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SVBONY SV138 31.7mm45°正立プリズム [天文>機材>ダイアゴナル]

ミニボーグ50-BINOを45度対空化したい事情から45度正立プリズムの導入を検討し始め、調べると大きく分けてプリズムハウスが大きい製品と小さい製品の2種類がある事に気付き、プリズムが大きければ広角長焦点アイピースの使用でもケラレが小さいと思われた事からこの系統の製品を更に物色、値段と性能のバランスが良さそうなこのSVBONYの製品に辿り着きました。

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SVBONYは中国の会社ですが、国内で例えれば笠井トレーディングに近いメーカーと言うよりディーラーの雰囲気を纏った会社で、中国にはノーブランドの天文パーツを販売する数多のショップがあり(Amazonでもよく見掛けます)、当初SVBONYもその一つに過ぎなかった印象ですが、恐らく経営者の方が比較的日本の市場に明るく、また天文マニアの需要を分かっている人で、数多の中華OEM天文製品の中からより商品価値が高そうな製品を見つけ出し、仕様の細かいところを使い易いようにカスタマイズして自社ブランドとして販売する事で徐々に日本の天文ファンの間に支持が広がり、今では多くの天文マニアの方にも認知されたブランドではないかと思います。

個人的にはSVBONYは中華天文パーツの品質の向上にも貢献したブランドのように思え、例えばヘリコイドのフォーカサーを無名ショップから購入すると回転にどこかムラがあるのが普通なのに対してSVBONY製品はそうした不具合が殆ど無く、日本人の品質に対する拘りに応える製品を供給し続けた事が(品質向上に取り組んだ他のメーカーの努力もあったかと思いますが)今の地位を築いたように思えます。

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この正立プリズムに関しても総金属製で品質が良く、性能面ではアミチプリズム使用の2インチの90度正立プリズムと比べると高倍率では幾分見え味が落ちますが、個人的に想定していたBINOでの中低倍率用として使用する分には観望に支障が出る事は殆ど無いと思われます。

またプリズムが大きい事で開口径が広く27mm程度あり、TV PL32mm使用でもケラレを感じる事は無く、アイピースの固定方式も31.7mm径の45度正立プリズムでは珍しい真鍮リング締め付け式を採用している点もSVBONYらしい配慮と言えると思います(真鍮リング締め付け式そのものに対する是非はさておき)。

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SVBONY製品の特徴はコストパフォーマンスが高いに尽きると思いますが、逆に高すぎてこれでは同じ土俵で国内メーカーが戦うのは厳しいだろうと心配になるレベルで、HPの日本語が怪しかったり、商品説明に整合が取れてなかったり、アフターサービスの面でもまだ不安な部分が見受けられますが、その点がクリアされれば天文ファンにとっては欠く事の出来ない存在になる可能性も秘めているかも知れません。