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Long Perng Plossl/Sterling Plossl 12.5mm [天文>機材>アイピース]

台湾Long Perng社のプローセルですが海外ではSterling Plosslの名称で広まっており、こちらでもSterlingPLもしくはスターリングプローセルと呼称します。

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このアイピースの特徴は基本設計はプローセルでありながら55度と言う広い見掛け視界を実現しており、国内ではスタークラウドがHCW(ハイクオリティワイド)プローセルの名称で販売し、40層のマルチコーティングが施され、98%の透過率を持つとされ、Long Perngが製造しているだけあってビルド品質も非常に高く、安価な中華プローセルが市場に多く出回る昨今、現代の技術で本気で改良を目指した中華プローセルと言えるのかも知れません。(安価な中華プローセルの実力は決して侮れませんが)それでいてやはりリーズナブルでしたので海外でも評価の高いアイピースです。

実物を見るとアイレンズ、視野レンズ共に凹レンズの使用が認められ、テレビューのPLよりは曲率が大きく、北軽のRPLよりは恐らく少ない、見掛け視界やアイレリーフなどのスペック的にも両者の中間的な存在と言えるかも知れません。

双眼装置を使って惑星を見た印象ですが、普通に良く見える、と言ったところで逆に言えば手持ちの数多の12mmアイピースの中では、中心像に関しては特筆する程の特徴は見出せなかったのが正直なところです。勿論見掛け視界の広さはこのアイピースならではですが、木星を見ると視野周辺8割位から形状が楕円に変形するので歪曲がそこそこあるのかなと言う印象です。また恐らくこの広角の代償として他の12mmクラシックアイピースと比べるとアイレリーフが短く、人によっては多少の覗き難さを感じるかも知れません。

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ただ2群4枚の少ないレンズ構成で徹底したマルチコートが施されている事もあって、コントラストやヌケは良いように感じます。この辺りは限界的に暗い2重星の検出などで有利に働くかも知れません。また室内環境でチェックする限りは周辺の歪曲は多少ありますが像面湾曲は少なく、周辺まで星を点に見せる性能は他のアイピースより高いように思えます。よって惑星よりもDSO向けのアイピースと言える知れませんが、この広い見掛け視界を活かした月面観望などでも威力を発揮してくれる、ある意味オールマイティに使える良質なアイピースと思いました。