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オライオンUK 250mmニュートンF6.3(高精度ミラー仕様) [天文>機材>望遠鏡]

GP-X赤道儀に載る最大口径の望遠鏡を求めて紆余曲折して行き着いたのがこのオライオンUK(通称英オライオン)25cmニュートンでした。口径25cmのニュートンにしては他に類を見ない軽さで、その中で口径比F6.3モデルを選んだのは最低倍率用アイピースにXW40を使う都合に合わせたのが大きいですが、短焦点に比べて周辺像の収差が少ない事、中央遮蔽が小さく高倍率性能も高い事など、Fの長さは七難隠すの格言がありますが、個人的にニュートンは調整が面倒な苦手イメージが強かった為、光軸調整が短焦点に比べて比較的楽そうと言う理由が一番大きかったかも知れません。代償としてはその大きさ、気軽に運用できる大きさではないですが、大口径望遠鏡が後ろに控えている事で小口径鏡筒を使っていてもいざと言う時の安心感(←?)があるような気がします笑

英オライオンはミラーの品質に定評があり、干渉計測定表付きの高精度ミラーを選択できる事もこの鏡筒を選んだ大きな理由の一つです。望遠鏡の個体差や当たり外れというものにかなり気にする自分的には安心できるサービスで、国産メーカーにも見習って欲しいところです。因みに自分の鏡筒は波面誤差PV≒1/8.547λ(面精度PV≒1/17.094λ)、RMS=1/52.632λ、ストレールレシオは98.6%と優秀な値を示しています。

実際の見えに関しては惑星などは素晴らしく良く見えます。条件の良い時に見た木星土星はこれが追い求めていた惑星像だと感激したものです。その後TSA-120を手に入れ、これも非常に良く見える鏡筒ですが、一番良く見えた時で比べれば英オライオンの方が一ランク上の惑星像でした。(口径を考えたら当然ですが)低倍率も勿論よく見えます。

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英オライオン鏡筒の弱点は接眼部と昔から言われてきましたが、買った当初は特に不満無く使えておりむしろ合焦タッチは素晴らしく、造りはやや粗いながらもデュアルスピードフォーカサーは不要と思わせる出来でしたが、双眼装置にMarkVを使うようになって問題が発生し、双眼装置を接眼部に付けて手を離すと光軸が狂い、ドロチューブを支えるベアリングが重みで弾け飛んだりした為、やむなくMoonLite製のデュアルスピードフォーカサーに換装する事になりましたが、流石フォーカサーの専門メーカーだけあってこれはこれで素晴らしいフォーカサーだと感心しました。ただMarkV双眼装置を使い、このフォーカサーに変えてから純正の2.6xバローでも合焦しなくなってしまい、4x相当のハイペリオンズームバローを使う事になった為、双眼装置は惑星高倍率用となり、星雲星団を観る事がほぼ出来なくなってしまったのが残念です。

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運用してみて光軸は割と狂い易い印象で、毎回レーザーコリメーターで簡易調整しながら使っていて、ニュートン反射が面倒くさいイメージは払拭されていませんが、構造を把握すれば全ての調整を自力で気の済むまで出来る意味で納得して使える良さはあると感じています。

その後C11への買い替えの欲求が度々生じましたが、この鏡筒の良さを見直す事で思い留まりました。
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