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AstroStreet SWA32mm [天文>機材>アイピース]

焦点距離32mm、見掛け視界70度の2インチ広角アイピースで恐らく笠井のSWA32mmと同じ製品かと思われます。賞月観星のSWA原点シリーズも中身は同じではないかと予想するのですがこちらはツイストアップ見口が装備され個人的には単なるゴム見口より好みなのですが重量と鏡胴径が若干嵩む模様で、今回は双眼での使用が前提で少しでも軽いものが欲しかった事情から最安値だった事もありAstroStreet扱いのものを選びました。

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何故似たようなスペックのUF30mmを持っているのにこのアイピースが必要になったかと言えば、双眼望遠鏡用で使用している笠井の31.7mm径MC天頂プリズム(改)でより低倍率広視界を得る為に、2インチアイピースのバレルを細工する事で直結出来ないかと考えたのがきっかけで、バレル先端までレンズが詰まっているUF30mmには一切改造が施せないのでこの部分がスカスカと思われたこのアイピースに白羽の矢が立ちました。

天頂プリズム側はアイピースホルダーを外すとM42のオスネジが出てくるように作りましたので、かつて36.4mmのねじ込み式のアイピースがありましたが同様にこれをM42ねじ込み式に改造する事でアメリカンサイズの限界を超える視野の広さを目指し、このアイピースのバレルを外すとM48のオスネジになっていた事から、そこに42mm→48mmステップアップリング、M42メスの継手リングを取り付ける事で形にする事が出来ました。

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このアイピースは2インチで可能な最大視野を確保するスペック「ではない」事が逆に奏功し、M42のリングの内径とこのアイピースの絞り環径がほぼ同じでケラレが発生しない、M42のねじ込み式としては最大の実視界を確保出来るアイピースとなっています。但しこの方法ではダイアゴナル側の射出口径不足によるケラレが発生する可能性がある為、ダイアゴナルとアイピースの距離を極力(30mm程度)開ける事でこれを回避しています。

尚この状態から更にM42オス-36.4mmオスの変換アダプターを接続すれば36.4mmのねじ込み式アイピースとして使う事も恐らく可能です。上の写真の状態で340gとXW20より軽い位ですので、36.4mmねじ込み式に対応したダイアゴナルをお持ちの方には使えるアイピースの一つの選択肢として有用かも知れません。

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UF30mmと比較するとミニボーグ50-BINOでは良像範囲がUFが9割に対してSWAは7割程度と差がありますが、これがF5.6のミニボーグ71FL-BINOでは最周辺までほぼ点像、当然よりFの長い他の双眼望遠鏡でもほぼ100%の良像範囲で正直周辺像は余り良くなさそうな印象を持っていたのでこの結果は意外でした。SWAはレンズ枚数が少ない事もあってヌケが良い様に感じられ、癖の無い気持ちの良い見え味で安価な中華広角アイピースに抱いていたイメージを払拭する程の良質な見え味にショップの「自信を持ってお勧めする」との宣伝文句にも思わず納得です。