

アストロソーラー部分に指紋をうっかり付けてしまった時にレンズクリーナーで拭き取ろうとしたのですが、クリーニングペーパーを軽く押しつけた時に枠から簡単に外れそうになり、ガラス押さえのリングだけではアストロソーラー部分のフィルター枠への保持力が予想以上に弱い事が判明。

自分一人で使う分には問題ありませんが、もし観望会などでこのようなフィルターを用いた場合、子供がアストロソーラー部分を指で突っついたりすれば簡単に外れ、事故が起こる危険性があります。接着剤で補強するか、マニアの個人使用に限定すべきと感じました。

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Euro EMC SF-100ソーラーフィルター(SF-100-5) [天文>機材>フィルター]

ミニボーグ45EDでバーダーアストロソーラーフィルターを通して観た太陽が上々だったので、より大きな口径でも観たくなり、FL-90FC-100DLに取り付けるフィルター枠の自作を考えた時にふと見つけたこのフィルター。枠が金属製なので耐久性もあり、フィルター本体のしわも少なく張れる構造で、鏡筒への取り付けサイズも調整可能で、フィルター本体のみの調達、交換が容易など、末永く使える太陽フィルターとして、バーダーアストロソーラーフィルターを張る枠として実用性は高いです。

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その後日食観望でも使用しました。
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Baader AstroSolarフィルター(for ミニボーグ45ED) [天文>機材>フィルター]

太陽フィルターは以前Thousand OaksのガラスメッキフィルターをALTER-7用に持っていたのですが、大きいので出番が無くて手放し、よりお手軽に太陽観望を楽しむ為に、ミニボーグ45ED-BINOの先端がφ52mmフィルターネジになっているので、適当な安い中古フィルターをオクで落としてガラスを外し、代わりにこのアストロソーラーフィルターを張ってみました。アストロソーラーはしわが出来るのがどうにも気になっていましたが、謳い文句通り実際の観望では影響ありません。色合いもThousand Oaksのオレンジ色に対して、こちらは白色なのでより自然な感じです。

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ミニボーグ45ED-BINOで使うのに当初φ48mm(2インチ)フィルターにステップアップリングを使う事を考えていましたが、よく考えるとレンズキャップが嵌らないので急遽こちらに計画変更しました。見え味に関してはシャープネスなどフィルターの影響は皆無に等しく、宣伝文句に偽り無しの良く出来たフィルターです。

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Lumicon フィルターセレクター2インチ [天文>機材>フィルター]

フィルターは対象の見え方を変えてくれる面白いアイテムですが、フィルターをアイピースのバレルに付け替えすると時間が掛かって交換前のイメージを忘れてしまい、どの程度の効果があるか分かり難い場合がある為、効果をより明確に認識できる点でフィルターセレクターは有用です。問題はバックフォーカスをかなり消費する事でニュートン反射や屈折で使うには一工夫必要かも知れません。それでもこのLumicon製は光路長が6cm強(スリーブを除いた本体部分で約1.5cm)と他社製に比べると短い方だと思います。

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このフィルターセレクターはバレル長が1cm強と何故か短いので2インチバレル延長筒を付けて使っています。またスリーブ側も取り外し可能で外すとシュミカセネジになっており、純正のスリーブは真鍮リング締め付け式でなかったので社外製の2インチスリーブを付けています。スリーブとバレルを外すととてもコンパクトなのが隠れた利点です。

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取り付けるフィルターのネジピッチによっては取り付かない事もありますが、とりあえず手持ちのAstronomikのフィルターは問題なく使えています。
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Astronomik OIII、UHCフィルター2インチ [天文>機材>フィルター]

OIIIは噂通りM57やM27辺りに使うと効果てきめんで、星雲そのものの明るさはさして変わらないのに、それ以外のバックグラウンドの部分が一気に暗くなる見え方が、望遠鏡を条件の良い場所に持ち出したかのような不思議な印象を与えてくれます。これは光害が強い場所ほど効果が実感し易いかも知れません。個人的にはUHCより大きく見え方の変わるOIIIが好みで、もう一つバンド幅が狭く大きく見え方が変わると思われるHβにも興味が惹かれるところです。

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