ミニボーグ71FL-BINO [天文>機材>望遠鏡]
以前小口径広視界型のBINOとしてミニボーグ45ED-BINOと60ED-BINOを切り替えて使用していましたが、45ED-BINOはその後ミニボーグ50-BINO→55FL-BINOとそのコンセプトが継承されていった一方で60ED-BINOの口径、視野の広さのバランスの良さも捨て難く、このBINOは対物レンズ外径による68mmと言う最小目幅がネックとなって対物口径が制限されていましたがこの状況を打破する為に意を決してビノテクノのEZMを導入、更に対物レンズをミニボーグ71FLに口径アップする事で中型のBINOへと進化させたのがこちらです。
鏡筒部の構成は、
・BORG ミニボーグ71FL対物レンズ(WH)【2571】
・BORG M57/60延長筒SS【7601】
・Pixco BORG互換M57延長筒28mm
・BORG M57ヘリコイドDXII【7761】
・BORG M57/60延長筒M【7603】/K-ASTEC TB-60AS鏡筒バンド
・BORG 2インチホルダーSII【7504】
・ビノテクノ EZM(左右ペア/誘電体コート)
と60ED-BINOからの派生とは言っても全くの別物となっています。前作から継承されているのは台座のHowie Glatter製PST BinoPlatform位でしょうか。
EZMを採用するのであればより大口径も狙えたのですが、このBINOはアンドロメダの全景をなるべく大きな口径で眺めたいと言う目的があり、構造面でも台座パーツやヘリコイドの耐荷重の問題もあり、片手で持ち運べる手軽の範疇の機材に収めたい狙いからも71FLのスペックが最適と判断しました。
今回のBINOの製作で一番苦労したのが台座パーツと鏡筒を繋ぐプレートの特注でした。製作はユーハン工業にお願いし、設計する際の寸法の計測が目見当に頼らざるを得ない部分があり、現物合わせでの修正が必要になるなど一筋縄ではいきませんでしたが無事に出来上がりました。重量は約4.1kgとなっています。
使用アイピースはほぼイーソス17mm固定となっており、倍率23.5倍、実視界4.25度での100度双眼視の世界はやはり他の機材では味わえない、新たな眼視体験を提供してくれます。このBINOを作る目的ともなったアンドロメダを見るとM100、M32も含めた全景がバランス良く視野に収まり、これまでの45EDや60ED-BINOで物足りなかった部分がかなり解消され、実視界の広さでは敵いませんが没入感や視野の透明感と言った部分ではWXにも引けをとっておらず、この見え味であれば作る価値があったと満足出来ました。
他にも網状星雲も東側(NGC6992-5)と西側(NGC6960)の両方を一望可能でUHCやOIIIを使用した見え味は写真の様で、北アメリカ星雲もフィルター使用で淡いですが全景が収まり、すばるや二重星団などの散開星団も繊細な描写でありながら迫力があり、小口径ではありますがその分視野が広くイーソス双眼の威力も相俟って、APM12cm双眼などより大口径の双眼機材と比べても見た目のインパクトで遜色の無い天体像を描写してくれます。
ケースはAmazonで非常にピッタリなサイズのアルミケースを見つける事が出来ました。
ここで我が家の双眼機材の特徴を以下に示します。
どの機材も一長一短がありますが、個人的に天体用機材で望ましいと考える条件(上の表の赤字部分)、90°対空で正立像、2インチアイピースが使用可能で、低倍率から高倍率まで観望可能と言った条件を全て満たすのは今回のBINOだけとなっています。
きちんとしたBINO用台座(PST BinoPlatform)のお陰で自作では難度の高い精度のある目幅調整、視軸調整機構が備わっており、EZMの使用で正立での高倍率観望においても像の劣化を感じる事は無く、最小目幅や使用アイピースの制限も無いと言った点で自分の手持ちのBINOの中でも恐らく最も完成度が高く、とにかく運用面でも見え味の面でもバランスの良さが光る機材となったと満足しています。
鏡筒部の構成は、
・BORG ミニボーグ71FL対物レンズ(WH)【2571】
・BORG M57/60延長筒SS【7601】
