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2020/12/21 木星-土星超大接近デジタルスケッチ [天文>デジタルスケッチ]

実は最接近の21日は観望が出来ず、じっくり観望してスケッチが取れたのはその前後の20日と22日となりました。

以下12月20日のスケッチです。この視野円の大きさ(実視界)は0.42度となっています。

ttsct201220_1_13.jpg

気合を入れて寒い中TSAを持ち出したもののシーイングが今一つで正直このスケッチほど惑星はシャープでは無く、実際はもっとユレユレでボケボケでしたが絵で表現するのが難しく、もしシーイングが良かったら、と言う想像も混じったスケッチとなったかも知れません。

このスケッチではガリレオ衛星が5つあるように見えますが、木星から一番遠い光点はHD191250と言うやぎ座の7.5等の恒星で、この世紀の超大接近にしれっとガリレオ衛星に成りすましていたのが面白かったですwこの日はこの恒星も含めて土星から木星までの星の並びで数字の「7」を思わせるアステリズムが形成されていたのも(但し鏡像で)楽しませてくれました。

以下は最接近の翌日、12月22日のスケッチです。この視野円の大きさ(実視界)は0.23度となっています。

ttsct201222_1_12_1.jpg

やはり一段と木星と土星が近くなり、約250倍でも余裕で同一視野に収まって見えました。この日はFL-90Sに口径を下げたものの低空の割にシーイングが良好で、20日にTSAで見たよりも詳細が良く見えました。ただ20日はタイタンがかすかに見えていましたが、この日は視認する事が出来ませんでした。

割と最近始めたデジタルスケッチですが、じっくり観望した上で記録としても残せるのは自分にとっては一石二鳥と言ったところで、今シーズンの木星、土星の観望の締め括りとしては一生の想い出として残る、最高の体験が出来たと満足しています。

2020/12/21 木星-土星超大接近 [天文>日記]

ここまでの接近は397年ぶりとなった木星と土星の世紀の超大接近ですが、普段視界が限られたベランダで惑星観望している自分的に木星土星の観望は10月頃で一段落し、その後火星の観望に注力していたので12月の下旬になっても木星土星がまだベランダから見えるのかどうかが不透明で、もしベランダから狙えないならお手軽観望で済まそうかなどと、この時点ではそこまでこの現象を熱心には捉えていませんでした。

しかし火星も次第に小さくなる中でこの現象が更にクローズアップされて改めて木星土星の位置を確認すると、確かに高度はどんどん下がってきていますが、それと同時に冬至に向かって日の入りもどんどん早くなっていったので当日ぎりぎりベランダから見えそうな希望が見えてきました。

ベランダで見られると分かれば俄然やる気が湧いてきて、基本写真はしない自分もスマホで撮ってみたいと考えましたが、高倍率の惑星をスマホで撮るのは自分には困難と思われたので、少ない観望時間をなるべく直接目に焼き付けたいとの思いもあり、そうだ、こんな時こそスケッチを取ってやろうと思い立ち、準備を始めたのでした。

以下最接近の一日前の12月20日に予行演習として観望している様子です。

nk-201221_1.jpg

この写真ではかろうじて木星と土星が分離して見えていますがやはり非常に近いです。150倍の倍率でも同一視野に捉える事が出来てこれは凄いと感じ、急遽両親を呼び寄せてあまり関心が無さそうでしたが、これが如何に貴重な現象かを熱弁する事により多少満足してくれた様子だったので自分も満足しました。

これで翌日の最接近もより楽しみとなりましたが、この日のー5℃の気温の中での観望で少し風邪を引いてしまい、肝心の21日の観望はチラ見しかできず残念でしたが、実は22日も21日と殆ど変わらない接近具合なのを事前調査で知っていたので、目標を22日に切り替えて体調の回復に努めました。

以下、22日に再度挑んだ様子ですが、やはり20日よりは接近していてこの写真では分離しているように見えません(僅かに2つに見える??)。

nk-201221_2.jpg

望遠鏡では250倍でも同一視野に収まっており、改めてこれは凄いと再び両親を呼び寄せて、20日との位置の違いや大きさの違いを体感してもらって、この貴重な体験を分かち合う事が出来て嬉しかったです。

幼少から惑星、特に木星と土星を眺めるのが何よりも好きだった自分にとっては正に夢の競演と呼ぶに相応しい光景で、こんな事が現実に起こるんだなあと不思議な感覚に見舞われ、少しでも記憶に刻み込んでおこうと、低空で隣家の屋根に隠れるまでの短時間でしたがその姿を堪能していました。

この時の接近の様子をスケッチしたのがこちらです。