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スコープタウン AH40mm [天文>機材>アイピース]

ミニボーグHα太陽望遠鏡用の最低倍率用のアイピースとしてこれまでMeade SP40mm(日本製)を使用していましたが、見え味は文句ありませんでしたが目位置が相当にシビアでフードを自作したりと工夫していましたが、もう少しアイレリーフが短いアイピースであればより覗き易くなるのではと考え、アイレリーフの短さには定評がある(?)ハイゲンスを試したくなり、見つけたのがこのアイピースでした。

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スコープタウンにはこのアイピースの十字線ありモデルと無しモデルの2種類が販売されており、今回購入したのは観望用ですので十字線の無いモデルです。このアイピースは2群3枚のアクロマートハイゲンスで純粋なハイゲンスではないせいか、アイレリーフの公称値が35mmと結構長いのが懸念材料でしたが、SP40mmと見比べて格段にアイレンズから近い位置で覗く事が出来、35mmは無さそうに感じます。

見掛け視界に関しても公称値33度との事ですがTMBモノセン12mm(公称30度)と見比べると若干狭く、30度無いのでは(28度位?)と感じました。ただ視野レンズは24.5mm径のバレル内径をフルに使用しているようです。

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余談ですが恐らくこのアイレリーフ公称値は見掛け視界が狭いので目を離しても全視野が見える、と言う意味でのアイレリーフ表記では無いかと思われ、実際アイレリーフをこの様に定義されているところも見受けられますが、個人的にはブラックアウトなどを生じない適切なアイポイント(射出瞳)までの距離をアイレリーフと考えています。

前者の定義ですと同じアイピースでも見掛け視界が狭ければ狭いほどアイレリーフが伸びる事になり、逆に同じアイピース(絞り環径)でもバローを使用するとアイレリーフが伸びる、と言う現象も説明が付かない事になり、自分は光学理論には詳しくありませんがアイレリーフを単に全視野が見える(最遠)距離とは言えないだろうと考えるところです。

その点で自然に覗く事が出来る、と言う意味でのアイポイントまでの距離はSPよりもAHの方がずっと近く、実際の太陽観望で使用してみると狙い通り劇的に覗き易くなりました。目位置に寛容でブラックアウトもし難くなりましたのでSPでは不可欠だった自作フード無しでも覗けるようになりました。

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今回の太陽観望の用途においてはAHの見掛け視界の狭さも全く問題は無く、見え味も文句無しで、これにより太陽観望の低倍率用のアイピースはこちらに置き換わる事となりました。太陽観望にはハイゲンスが向いていると言われる事がありますが、これは貼り合わせレンズを使用していないので熱でレンズが壊れない意味合いで語られる話と認識していましたが、このハイゲンスのアイレリーフの短さが太陽観望においては覗き易さを向上させる意味でも適しているのはないだろうかと思わせる今回の試みでした。

尚念の為、太陽観望は非常に危険を伴いますので十分な知識無しでは行わないでください。このアイピースを使用する太陽望遠鏡は特殊な望遠鏡ですので、普通の望遠鏡で太陽を見る事は絶対にお止めください。失明します。