・Pixco BORG互換M57延長筒28mm
・BORG M57ヘリコイドDXII【7761】
・BORG M57/60延長筒M【7603】/K-ASTEC TB-60AS鏡筒バンド
・BORG 2インチホルダーSII【7504】
・ビノテクノ EZM(左右ペア/誘電体コート)
と60ED-BINOからの派生とは言っても全くの別物となっています。前作から継承されているのは台座のHowie Glatter製PST BinoPlatform位でしょうか。
EZMを採用するのであればより大口径も狙えたのですが、このBINOはアンドロメダの全景をなるべく大きな口径で眺めたいと言う目的があり、構造面でも台座パーツやヘリコイドの耐荷重の問題もあり、片手で持ち運べる手軽の範疇の機材に収めたい狙いからも71FLのスペックが最適と判断しました。
今回のBINOの製作で一番苦労したのが台座パーツと鏡筒を繋ぐプレートの特注でした。製作はユーハン工業にお願いし、設計する際の寸法の計測が目見当に頼らざるを得ない部分があり、現物合わせでの修正が必要になるなど一筋縄ではいきませんでしたが無事に出来上がりました。重量は約4.1kgとなっています。
使用アイピースはほぼイーソス17mm固定となっており、倍率23.5倍、実視界4.25度での100度双眼視の世界はやはり他の機材では味わえない、新たな眼視体験を提供してくれます。このBINOを作る目的ともなったアンドロメダを見るとM100、M32も含めた全景がバランス良く視野に収まり、これまでの45EDや60ED-BINOで物足りなかった部分がかなり解消され、実視界の広さでは敵いませんが没入感や視野の透明感と言った部分ではWXにも引けをとっておらず、この見え味であれば作る価値があったと満足出来ました。
他にも網状星雲も東側(NGC6992-5)と西側(NGC6960)の両方を一望可能でUHCやOIIIを使用した見え味は写真の様で、北アメリカ星雲もフィルター使用で淡いですが全景が収まり、すばるや二重星団などの散開星団も繊細な描写でありながら迫力があり、小口径ではありますがその分視野が広くイーソス双眼の威力も相俟って、APM12cm双眼などより大口径の双眼機材と比べても見た目のインパクトで遜色の無い天体像を描写してくれます。
ケースはAmazonで非常にピッタリなサイズのアルミケースを見つける事が出来ました。
ここで我が家の双眼機材の特徴を以下に示します。
接眼部向き | 接眼部径 | 像 | 適正倍率 | |
R200SS-BINO | 逆向き | 31.7mm | 裏像 | 低~中倍率 |
APM12cm対空 | 90°対空 | 31.7mm | 正立像 | 低~中倍率 |
FL90S-BINO | 90°対空 | 2インチ | 裏像 | 低~高倍率 |
APM20x80MS | 直視 | 交換不可 | 正立像 | 低倍率 |
ミニボーグ71FL-BINO | 90°対空 | 2インチ | 正立像 | 低~高倍率 |
CUSTOM60L-BINO | 90°対空 | 31.7mm | 倒立像 | 中~高倍率 |
ミニボーグ55FL-BINO | 90°対空 | 2インチ | 正立像 | 低~中倍率 |
WX10x50 | 直視 | 交換不可 | 正立像 | 低倍率 |
CUpレンズNo5-BINO | 90°対空 | 2インチ | 正立像 | 低倍率 |
どの機材も一長一短がありますが、個人的に天体用機材で望ましいと考える条件(上の表の赤字部分)、90°対空で正立像、2インチアイピースが使用可能で、低倍率から高倍率まで観望可能と言った条件を全て満たすのは今回のBINOだけとなっています。
きちんとしたBINO用台座(PST BinoPlatform)のお陰で自作では難度の高い精度のある目幅調整、視軸調整機構が備わっており、EZMの使用で正立での高倍率観望においても像の劣化を感じる事は無く、最小目幅や使用アイピースの制限も無いと言った点で自分の手持ちのBINOの中でも恐らく最も完成度が高く、とにかく運用面でも見え味の面でもバランスの良さが光る機材となったと満足しています。
2023-06-08 01:39