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国際光器 Fujiyama HD-OR12.5mm その2(見え味編) [天文>機材>アイピース]

このアイピースと笠井のHC-Orは設計は同一かも知れないと前回推察しましたが、HC-Orと比べてピント(絞り環)位置が対物寄りでピントが出し易い事、また脱落防止溝が無い点が個人的に使い勝手がとても良いのでその後2本目を購入しました。

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双眼での木星の模様の見え味に関してはHC-Orと谷オルソの中間位かな?と言う印象ですが、ただ正直あっても「かも知れない」程度の差で、既にディスコンのHC-Orへの思い入れ補正が掛かっている疑いも否定できず、正直まともにとても良く見えるアイピースで文句を付けるような要素はありません。

手持ちの12mmクラシックアイピースの中ではリファレンス的な堅実アイピースと言ったところで、プローセルならMeade SP、アストロプランならタカハシLE、これらに並ぶアイピースとしてアッベならHD-ORと安心感、信頼感を持って使える位置付けの純国産アイピースとなっています。

中華製のプローセルも正直良く見えるのですが、製造品質面でやはり国産アイピースは及ばない印象で、最近の中華アイピースも雑さはかなり無くなってきましたが、それでもこのアイピースの様な上品さを感じる事は個人的にありません。古き佳き国産クラシックアイピースの造りの真面目さが残っている現行品では希少なアイピースだと思います。

ところで先日同じく希少な国産クラシックアイピースとして現存していたタカハシのAbbe、LEシリーズがディスコンのニュースが突如流れました。両者ともとても評判の良いアイピースなだけにとても驚きましたが、自分的にはこのニュースを見てかつて笠井のHC-Orがディスコンになった時の状況を思い出しました。これは販売者側の判断ではなくOEM元の都合が原因ではないかと考え、当時HC-Orと並んで手に入り易い国産アッべとして認知されていた谷オルソにも影響があるのでは?と感じ谷オルソを何本か急遽購入しましたがやはりその後まもなくディスコンとなってしまったのです。

タカハシAbbeとHD-ORではスペック面で必ずしも同一ではありませんが、同時期に販売開始された(BORGやサイトロンと共に)事からOEM元は同じメーカー(大井光機)ではないかと個人的に推測しているのですが、それであれば次はHD-ORが危ないのではと思わなくもありません。谷オルソは現行品だった頃は非常に地味な存在で、現代風のアイピースが市場を席巻し始めた当時では見向きもされない部分すらありましたが、ディスコンになった後によくある事ですが国産アッべの良さが再評価され、中古相場が急騰しプレミアが付く程になった経緯を見ていますので、正直谷オルソよりHD-ORの方が国産アッべとしての完成度は高いと感じていますので、ディスコンともなれば同じように再評価される可能性は十分にあり、買い煽りではありませんが、現行品で手に入る内に興味のある方は早めに確保した方が良いのかも知れません。

タカハシのニュースを見ると後継製品を鋭意開発中、ともなっていますので国産アッべの灯が消えない事を祈ります。