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ACクローズアップレンズNo.5-BINO [天文>機材>望遠鏡]

ACクローズアップレンズアイピースミニボーグ55FL-BINOなどの退役によって余っていたパーツを再活用して構築してみたBINOがこちらです(以下CUpレンズNo5-BINOと呼称)。

tlscp-accup5bn_1.jpg

構成は対物側から、

・MARUMI 58mm-48mmステップダウンリング
・Kenko ACクローズアップレンズNo.5 58mm・・・余り物
・42mm-58mmステップアップリング
・中華M42ヘリコイド(25-55)・・・余り物
・48mm-42mmステップダウンリング
・SC2インチ90°正立プリズム(目幅短縮加工)・・・余り物
/100mmファインダーアリガタ
/MoreBlue目幅調節装置・・・余り物
/45度三角アリガタ

となっています。

今回BINOの構造的な特徴は2インチ正立プリズムの底面にファインダーアリガタを直接取り付け(M2.3x12mmのネジを使用)、これをMoreBlueの目幅調節装置に装着する事で鏡筒(鏡胴)部分を持たないBINOとなっており、これにより対物レンズとして焦点距離200mmのACクローズアップレンズNo.5(今回は58mm径)を使用してもピントを出す事が可能となり、イーソス17mmの使用で見掛け視界100度で実視界8.5度(倍率11.8倍、射出瞳径3.3mm)とWXにかなり肉薄するスペックを実現する事が出来ました。と言っても今回は周辺像の崩れを抑える目的とMasuyama32mmの使用を考慮して口径を39mm(F5.1)に絞っており、最小目幅もワンオフ加工したこの正立プリズムを以てしても63mm止まりとなっていますのでやはり実視界9度、口径50mm、最小目幅58mmを実現するWXの凄さをここでも再認識した次第です。

tlscp-accup5bn_2.jpg

それでもイーソスを使用した時の見え味はクローズアップレンズ使用であっても像が甘い印象は特になく、良像範囲は8割程度でWXには敵いませんが見掛け視界がWXの90度とイーソスの100度とでは視野の広さの印象の違いは結構あり、没入感ではこのBINOが上回っているかも知れません。またMasuyama32mmを使用した時の良像範囲も7割程度と意外に広く、正立プリズムの開口径の関係で視野が若干ケラれますがそれでも実視界13度近く(倍率6.3倍、射出瞳径6.2mm)を出せており、こちらも普通の双眼鏡では中々見られない景色を味わう事が出来ます。

WXとの最大の違いはこちらは90度対空(正立)となっていますので架台に載せての天頂付近の観望が容易となっており、今回のBINOの重量は約1930gとアイピース込みで考えるとWXより重いですが手持ちも何とか可能で、また机や台に載せれば三角アリガタ部分を支点にする事により架台を使わずに手振れを抑えた、腕が疲れない卓上BINOとして使える点も今回BINOのユニークな部分かも知れません。

tlscp-accup5bn_3.jpg

低倍率広視界のコンセプトで観望対象が若干WXと被るとは言え、ほぼ余り物のパーツで組み上げた割には存外しっかりとした見え味に機能も備わっており、正立プリズムとアリガタを固定するかなり細いネジに負荷が掛かっているのは不安材料ではありますが、スペック面でも(WXが無ければ)ユニークで実用的な機材が出来上がり、気軽に星空散歩する機材として有効活用していければと思っています。