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ユニトロン Konig12mm [天文>機材>アイピース]

このアイピースは海外ではその特徴的な縞々のリングが装着されている事から「ゼブラ(Zebra)」ケーニヒとも呼ばれているシリーズです。個人的には惑星観望用途としてレンズ枚数が少ない2群3枚のケーニヒに兼ねてから興味があり、Konigの名を冠したこのアイピースがユニトロンから販売されていた事を知って気長に2本手に入れたのでした。

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このアイピースの販売時期を手持ちの古い天文ガイドを漁って調べてみたところ、1986年5月号のユニトロンの広告に「NEW」の文字と共に掲載されていましたがアイピース径は24.5mm/36.4mmとなっており、この時点ではアメリカンサイズのものはまだ発売されていなかったようです。

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その後86年10月号にはアメリカンサイズの広告が写真付きで出ていますので今回のアイピースの販売時期はこの頃ではないかと予想されます。

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偏にケーニヒと言ってもその設計は多種多様で普通ケーニヒと言えばアッベの簡略設計とも思える2群3枚、2-1のデザインが一番有名ではないかと思いますが(RKEもこれに近い設計です)吉田先生の望遠鏡光学屈折編にはいくつもの紹介があり、2群4枚のプローセルの改良型などレンズを4枚以上使用した設計も多くあったようです。

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今回手に入れたケーニヒも2-1設計である事を期待していたのですが、CNでこのアイピースが分解された写真を発見し、それによると1-2-1の3群4枚のレンズ設計の様でそこは個人的に少し残念に感じました(^^;この構成のケーニヒは上の吉田先生の書籍によれば広角用の設計と紹介されていて、上記天ガの広告でも見掛け視界60度となっていますが今回手に入れた2本は見掛け視界は実測約40度となっていて、広角モデルは周辺像が余り良くないとの評判も目にしたのでその後敢えて絞ったのかも知れません。

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個人的には12mmアイピースは惑星観望用途なので見掛け視界が狭くても支障はありませんが、もし広角設計のアイピースをわざわざ絞ったのならば中心像はそれ程でも無いのかも知れないと大きな期待をしていなかったのですが実際に木星を見てびっくり、抜群に良く見えます。例のランキングで言えばぱっと見これはSランクの見え味では?と感じましたがその後の見比べで自分的にHC-OrニコンOと同等のA+クラスと判断しました。レンズ枚数が4枚、期待より一枚多かったと言ってもアッベやプローセルと同じ枚数と考えれば大きな問題とはならないのかも知れません。