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ビクセン meglass H6x16 [天文>機材>双眼鏡]

スワロNLはそれはもう手持ち双眼鏡として至高なのですが、散歩のお供とするにはやや本格的過ぎるので手で持ちながら歩けるような、コンパクトさに特化したポケットサイズの双眼鏡が欲しいと感じて(つくづく度し難い…)今回選んだのがこちら(日本語では「メグラス」と呼称)です。

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軽量コンパクトな双眼鏡と言えば手持ちのヒノデ6x21-N1は今でも気に入っていますが、これより重いものの2軸ダハであるコーワSV25-8の折り畳んだ形状が個人的に持ち運び易いと感じる事も少なくなかった事から、2軸ダハの条件でよりコンパクトで高性能な双眼鏡はどんなものがあるだろうと物色を開始しました。

当初はスワロ、ライカ、ニコン、コーワと言った2軸ダハの最上位クラスの機種に食指が動きましたが(筆頭候補はライカUltravid8x20シルバー)その価格を見てふと我に返り、散歩のお供ならそこまで高性能で無くてもいいのでは?と考え直して他メーカーの製品を眺めていて目に飛び込んできたのがこのビクセンの双眼鏡でした。シルバーアルマイト仕上げの筐体にブルーの牛本革をあしらった上品なデザインが自分の琴線に直撃し、口径は16mmとやや小さいですがその分コンパクトで重量は140gと圧倒的に軽く何より日本製との事で、正に今回求めている条件に合致すると感じてNLが最後の双眼鏡!の願いも虚しく再びダイブしてしまったのでした。

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実物を手にすると期待通りの質感の良さで、ボディの金属加工の精度が非常に高く感じられ、可動部分の動きも精密感があり、折り畳んだ時のピタッと全体が一体となるこの公差の少ない感覚は流石日本製と思わせる心地良さを味わわせてくれます。ビクセンは今でも良い製品を生み出す力は十分あるメーカー、と言う事はこのブログでも度々書いてきましたが、この双眼鏡もビクセンの中でもクオリティ重視の、メーカーの良心が感じられる製品と言えるかも知れません。

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見え味に関しては普通に見えればOKと考えていましたが実際に覗いてみてびっくり、ヒノデN1やコーワSVと比べると視野の透明感で一目瞭然で差があり、これに比べるとこの2機種はガラス越しに見たような像の眠さを感じます。この2機種もこれまで特に性能が悪いと感じた事が無かったので口径差をものともしない期待を大きく超える見え味にひょっとしてこれは大当たりなのでは?とこれだけ良質な双眼鏡の評判を何故今まで全く耳にした事が無かったのだろうかと少し不思議な気分にもなりました。

また今回はコンパクト最優先ですので見掛け視界の狭さは気にしないつもりで選びましたが、N1やSVと比べると一回り視野が広くクリアな視界も相俟って開放感も段違いで、普通視野を広くするには接眼レンズ、プリズムの大型化が必要となるはずですので、この小ささでこの視界の広さ(実視界8.3度)を実現している点も驚きでした。またこの双眼鏡で星を見る事は考えていませんでしたが一応確認したところ良像範囲は8割位はありそうで普通に使えなくもありません。

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一方でこの双眼鏡はこの大きさの割に十分なアイレリーフを持っているだけに、見口を繰り出す機構が備わっていない点は個人的に少々残念に感じましたが、改めて他社製の200gを切る超軽量クラスの双眼鏡を見ると見口繰り出しが無いのは普通の事で、この双眼鏡のゴム見口は眼鏡使用時にレンズが傷つく事を防ぐ事が主目的のようにも感じられ裸眼では見口から少し浮かして見るような使い方になりそうですが、この双眼鏡に関しては6倍と低倍率な事もあり手ブレが少なく目位置にも寛容でとても覗き易いと感じるのでそれで特に不都合を感じる事はありません。

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この双眼鏡の付属品として本体と同じ素材の革ケースが付属しますが、当初出し入れがそれ程スムーズにいかないので汎用の布製ポーチでも別に用意しようかとも考えましたが、この純正ケースの特筆すべき点は本体を収納しても全体サイズが殆ど変わらない点で、バッグやポケットなどに入れて持ち運ぶなど極力嵩張らない事が望ましいと考えられる使用条件を想定すればこのケースは本体のコンパクトさを損なわない点でとても良く考えられていると感じられました。勿論仕舞う時には毎回双眼鏡を折り畳む必要があるのは少々手間ですがこの双眼鏡には前後キャップがありませんので、この革ケースのピッタリさはレンズキャップも兼ねていると考えればやはり良く出来ていると感じられましたので結局このケースを普段使いしています。

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尚この双眼鏡はピント移動で天板の全長が変動しますので、近距離にピントを合わせた状態だと全長が伸びてケースに入り難くなります(自分も当初苦戦しました)のでケースに入れるのがきつい、と感じた場合はピントを無限遠に合わせる(天板の長さを縮める)と入り易くなります。

また改めてこの双眼鏡の大きさについてですが本当に小さいです。下の比較写真の通り軽量コンパクトの目的で購入したヒノデN1と比べても更に一回りコンパクトである事が分かります。

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高級路線の2軸ダハ双眼鏡で現行品でこれより小さいものがあるのかどうか、自分には見つけられませんでしたが自分にとっては今回の目的でこれ以上の双眼鏡は無いのでは?と掘り出し物を見つけたような得した気分になれてとても満足しています。

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