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ビクセン SG-L01(天体観測用ライト) [天文>機材>その他]

これまで天体観望用のヘッドライトにはPETZL タクティカプラス(E49P)を愛用してきましたが、ブラスチック部品が割れて接着剤で直したり再び壊れたりなどかなりくたびれてきたので、天体観測用と銘打たれたビクセンのこのライトに買い替えてみました。

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パッケージを開封した時の第一印象はプラスチック部品の質感が安っぽく、これでこのお値段はいささか高くないです?と一瞬思ったのですが、少し使ってみて評価はがらりと変わりました。正に天体観測用のヘッドライトとしてとても良く出来ていると思います。ここでタクティカプラスとの違いを列記してみます。

《明るさ》
まずはこの製品の大きな売りとなっているライトの明るさ(暗さ)、やはりタクティカプラスと比べてみても最小光量はこちらが一段暗く、またライトの点灯が最小光量から始まるのが何より便利で、タクティカプラスが最大光量から始まり、最小光量にする為にスイッチを数回押して切り替える手間が必要だった事を考えると、暗順応した目をなるべく刺激したくない天体観測者の要望に応えた設計だと思いました。

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《光量の変更》
光量の変更はタクティカプラスは大→中→小→点滅と段階的にスイッチで切り替えていたのに対し、SG-L01は点灯状態からスイッチを押し続ける事で連続的に光量が変化し、光量が最大に達すると点滅してそこが上限だと知らせてくれます(上限を超えると暗くなって行き、最小光量になるとここでもお知らせで点滅します)。素早く明るさを変えられるのは前者ですが、好みの明るさに調整出来るのは後者のメリットだと思います。

《ライト色の切り替え》
赤ライトと白ライトの切り替えは、タクティカプラスは白色LEDの前に赤い透明プラスチックのシャッターを下ろす事で実現しているのに対し、SG-L01は赤ライト点灯時に素早く(2秒以内)再度スイッチを押す事で白ライトに切り替わります。逆に言えば白ライトでいきなり点灯させる事が出来ないのですが、後継製品のSG-L02では初期点灯色も自由に選べるそうです。

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《白ライトの照らし方》
白ライトで両者を比べると、タクティカプラスは真っ白なLED光に対して、SG-L01は電球色LEDとなっており、光り方もタクティカプラスは光が中央に集中して一部を明るく鋭く照らすのに対し、SG-L01は光の広がりが緩やかで広い範囲を均等に柔らかく照らす違いがあります。パーツの調整など手先の細かい作業をするには前者が向いており、機材の撤収や物を探す作業などでは後者が向いているように感じました。

また電球色は物体の色味が変わって見えますので、機材の色の確認が必要な作業には後者は不向きかも知れませんが、やはり電球色は目を刺激しないので天体観望中の使用には概ね適していると言えます。

《電池交換》
電池の交換はタクティカプラスは単四電池3本に対し、SG-L01は単三電池1本で済み、電池ホルダーの開け閉めの構造もSG-L01がシンプルで扱い易いです。

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どちらのヘッドライトも一長一短があり、両者の機能の違いをよく見極めた上でどちらのタイプが自分に向いているか判断する必要がありますが、やはりSG-L01のウリであるライトの暗さが他のライトには無い特徴であり、天体観測用として一歩抜きん出た存在のように思えます。

またビクセンからはSG-L01の後継の製品としてSG-L02が現在販売されています。大きな違いは電源で、L01は電池駆動ですが、L02はUSB充電式の内蔵バッテリー駆動で、個人的には充電式乾電池のエネループが好きだった事がありこれが使える前者を選びましたが、その様な拘りが無い方はL02の方が軽くて良いかも知れません。