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ネオワイズ彗星(C/2020 F3)を振り返る [天文>日記]

日本で観望できる彗星としてはここ十数年で最も明るいと評判のネオワイズ彗星でしたが、丁度梅雨時期に重なってしまった事で見たいのに見られない、頼むから晴れてくれとtwitterのタイムラインも阿鼻叫喚の巷と化し、良くも悪くも天文界隈を多いに盛り上げてくれました。

過去50年間を振り返って未だに語り継がれる程の大彗星と言えば、古くはベネット彗星(C/1969 Y1)、ウエスト彗星(C/1975 V1)、比較的近年では百武彗星(C/1996 B2)、ヘールボップ彗星(C/1995 O1)が4強と言っても差し支えないと思いますが、今回のネオワイズ彗星はこれら4強には及ばないとしても最大1~2等級程の明るさと立派な尾を見せてくれた事で天文ファンを魅了するには十分な彗星だったと言えるでしょう。

個人的にはこの彗星のまともな姿を2回拝む事ができました。北海道は梅雨が無いと一般的に思われているかも知れませんが道東、十勝に関してはこの時期は本当に晴れず、1~2ヶ月間で2、3回しか夜空が見えなかったと言う年も珍しくありません。

そんな中一回目は7月10日早朝、プリンス6.5x32双眼鏡で見つける事ができ、ダメ元でスマホ(Asus Zenfone3)で何度か撮影にトライした結果、かろうじて姿を捉える事ができました。撮影時刻は午前2時35分、5秒露出です。

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このスマホで星を撮ろうと思っても相当明るい天体でなければ写りませんので、薄明、低空の中でこの程度でも写ったと言うだけでも大(中?)彗星の証と言えると思います。この後12x36防振双眼鏡で見た姿が見応えがありました。

二回目の機会は7月19日に訪れました。この時は両親にも見せてあげたいと望遠鏡(ブランカ70EDT)を設置、ACクローズアップレンズアイピース(約10倍、実視界5度)で日没の空を捜索したところ、点に収束しないぼやけた天体がいきなり視界に飛び込んできて、この感じはもしや・・・?と念の為スマホコリメートで写真を撮りました。これが19時50分頃。

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その後暗くなってきて尾が見え始めたのでネオワイズだと確信できて改めて写真を撮りました。これが20時30分頃、5秒露出。

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この時で既に前回よりは暗い様に感じられ、2回とも肉眼では確認できなかったのですが、双眼鏡ではその雄姿を堪能できて、両親にも見せてあげる事が出来て満足できる観望となりました。

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百武やヘールボップの頃は天文活動休止中でまともな星見機材を持っていませんでしたので、今回はまともな機材で立派な姿を堪能できたと言う点で想い出深い彗星になったと思います。現時点でまだ5、6等級の明るさがあるそうなのですが、もうワンチャンあるかな?